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平成21年9月定例会(第15日) 名簿
平成21年9月定例会(第15日) 本文

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  1. 福岡県議会 2009-09-15
    平成21年9月定例会(第15日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯副議長(井本 邦彦君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。吉柳順一君。(拍手) *吉柳議員質問 2 ◯三十四番(吉柳 順一君)登壇 皆さん、おはようございます。民主・県政クラブの吉柳順一でございます。通告に従いまして、質問をいたしたいと思います。  まず最初に、筑豊地域活性化近代化遺産につきまして質問いたしたいと思います。  先月の九月一日、福岡経済同友会及び同筑豊部会が知事に面談し、交流人口の拡大で筑豊再生を、日本近代化の原点、近代化産業遺産を生かした観光まちづくりの提言を行ったところであります。このことについてはマスコミで報道されました。地元の活性化を願う者として、早速その提言を手にし、拝読をさせていただいたところであります。  この提言では、筑豊地域交流人口拡大のためには、産学官が連携して、地域に所在する既存の資源を魅力ある観光資源として再構築する必要がある。また、入り込み客が魅力を感じるためには、地域住民自体が地域に魅力と愛着を感じるようなまちづくりを推進することが不可欠であるとしております。  この筑豊部会との面談の中で知事は、飯塚では三つの観光資源、旧伊藤伝右衛門邸と白蓮、嘉穂劇場、そして筑前ひいなの祭りを挙げられ、一定の成功をおさめていると評価されております。直方では、JR直方駅周辺のレトロまちづくり取り組みと、貝島邸を挙げられております。田川については英彦山を挙げるとともに、もう一つ核になるべきものがあればいいと述べられ、美術館についても随分いいものができていると評価されています。また、赤村の直売所を挙げ、直売所、朝市の重要性を挙げられました。そして、それぞれ個の部分としては相当いろんな努力を各地でしているが、それを全体としてもう少しうまく組み合わせてやっていくことが必要であるということを述べられたと聞いております。このことは、筑豊の再生に向けては地域全体としての取り組みが大切であるということ、そして市町村の枠を超えた筑豊地域のネットワーク、協同の取り組みの重要性を指摘されたものというふうに考えております。  当然、地域の活性化、再生には、何よりもそこに住む地域住民の努力が第一であるということは、言をまちません。知事は広域連携について、同友会の、自分のところの観光資源を全部並べても、なかなか外から見たらどれが目玉なのかわからない部分が出てくる。今九州の観光推進機構みたいに、それぞれのシナリオを魅力あるシナリオにしてつくっていただけるような組織をどういうふうにしたらできるのか、との質問に対し、田川市だけではなくて田川郡が大事である、飯塚、直方とつながるようなものをつくらなくてはいけないと述べられております。  県としてこの提言をどう受けとめられているのか、また広域連携、筑豊地区全体の連携と活性化に向けて、県としてどのような支援、対応が考えられるのかお尋ねをいたします。  次に、この提言では、近代化産業遺産を生かした観光まちづくりを柱として提言しております。御承知のように福岡県と関係各県六県十二市で提案した、九州・山口の近代化産業遺産群が本年一月ユネスコの世界遺産暫定リストに記載されました。私の住んでおります飯塚市からは、旧伊藤伝右衛門邸近代化産業遺産群の一つとして記載されております。知事は、世界遺産登録に向けて取り組んでいるが、なかなか大変だ、また、世界遺産は人が来るかといえば相当難しい、世界遺産は人を集める観光資源と見ていますが、観光資源と必ずしも直結するわけではない、と厳しい見方をされていると聞いておりますが、私は、世界遺産に登録されるということは、やはり国内はもとより世界に対してもその地域を発信する大きな観光資源と考えております。飯塚市においても、暫定リストに登録された旧伊藤伝右衛門邸とあわせて、一八八一年、国内有数の規模を誇る筑豊炭田で初めてポンプを使った地下水のくみ上げに成功し、これをきっかけに採炭、運搬技術が大幅に進歩したと言われている目尾炭鉱跡地、大衆演劇の殿堂として筑豊地区に唯一残る嘉穂劇場をリストに加える作業も行っていると聞いています。  そこでお尋ねします。世界遺産登録に向けて取り組んでいるが、なかなか大変だというふうに述べられておりますが、現在世界遺産登録に向けてはどのように手続が進められているのか、その現状とあわせて世界遺産登録に向けてはどのような課題があるとお考えなのかお示しをください。  次に、世界遺産登録と国の重要文化財指定の関係について、教育長にお尋ねをいたします。今申し上げましたように、飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸は、世界遺産暫定リスト近代化産業遺産の一つとして挙げられております。しかし、今日まで国指定の重要文化財としての指定はされていないというふうに聞いておるところであります。少なくとも世界遺産として登録しようとする施設が、国の重要文化財として指定を受けていないということは、世界遺産登録に向けては少なからず支障が生じるのではないかと、いささか疑問に感じているところであります。旧伊藤伝右衛門邸の国重要文化財指定について、県としても積極的に取り組まれているとは聞いておりますし、あわせて旧伊藤伝右衛門邸庭園国指定名勝として指定するという話も聞いております。その指定についてはどのように取り組まれているのか、現状と今後の見通しについてお尋ねをいたします。  次に、遠賀川の河川整備、デポジット制導入について、お尋ねをいたします。私のふるさと遠賀川は、いにしえから歴史と文化を刻んできた母なる川として、流域住民に長きにわたって親しまれてまいりました。しかし近年は、九州の一級河川で水質ランキングワーストスリーの中に入るほど、水質は悪くなっております。その理由の一つにごみの不法投棄があると思います。遠賀川流域の七市十二町など二十三団体が加盟する、遠賀川水系水質汚濁防止連絡協議会では、五月三十日を遠賀川ゴミゼロの日として、その日を挟む五月十一日から六月十日まで、春の遠賀川一斉清掃を実施し、本年も延べ約一万五千人が参加し、回収したごみは五十五トンに上ったと聞いております。また、例年十月の第二日曜日には、二十二年目を迎えるI LOVE遠賀川の行事が取り組まれ、二千五百人から三千人の地域住民ボランティアが集まり、河川敷の一斉清掃を行っているところであります。しかしながら、国土交通省九州地方整備局遠賀川河川事務所によりますと、不法投棄の件数は増加の傾向にあり、平成十九年には、約一千八百五十件もの不法投棄が確認されているということであります。  このように一級河川の管理者である国土交通省流域自治体、流域住民、団体が連携して河川浄化に取り組んでいますが、ボランティアに頼る河川浄化の取り組みは限界近くになっております。不法投棄をなくし、遠賀川の河川環境を改善するためには、行政のさらなる取り組みが必要であると考えます。  また、不法投棄されたごみを処理するために、流域自治体に多大な費用負担がかかっていることや流域すべて県域であり、県内の豊かな環境が損なわれていることを考えると、河川管理上、県としても積極的な取り組みをする必要があると考えますが、県は遠賀川の河川の環境整備について、どのような取り組みをされているのでしょうか、お尋ねをいたします。  さらに、不法投棄されたこれらの大量のごみは、毎年大雨や台風の後は下流に流れ、河口堰と海面を覆い尽くすゆゆしき事態となっており、河口堰や海に流れたごみは、漁業や観光、環境にも大きな影響を与えていると考えています。そこで、河口堰や海岸に漂着したごみについては、その処分についてはどこが責任を負うのでしょうか。河口堰のごみについては、遠賀川河川事務所により撤去の努力がされているようでありますが、河口堰を越えて多量のごみが海に流れて、近隣の海岸に流れ着いています。海岸や港湾等に漂着したごみの処理の責任はどこが負うのでしょうか、お尋ねをいたします。  本年七月、海岸漂着物処理推進法の施行によって、地域グリーンニューディール基金が設定されたとは聞いていますが、仮に市町村が処理する場合はその処理費用も多大なものとなり、当該市町村の財政にも大きな影響を与えると考えます。みずからが出したごみではないにもかかわらず、処理しなければならない市町村に対する財政的な支援はないのでしょうか、お尋ねをいたします。  また、この河口堰にたまるごみ、海岸に流れ着く漂着ごみにはペットボトル、空き瓶、空き缶などが大量に含まれております。このようなごみの散乱防止には、ポイ捨て禁止などのモラルの向上はもちろん大切でありますが、実効ある散乱防止策として、私は、空き瓶や空き缶、ペットボトルの価格に預かり金を上乗せして販売し、返却のときに預かり金を払い戻す、いわゆるデポジット制の導入が効果的と考えております。会派としても、二〇〇五年五月に二〇〇三年度に義務化、導入されたドイツ連邦におけるデポジット制度の視察を行いました。当時は導入されて間もないということで、まだまだ制度を国民に周知するという状況でありましたが、昨年六月に視察した、環境省のペットボトルを始めとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会の報告では、リターナブル容器の九五%から九八%程度、ワンウエイ容器の九〇%以上が回収されていると、その効果を報告しております。  流域の市民団体は、一九九七年(平成九年)に遠賀川流域からの漂着ごみが海岸を覆い尽くす現状を打開しようと、I LOVE遠賀川流域住民交流会デポジット法制化を求める事務局を設立し、国や県、流域自治体デポジット法制化を求めるなど、デポジット制度の導入運動を取り組んでおります。一九九八年(平成十年)に、遠賀川流域三十二市町村議会に対し、デポジット法制化を求める意見書採択の要請行動を行い、すべての自治体が意見書の採択を行ったところでありますし、また翌年、一九九九年一月、福岡県議会に対して、デポジット法制化を求める意見書採択の行動を行い、二月議会で意見書が採択され、県議会としては国に対し、デポジット制度導入を求める意見書を提出しております。また二〇〇〇年までには、県下すべての自治体議会デポジット制度早期法制化に向けた決議が採択されております。また、知事に対しても、同年一九九九年一月二十八日、デポジット法制化を国に求める要望書が提出され、同月三十日の新聞では、機会をとらえて国に法制化を働きかけていきたいとの前向きの回答がされたと報道をされたところであります。
     そこで、県に対して要望書が提出され、議会でも意見書が採択され、はや十年余りが経過していますが、知事はこのデポジットについてどのようにお考えなのかお尋ねをいたします。  私も、この間なかなか法制化の検討が進んでいないと考えておりましたが、国のほうでもやっとデポジット制度に関する積極的な検討が始められたようであります。二〇〇八年(平成二十年)三月に環境省は、清涼飲料水などのペットポトルにデポジットを上乗せ販売し、回収、洗浄して繰り返し使うよう促すリターナブル化を進める方針を固め、廃棄物を減らし、温暖化対策にもつなげるねらいで、具体的な方法を検討する研究会──先ほど申し上げましたペットボトルを始めとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会を設置し、容器包装について、特にリユースの促進やデポジット等の活用について検討が行われました。この検討の中で、ペットボトルのリユースについて実証実験が行われたとのことです。私は、この結果をもとに品質管理、回収コストなどのペットボトルのリユースの課題が整理され、デポジット法制化が大きく前進することを期待をいたしているところであります。  一方で、この要望書の中では、デポジットモデル自治体設立積極的推進も取り上げております。これまでの地方での取り組みを見てみますと、大分県姫島村では、一九八四年から自動販売機の隣に飲料容器回収機を設置して、缶の回収を行っております。デポジットの対象となる容器に識別シールが張られ、飲料容器回収機のセンサーが感知して、預かり金を払い戻す仕組みで、ごみの散乱防止に大きな効果が上がっております。その他、埼玉県長瀞町、愛知県尾西市、岐阜県穂積町、福井県丸岡町等でこのような地域でのデポジット取り組み、いわゆるローカルデポジット取り組みが行われております。  現在県内では、県立高等学校七校でデポジットが取り組まれております。今は業者の方の都合で中止されておりますが、一九九八年から約九年間実施しました県立朝倉高等学校では、ダイオキシン排出規制で校内のごみ焼却炉を撤去したのをきっかけに、ごみを少しでも減らそうと食堂にデポジット方式自動販売機を導入し、飲み終えた紙パックを回収機に入れ、ふたをすると十円が戻ってくるデポジットを実施したところ、紙コップは回収機に持っていくのが当然という状況になり、効果を上げていたと聞いております。また、この紙コップはトイレットペーパーにリサイクルされていました。これらの取り組みは、校内の美化と環境教育の両面から大きな効果を上げたと考えているところであります。そういったことからも、県立高等学校内における自動販売機については、デポジットの回収機を設置してはと考えます。教育長のお考えをお聞きいたします。  また、県立朝倉高等学校にお聞きしますと、この自動販売機容器回収機は、メーカー、ボトラーのほうで設置しており、設置場所を確保すれば、オーナー、学校に費用負担を強いることはなかったということであります。とするならば、多大な財政的な負担を負わず、環境保全型社会への取り組みの一つとして実施は可能と思います。この際、県の施設等に設置しております自動販売機に回収機、デポジットを導入してはと考えますが、知事のお考えをお聞きします。  以上で質問を終わります。(拍手) 3 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 *知事答弁 4 ◯知事(麻生 渡君)登壇 福岡経済同友会が、筑豊地域の活性化についての提言をいたしました。この内容でありますけれども、これは、この地域が持っております歴史的な遺産、食文化、お祭りなどを活用いたしまして、観光の振興をやっていこう、それによって交流人口をふやす、これを活性化の核にしようではないかという具体的で、かつ現実的な提案でございます。この提案にありますとおり、筑豊地域には、御質問の中にもございましたように、非常に今、人気のございます伊藤伝右衛門・白蓮邸、あるいは嘉穂劇場、ひな祭り、英彦山のケーブル、修験道文化、温泉、直売所、直方のレトロ、各地の美術館、多くの魅力的な資源があるわけであります。したがいまして、今後の大きな方向といたしましては、このような筑豊全体の魅力的な観光資源、これを全体として観光地をつくり上げていく、そのためのそれぞれの魅力の紹介、ルートの形成、さらには観光と一体となっておりますけれども、おいしい食べ物があるということが大事でございますが、こういう点を含めまして、地域の特産品を一堂に集めたような筑豊フェアの積極的な開催などを通じまして、筑豊全体としての観光振興、地域の活性化を図っていきたいと考えております。  世界遺産の登録に向けての取り組み状況でございますけれども、これは九州・山口の近代化産業遺産群といたしまして、ことしの一月にユネスコの日本としての暫定リストに記載をされました。世界遺産の候補としての大きな第一歩を刻んだわけでございます。本県のほうでは関係をいたします九州・山口の五県十二市と共同で推進協議会を設立いたしまして、ユネスコでの登録に取り組んでおります。  その場合の課題でございますけれども、登録されますためには、世界遺産としての価値があるということを示さなければいけないわけでございまして、そのためには遺産そのものの保全等々の重要な事項もございますが、学術的に見まして、これが価値のあるものであるということを明確に研究し示す必要がございます。これに今、我々は各地で取り組んでいるわけでございます。また、この分野におきまして、権威があります産業遺産の世界的な専門家によります委員会も設置をいたしまして、検討を進めてまいる考えでございます。  遠賀川の環境整備についてでございます。遠賀川は管理区間が幾つかあるわけでございますが、県が管理をしておる区間につきましては、除草を当然行っておりますが、河川の巡視の際には、不法投棄物の早期発見、未然防止活動も行っているわけでございます。また、河川の愛護団体が行っております除草とか清掃活動、これには必要な用具がございますけれども、これもお貸しするというようなことで支援をしております。  さらに、毎年十月は河川美化推進月間でございます。河川の一斉清掃を実施しております。また、春の遠賀川一斉清掃、これは市町村の皆さんを中心に行われているわけでございますが、これに県も参加いたしまして、地域の皆さんとともに除草あるいは清掃を行っているという状況でございます。  河川の環境整備というのは、非常に大切なことでございますが、これはやはり地元が連携をして、広く住民参加型で行っていくということが本来の非常に重要なあり方でございますから、地元と連携をしながら、この保全に努めてまいります。  海岸の漂着ごみの処理の問題についてでございます。これまで廃棄物法あるいは海岸法がございましたけれども、このような法律におきまして、海岸の漂着物はどういうふうに、だれの責任で処理されるべきかということが明確でございませんでした。このため、本年七月から新しく海岸漂着物処理法ができまして、これに基づきまして海岸、港湾、漁港などのそれぞれの機能、区域に応じまして、その管理者であります県とかあるいは市町村などが、それぞれ処理に当たるということになったわけでございます。その場合に、実際の処理をします費用をどうするのかということがございますが、これまでは国の補助制度が設けられておりました。さらに、このたびの海岸漂着物処理推進法におきましては、漂着物対策を推進するために必要な財政措置は国の義務として位置づけられたというようなことでございます。支援体制が一層強化をされたところでございます。  デポジット制度についてでございます。このデポジット制度というのは、いろんな空き缶とかを持っていきますと、一定のお金がもらえるという、いわば経済的なインセンティブをつけることによって、回収を促進しようというものでございます。これは、いろんな使われたごみが散乱してしまうと、あるいは資源を再利用するというための資源収集として、効果的な手段の一つであるというふうに認識をされているんですが、一方で現実にこれを地域なり運用しようといたしますと、当然デポジットのお金はどこから出すのか、あるいはその管理、払い戻し、さらに実際に回収された物を使う場合の再利用、リサイクルの品質管理といったような課題がございます。そして、かつ効果が特定の地域にとどまらないという性格を持っております。こういうことがございますものですから、昨年から国全体としてこれをどう考えるかということにつきまして、御質問の中にもございましたけれども、国としての研究会が設置されまして、導入についての具体的な検討が始められているというところでございます。一方で、資源価格がずっと上がってまいりましたものですから、実態としての回収率というのは少しずつ向上してきておるという状況でございます。  県有施設におきます自動販売機へのデポジットの導入についてでございますが、県有施設の場合には自動販売機で売った後の使用済みの容器につきましては、職員が分別収集によりまして回収するというやり方をとっております。そして、回収した物は専門の業者に売るということでございます。このようにデポジットは導入しておりません。これは自主的にこういうものは回収するんであるというやり方で徹底をいたしているわけでございます。このような状態でございますから、当面県有施設にデポジット方式のやり方を導入するということは考えておりません。 5 ◯副議長(井本 邦彦君) 森山教育長。 *教育長答弁 6 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、旧伊藤伝右衛門邸国指定文化財に向けた取り組みについてでございます。世界遺産の推薦につきましては、重要文化財、史跡、名勝など、国の指定を受けておるということが前提となっております。現在地元飯塚市が国指定に向けた調査を実施いたしておりまして、その調査結果を踏まえまして、県としてもできるだけ早期に国指定が受けられるように、飯塚市と連携をいたしまして、文化庁に働きかけをしてまいりたいと考えております。  次に、県立学校における自動販売機へのデポジット方式の導入についてであります。学校におきましては、生徒に環境問題についての正しい理解と実践的な行動をとれる態度を育成するということが肝要であると考えております。現在各学校におきまして、生徒が自発的にごみそのものの減量や分別収集の徹底などに取り組んでおりまして、デポジット制については、ごみの散乱防止など環境教育において補完的なものであると考えております。今後とも生徒が自主的、主体的に環境保全に取り組むように、環境教育の推進に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯副議長(井本 邦彦君) 吉柳順一君。(拍手) 8 ◯三十四番(吉柳 順一君)登壇 再質問と要望を行わせていただきたいと思います。  一つは、先日の豪雨災害のような、遠賀川河口堰を開放することによって海岸や漁港等に漂着したごみの処理について、災害などで大量に漂着したごみを市町村が処理する場合、国の補助制度が設けられているというふうに答弁をされました。しかしながら、私はその中でも、やはり市町村が財政負担をしなきゃならない部分があるんじゃないかというふうに考えておりますので、新たな補助制度のもとでも、どのような市町村の財政負担があるのか、再度お尋ねをいたしたいと思います。  次に、県立高校における自動販売機デポジットの導入について、教育長にお尋ねします。デポジットの導入については、ごみの散乱防止や環境意識の改善等効果は上がっているということについては理解をされているというふうに考えます。基本的には、当然教育現場でありますので、環境問題についての正しい理解と実践的な行動、態度をどう育成するかということについては十分理解できるわけであります。しかしながら、質問でも述べましたように、具体的に七校が導入をし実績を上げているということから、あくまで補完的というふうな御回答でございましたけれども、こういった施設、デポジット制度を七校から今後拡大するお考えはないのか、再度お尋ねをいたしたいと思います。  次に、要望を行いたいと思います。知事は、デポジット制度は三Rの推進や散乱ごみ対策の面で効果的な手法の一つであると答弁されました。一方では、県管理の施設等についてはそれぞれが回収し、業者に回収させる、これは庁舎の関係だと思いますが、当面県有施設のデポジットの導入は考えておりませんと答弁されました。しかしながら、県の管理しております公園等々につきまして、多分これは指定管理者がおると思いますが、現実にはその指定管理者が公園内に散乱したごみを回収するという実態があるのではないかというふうに考えています。そういったことから、このデポジット制を導入することによって、飲料水を購入した人そのものがきちっと回収をするというシステムになるだろうというふうに思っておりますし、先ほどローカルデポジットという問題も申し上げました、先ほども言いましたように、大分県の姫島村では既にもう二十五年にわたり地域ローカルデポジットとして実績を重ねているわけであります。その取り組みについては、この福岡県においても大きな検討課題というふうになると思いますし、福岡県においても、その実践を踏まえますと、導入できるのではないかというふうに考えているわけであります。循環型社会なり、環境保全型社会を標榜する福岡県として、モデル的実践をぜひ積極的に検討していただきますよう要望して、質問を終わりたいと思います。(拍手) 9 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 10 ◯知事(麻生 渡君)登壇 漂着ごみの支援制度と、それから市町村の負担の仕組みにつきましては、担当部長のほうから答弁をさせます。 11 ◯副議長(井本 邦彦君) 脊戸環境部長。 12 ◯環境部長(脊戸 俊介君)登壇 新しい法律における市町村負担についてであります。海岸漂着物処理推進法において、海岸や港湾、漁港などの区域に応じて、その管理者である県や市町村などに漂着ごみの処理責任がありますので、事業費の一部を負担することとされております。 13 ◯副議長(井本 邦彦君) 森山教育長。 14 ◯教育長(森山 良一君)登壇 県立学校におけるデポジット方式自動販売機の導入についてでございますけれども、既に分別収集が徹底をしておるなど、さまざまな学校の実態がございますので、各学校において教育的配慮を踏まえまして、個別に的確な判断がなされるものと考えております。 15 ◯副議長(井本 邦彦君) 吉柳順一君。(拍手) 16 ◯三十四番(吉柳 順一君)登壇 今、市町村の財政負担の問題につきましては、脊戸部長のほうから御回答いただきました。知事の回答の中でも、国が新たな推進法の施行等々で非常に、負担については国が責任を持ってやるという方向に来ているということも述べられたところであります。今ほど、関係市町村が一定の財政を負担しなくてはならないと、法律上なっていますというふうな答弁をされたわけであります。しかし、地元の住民感情としては、みずから出したごみについては、当然お金を出すということについてはいたし方ないというふうな判断をしても、全く責任のないごみを、管理者というだけで負担をしなければならない、しかも漁港の利用についても支障を来すし、環境保全にもつながるというそれらの負担を負った上に、今も言いましたように、全く自己に責任のないごみ処理に自分たちの地域の税金を投入せにゃならないということについては、どうしても納得できることではありません。特に、今回の豪雨による遠賀川河川敷の対応によるごみ処理についても、それぞれ検討されているようですが、これら災害によるごみ処理については、市町村に負担を求めるべきではないというふうに考えます。知事の再度の御見解を承りたいと思います。  以上で終わります。(拍手) 17 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 18 ◯知事(麻生 渡君)登壇 自分に全く責任のないごみが流れてきたと、海岸であればどこかからごみは流れてくるわけですね。河川であれば、やはり河川の河口のところにはごみが流れてくるということなんですね。自分の責任のないといえば責任はないんですけれども、地理的にはそういうところに住んでおるということなんですね。ですから、何かもう自分の責任ないのは、おれのせいじゃないんだから、だから人の金でやれというような考え方が本当に正しいかどうか。本来ですね、二言目には国にやれ、国にやれというのは、私は非常に問題だと思うんですね。自分の地域のことは、いろんな物が流れてきたら、一生懸命何とかきれいにするという努力を、まず町を挙げてやるとかですね、そういうことを努力するというのが一番大切なことなんですね。ですから、おれに関係ないことは──関係ないとはどの範囲かということはあるんですけどね、だからもうそれはいろんな財政負担を、処理をする負担を地元にかけちゃならぬのだというような考え方は、私はあんまり適切じゃない、やっぱり自分たちのことは自分たちでやるということを考えなきゃいかぬのじゃないかと思っております。 19 ◯副議長(井本 邦彦君) 吉柳順一君。(拍手) 20 ◯三十四番(吉柳 順一君)登壇 今の知事の答弁には全く納得できません。日常的な清掃等は管理者としての責任で漁港とか海岸はやっているわけです。私が言いましたのは、年に数回かもしれませんけれども、遠賀川の河口堰にたまったごみ、大量のごみを一気に放出をし、そのごみが流れ込む、そういった事態のときにはきちっと国を含めて対応すべきじゃないかというふうに言ったわけでありますから、知事の答弁については全く納得できないということを申し上げまして、発言を終わりたいと思います。(拍手) 21 ◯副議長(井本 邦彦君) 高橋雅成君。(拍手) *高橋(雅)議員質問 22 ◯二十六番(高橋 雅成君)登壇 おはようございます。公明党の高橋雅成です。通告に従いまして、早速質問に入らせていただきます。  太陽光発電について質問します。この問題につきましては、これまでも何度か各会派から質問がなされておりますけれども、鳩山総理が、国連本部で開かれました気候変動に関するハイレベル会合の席上、温室効果ガスを二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減すると表明したほか、前の政府におきましても、グリーンニューディール政策のもとで、温室効果ガス削減などのため太陽光発電の普及を図ってきた経緯がありますので、改めて質問させていただきます。  さて、政府は平成二十一年度第一次補正予算関連の事業で、住宅用太陽光発電導入支援対策費として、一キロワット当たり七万円の補助をすることにしています。これにあわせて、全国の十五の都府県では、独自の太陽光発電補助事業を展開、市町村レベルでも補助事業に取り組む自治体が数多く存在しています。住宅用の太陽光発電は、平均して三キロワットから三・五キロワット程度ということで、設置費用は一キロワット当たり約七十万円、つまり一軒当たりで二百万円ほどがかかるということです。政府の補助事業で設置費用のおおむね一割程度の補助金となります。都府県レベルの補助事業では、最大の補助金が東京都で、政府の補助金よりも多い一キロワット当たり十万円の補助額となっています。つまり、東京都民であれば国、都と合わせ一キロワット当たり十七万円の補助金が受けられます。  福岡県としては、同趣旨の補助事業はありませんが、先日、一人の県民からこんな声が私どものもとに届けられました。すなわち、国が補助事業を展開し、世界じゅうが日本の動向に注目している。また、国に合わせてさまざまな地域で太陽光発電システムの普及を図っているこの時代に、福岡県としての取り組みがないのは非常に残念だ。ぜひ、普及を図る取り組みを展開してほしい、との声でした。  福岡県は住宅用太陽光発電システムの普及率が、導入件数、設備容量とも全国二位となっていることは承知しております。しかし、県の何らかの努力があっての結果ではありません。県内では北九州市、福岡市など幾つかの市町が補助事業に取り組む中、県としても補助事業に取り組むべき時期ではないかと考えるものです。知事の御所見を伺います。  全国の県の事業の中には、市町村が補助事業を実施するとき、それを補完する形で補助をする県もあります。そうした形態も含めて補助事業の実施をぜひ検討していただきたいが、いかがでしょうか。  次に、国は太陽光発電システムの余剰電力買い取りについて、十一月一日から一キロワットアワー当たり二十四円から四十八円に引き上げる方針です。これは、太陽光発電システムを家庭が設置する費用を回収するのに、現在二十年くらいかかっているのを十年に短縮して、普及をさらに進めるための方策ですが、民主党のさきの総選挙のときのマニフェストでは、全量固定買い取りとなっているそうですが、これはどのような方法なのか。また、民主マニフェストのように変わる可能性があるのか、説明を求めます。  次に、県有施設における太陽光発電システムを初めとする自然エネルギーを利用した発電、発熱システムについて伺います。まず、知事部局、教育委員会において、現在どのような施設に、どのようなシステムが導入されているのか伺います。また今後、導入をする計画はあるのかについてもお示しください。  県民初め企業、団体などに温室効果ガス削減を呼びかける立場にある県として、太陽光発電システム初め自然エネルギーを積極的に県有施設に設置していくことは、県民に対する大きなアピールになりますし、より多くのシステムが導入されることでコストダウンにもつながるものと考えます。計画的な導入を望みますが、知事、教育長の見解を伺います。  次に、高齢者の生きがい対策などについて伺います。寝たきりや認知症、孤独死などが社会問題となる一方で、元気で健康なお年寄りもまた、年々ふえているのが現状です。こうした元気高齢者に必要なことは、生きがいづくりであり、自分が人の手助けになり、社会のためになっているんだという感情を持ってもらうことではないでしょうか。お年寄りは豊富な経験を持ち、幅広い知恵や知識、豊かな人間性を持っています。こうしたことを社会に還元することで、お年寄り自身の生きがいにもつながり、その方の人生がますます輝いていくものと思います。まず、お年寄りの生きがいづくりについて、県としてどのような基本方針で臨まれているのか伺います。  私たち公明党は先日、北海道庁を訪れ、道民カレッジや人材誘致推進事業、定住促進事業などについて勉強してきました。中でも道民カレッジは、学びたいという意思を唯一の入学資格とする北海道の生涯学習の学園です。だれでも、いつでも入学することができるとうたわれています。ことしの三月三十一日現在の学生数は二万二千七百二十一人、うち六十歳代以上が四六%を超えており、お年寄りの生涯学習の受け皿となっています。  内容は、道民カレッジが主催する主催講座と、同カレッジに賛同する大学、短大、高校、市町村、NPOなど各種団体が開催する連携講座に分かれています。特徴的なのは、主催講座の中で開かれる「ほっかいどう学」という講座です。これは、北海道の歴史や文化、自然や環境、生活や産業など多面的な知識を獲得するものです。道民としてのアイデンティティーを確立するとともに、ここで得た知識や能力を生かして北海道づくり、地域づくりに参加することも目指しています。ほっかいどう学の検定試験も入門検定、上級検定の二種類に分かれて実施されています。検定の合格者は五十歳代以上が五五%、六十歳代以上が三三%ということでした。  福岡でも生涯学習の場はたくさんあると思いますが、道民カレッジのように、福岡県全体で取り組んでいるものがあるでしょうか、お尋ねします。県としても道民カレッジ、またほっかいどう学、さらにほっかいどう検定を参考に、県を挙げた生涯学習の場を持つべきだと思います。それがお年寄りの生きがいとなり、やがて社会に還元され、九州国立博物館のボランティアや地域ガイドのボランティア活動にもつながるものと考えます。さらに、仮称福岡学、福岡県民カレッジを、六十歳定年を迎えている福岡県出身の団塊世代で、他都道府県に住む方にPRしていけば、福岡へのUターン促進にもつながる可能性があると思います。知事の御所見を伺います。  また、長野県では、高齢者自身が生き生きと暮らせる社会をお手伝いする傾聴ボランティア、耳を傾けるという傾聴ですけれども、傾聴ボランティアという活動が活発に展開されています。これは元気なお年寄り自身が、話す機会が少ない高齢者の話を聞き、笑顔を取り戻してもらおうというボランティアです。平成十八年から養成研修を開催し、これまでに約千二百人が受講しています、長野県内各地で二十近いボランティアグループが立ち上がっているそうです。話すという行為に含まれる欲求には、一、個人として認められたい、二、感情を表に出したい、三、共感してほしい、四、受けとめてもらいたい、五、批判、判断、審判されたくない、六、自分で選択、決定したい、七、自分の秘密を守ってほしい、ということがあるそうです。しかし、ひとり暮らしや施設入所者の多くは、話したくても話す機会が少ないというのが実態です。そうした方の話を聞くことで、自分の存在意義を感じ、笑顔を取り戻すことができるそうです。こうした運動についても県として、まずぜひ研究し、普及を図っていただきたいと感じるものですが、知事の見解を伺います。  以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手) 23 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 *知事答弁 24 ◯知事(麻生 渡君)登壇 太陽光発電の普及促進対策についてでございます。これにつきましては、個人とかあるいは事業者に対しまして、手厚い補助制度がつくられております。そしてまた、十一月からはこれまでよりもはるかに有利な高い価格で電力会社が、それぞれの個人なり、事業者の余剰部分の電力を買い取ること、これを義務づけるという制度が始まるわけでございまして、太陽光の発電普及の条件が一層整備されております。このような状況になっておりますから、県のほうではこのような制度の周知と利用促進のための広報に努めてまいりたいと思います。これに上乗せるする形で、県として新たに補助制度をつくるということは考えておりません。  全量固定買い取り制度についてでございますが、これは民主党がマニフェストの中で示しているものでございます。この制度は、つまるところ太陽光とか風力発電といった新エネルギーによります発電、これを余剰部分だけではなくて、全量を電力会社のほうで一定の価格で買い取るということを制度として確立しようということであります。これが行われますと、全量を買い取るということになりますものですから、いわば太陽エネルギーとか風力を専ら発電をしまして、それによって電力会社に引き取ってもらう、高い価格で引き取ってもらうという形での新しい、新エネルギー発電モデルというものができる可能性が大きく開けてくるということになるわけであります。ただ、その場合のポイントは、高い価格で引き取らなきゃ成り立たないということになるわけでありますから、結局買い取り費用につきましては、これは電力会社が電力料金へ転嫁をするということをしなければ成り立たないわけであります。このような転嫁のメカニズムが、やはり国民の皆さんの理解をきちっと得るということが非常にポイントになるんじゃないかと思っております。  それから、県有施設におきます太陽光発電の導入状況でございますが、これまで九州国立博物館、中央家畜保健衛生所に設置をいたしております。また、太陽熱を利用しました給湯設備のほうでございますが、これは身体障害者リハビリテーションセンターに設置をいたしました。さらに、今年度中には緑化センターに太陽光発電を導入をいたします。今後は費用対効果ということも十分考えながら、自然エネルギーを利用した設備の導入を検討、実施してまいる考えであります。  高齢者の皆さんの生きがい対策についてでございますけれども、我々は高齢者の皆さんが健康で生きがいを持った毎日の生活が送れる、生き生きとした長寿社会を実現していこうということを目標に置いております。このため、福岡県の高齢者保健福祉計画を策定いたしまして総合的に進めておるわけでありますが、ねんりんスポーツ・文化祭の開催、就労機会の提供、生涯学習の推進、老人クラブ活動に対する支援、こういうことを総合的に行いまして、高齢者の皆さんがそれぞれの地域で、その一員として生き生きと暮らしていくという環境づくりを進めてまいります。  生涯学習の取り組みについてでございますけれども、これは今申し上げましたような高齢者の皆さんが生き生きとして、はつらつと生活をしていく場合に、非常に重要なものであるというふうに思っております。多くの高齢者がそれぞれの地域での歴史とか伝統文化、園芸、そういうような知識、技能、学習成果を生かしていく、またさらに進めて、そのような成果をそれぞれの地域のボランティア活動の中に生かし、地域貢献活動の中でも活躍をしていただこうということでございます。今年度は県内の大学、企業と協力いたしまして、学習情報を一元的に提供いたします情報サイト、ふくおか生涯学習ひろばを開設いたしまして、このような学習の機会情報を広く皆さんに知ってもらい活用してもらおうとしているわけであります。  さらに、もう一つ生涯学習の重要な面は、生涯にわたります職業能力の開発という面がございます。これにつきましても、一層総合的な推進を図っていきたいというふうに考えているわけであります。  傾聴ボランティアというのについてお話がございました。高齢者の皆さんは多くの場合には話し相手がないという状況の中で生活をするという場合が多いわけでございまして、そうなりますと孤立してしまうということもございます。したがいまして、高齢者の皆さんが元気になるためには、高齢者の皆さんの話をよく聞いてくれるという機会があるというのは非常にいいわけであります。傾聴ボランティアというのは、なかなかこれもいい名前であると思います。そういうことでありますから、老人クラブ、市町村でひとり暮らしの高齢者などの皆さんの見守り協議会がございます。このような協議会活動の一つといたしまして、この傾聴ボランティアというような活動を取り入れるということにつきまして、協議をしてまいりたいと思っております。 25 ◯副議長(井本 邦彦君) 森山教育長。 *教育長答弁 26 ◯教育長(森山 良一君)登壇 県有施設におきます太陽光発電等の導入についてでございます。県教育委員会におきましては、高等学校四校、特別支援学校一校の、計五校に太陽光を初めといたしました自然エネルギーによる発電設備を導入いたしております。この太陽光発電は、地球温暖化対策に貢献するクリーンな再生可能エネルギーとして期待をされておりますので、今後の技術革新やコストダウン等を見据えながら、導入を検討してまいりたいと考えております。 27 ◯副議長(井本 邦彦君) 高橋雅成君。 28 ◯二十六番(高橋 雅成君)登壇 確認の意味も含めて、再質問させていただきます。  県有施設の太陽光発電システムなんですけれども、個人が太陽光発電をつけるときと、県なり公の立場でつける場合と、全く意味が違うと私は思っております。今知事の御答弁で、費用対効果という言葉が出てまいりましたけれども、個人でつける場合は設置費用と、それから設置した後の電気代が安くなるかどうかということが、非常に大きな関心事であろうかと思います。そういう意味で、電気代が安くなるということが、個人にとっては大きな効果である、費用対効果だというふうに思うわけですけれども、県にとりましては、電気代がただ単純に安くなった、ならないという話じゃなくて、温室効果ガスが本当にこのことによって少なくなるのかどうなのか、あるいは県民に対するPR、アピールになるのか、太陽光発電システムをさらに広げる大きな推進力になることができるのか、そういったことが費用対効果の効果の部分だと、私はそんなふうに理解しておるんですけれども、費用対効果の効果の部分を、知事としてどのように把握していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。  それと、高齢者はつらつ活動拠点事業、県として大変有意義な形で進めていらっしゃるということを、今御答弁いただきました。ただ、お年寄りの生きがいづくりの活動の中で、一つ私は福岡県民としてのアイデンティティーを高める活動も、この中でできないのかなというふうに思っております。北海道の場合は、今質問の中で申し上げましたように、道民のアイデンティティーというのをすごく大事にしております。そのために、ほっかいどう学、ほっかいどう検定という、そういった仕組みをつくっておるわけであります。福岡の場合、どうしても地域地域の特色、それぞれの博多だとか、小倉だとか、田川だとか、久留米だとか、そういったアイデンティティーというのは非常にあるわけですけれども、県民全体のアイデンティティーというのがなかなかない、地域間格差ということが県内でも盛んに言われる、そういった側面が多分にあると思います。ぜひ、福岡県民としてのアイデンティティーをさらに造成するために、こういったことも提供していただきたいと思うわけですけれども、御答弁をいただきたいと思います。  以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 29 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 30 ◯知事(麻生 渡君)登壇 県有施設に太陽光などの自然エネルギー施設を入れる場合の効果とは何か、どこまで見るかということでありますけれども、これは御指摘ありましたように、直接的には導入費用と、それからそれに、言われる価格効果ということがあるわけでありますけれども、県の場合にはそのほかに、やはり先導的に新しい、このような新エネルギーを入れるという試み、そのものがやはり県民の皆さんに大きな意識変革のモデルとなるという効果もありますから、そういう点も考えながら進めていくということでございます。  それから、生涯学習をする場合に、県という一つの単位のアイデンティティーということをきちっと育てるような中身にしたらどうかということでありますが、これはどういうふうにやったらいいのか、しかし、福岡県史というのもちゃんとあるわけでありますから、そういう点も見ながら、少し研究をしてみたいと思います。 31 ◯副議長(井本 邦彦君) 井上貴博君。(拍手) *井上(貴)議員質問 32 ◯二十四番(井上 貴博君)登壇 自民党県議団の井上貴博でございます。九月におきまして、一般質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  理容美容業界における公衆衛生のあり方について、質問をさせていただきます。  昭和三十八年二月十九日改正の福岡県理容師法・美容師法施行細則によると、洗髪、洗顔に使用する湯または水は、流水式装置によるものとし、洗髪用洗面器は陶器または金属等でつくられたものを固定すること、とあります。しかしながら、現在の理容師法・美容師法施行規則及び厚生労働省令では、「洗場は、流水装置とすること。」という構造設備基準となっており、手洗い場さえあれば、洗髪設備を設けなくても事業所を開設することができるようになっています。これまでの経過として、以前に福岡県理容・美容生活衛生同業組合の当時の理事長に確認した上で変更がなされたと、担当部局から回答を得ておりますが、これは両組合の意思によるものではなく、行政からの提案であり、消費者が安全で安心できる公衆衛生管理の観点から考えれば、簡単に変更できる問題ではなかったと考えます。  また、このところの気象状況の変化により、日本の気候は地球温暖化に伴い気温が上昇し、国外に生息する生物が海外から入ってきて、冬を越すという事例も数多く報告されています。このような状況から、熱帯地域に代表されるマラリア等の病気の感染や、最近の新型インフルエンザの流行等、公衆衛生全体に危機が迫ってきています。過去にも徳島県で肺結核の感染が報告されておりますし、今後シラミや児童のシラクモに関する懸念もあります。このようなことから、他県では洗髪設備の設置について、条例化され義務づけられている自治体がふえていると承知しております。  そこで、まず保健医療介護部長にお尋ねいたします。本県で洗髪設備を有しない事業所はどのくらいあるのか。また、全国で設置義務を条例化している自治体の数、さらにはそれらの自治体において条例化に至った背景と理由についてお聞かせください。  次に、現在の本県条例について、組合の再三にわたる要望と、他県でも条例化されているところがふえている中、理容師法、美容師法に定められている、理容師、美容師の資格を定め、理容、美容の業務が適正に行われるよう規律し、公衆衛生の向上に資するという本質に立ち返り、見直す必要があるのではないかと考えます。現行条例では、仮に洗髪設備を設けていない事業所からさまざまな病気が感染した場合、行政にその責任の一端があると言われても反論できる状況にはありません。  洗髪設備を設置していない事業所は、設置している事業所に比べ設備投資が安く済むので、安価な料金設定で次々と出店していると聞きます。高い衛生水準を維持しながら安価な料金設定でサービスをすることは消費者にとって大変よいことではありますが、料金を安くしたいがために、衛生上なくてはならない設備、またはあったほうが望ましい設備を削ることは、公衆衛生を守る立場として本来あるべき姿ではないと確信いたします。  知事も御承知のとおり、理美容業界の団体が年に一度、九州各県や山ロ県を初めアジアから、業界のあすを担う若い理美容師を招き、知識や技術を競う大会を開いています。出場選手の中には、高校生くらいの年齢の方もおられます。今の状況を放置すれば、洗髪設備を有しない事業所が乱立し、高い意識を持ち、手に職をつけて、将来自分の店を持ちたいという若者の芽を摘むことにもなりかねません。  以上、全体を踏まえた上で、理美容業界における今後の公衆衛生のあり方と本県条例の見直しについて、知事の見解を求めます。(拍手) 33 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 *知事答弁 34 ◯知事(麻生 渡君)登壇 理容業界の公衆衛生でございますけれども、これは理容所、あるいは美容所におきまして、利用者に対しまして皮膚病などを感染させないということは最も重要な基本的な条件でございます。したがいまして、所内を清潔に保つ、あるいは器具の消毒をする、従業員の皆さんの手などの洗浄を徹底するということが必要であるわけであります。こういうような目的のために、消毒設備の設置とか、あるいは器具などの洗浄や手洗いのための洗い場をつくっておく、そしてまた、利用するということは必要であると考えております。  さらに、これを進めまして洗髪設備、これを義務づけするかどうかということについては、その必要性についてはさまざまな意見があるところでございまして、義務づけそのものにつきましては、慎重に対応をしてまいりたいというふうに考えております。 35 ◯副議長(井本 邦彦君) 平田保健医療介護部長。 *保健医療介護部長答弁 36 ◯保健医療介護部長(平田 輝昭君)登壇 本県における洗髪設備を有しない理美容事業所数でございますが、理容所は全体が五千五十一カ所のうち二十八カ所、それから、美容所につきましては八千三百七カ所のうち七十四カ所、合計で一万三千三百五十八カ所のうち百二カ所、〇・八%ということになっております。  次に、洗髪設備の設置を条例化している自治体数でございますけれども、現在十八道県において条例で義務化しており、条例の理由の主なものとしては、理容所、美容所において一定の衛生水準を確保するため、あるいは理容所、美容所における衛生管理の一層の向上を図るためなどとなっております。 37 ◯副議長(井本 邦彦君) 井上貴博君。 38 ◯二十四番(井上 貴博君)登壇 今、さまざまな意見と、慎重にということがありましたけれども、我々は、もともと規制緩和されておるわけなんです。公衆衛生などの業種は人的被害を受けかねない業種であります。そういう業種は規制緩和することに関しては慎重であるべきであったというふうに思います。規制緩和はすべてが是ではありませんし、それは必要な業種はあるかもしれません。けれども、この業界が我々一人一人の生活を守り、人的被害を守るためには、公衆衛生を強化する必要があるというふうに思います。生活衛生同業種は、理容師や美容師資格を定め、理容、美容の業務が適正に行われるよう規律し、公衆衛生の向上に資するということに立ち返って考える必要があるというふうに、我々は考えております。市場原理主義的な発想は公衆衛生業界には向きません。そして、次世代の理美容業界に志を持った、技術を習得する若者が、将来自分の店を持ち、世界的なカットマンになることの芽を摘んではならぬというふうに思っています。  このたび十月二十六日に厚生労働大臣表彰を理容組合の理事長である藤木理事長が受けられます。これは本当に名誉なことであり、すばらしいことだというふうに思っています。その中で、それはなぜ受けられたのかというと、理美容業界のたゆまぬ技術の向上と公衆衛生の啓蒙普及に貢献されたからであります。我々はたかが洗髪台の設置というふうに思ってはいません。この洗髪台の設置をすることによって、業種業態が安心で、同じ土壌の中で競争をし、そして技術を向上し、そして公衆衛生を守れるというふうに思っています。こういう業種業態は同じ土壌の中でやらせるべきだというのが、我々の考え方であります。  これは行政執行部の方々は、現状の法令や条例を守るために、また守らせるために努力をされておりますし、一生懸命やられていることは日々わかっております。これは知事の政治判断であり、条例を変える必要があるのか、ないのかということというのは、これは政治家たる者の考え方であります。  他県の状況のことを言われましたけれども、愛知県は条例を強化しております。パチンコやひつまぶしを生んだ、新しい産業をたくさん生んでいる愛知県が、──いいですか、聞いてくださいよ、そういう愛知県がですよ、新しい業種業態を生んでいって、創造性豊かな県、愛知県がこの生衛業界の理美容の洗髪のことに関しては強固な姿勢をとっています。
     これは我々福岡県としてどういう方向で判断すべきなのかということは大事な方向性だというふうに思っています。理美容業界合わせて約五万人になろうかとする、それで生活をされている方々の将来がかかっている問題だというふうに思っています。知事の見解をお聞きし、我々自民党県議団は、その業種業態全体を守るということを念頭に置いて、私はこの条例が変更になるまで、この前の御笠川のようにしつこくやっていきたいというふうに思っております。  以上で終わります。(拍手) 39 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 40 ◯知事(麻生 渡君)登壇 洗髪設備を必ず置けということを条例上義務づけるかどうかということでございますが、確かにそういうことを義務づけているような県もあるわけであります。ただ、これを条例上必置という形で義務づけるかということについては、いろんな意見が、先ほども申し上げましたように、あるわけでございまして、衛生管理上やはり必要だという意見もございますが、一方では、この設備がないこと自体で、そんなに衛生上の問題が発生するのかという考え方もございます。これはまあ、結局は利用者、消費者がどういう選択をしながら、どういうお店に行くかという利用者の立場というものが非常に大事なわけでございます。そのようなことを考えますと、条例化ということにつきましては、慎重に対応してまいりたいというふうに思っております。 41 ◯副議長(井本 邦彦君) 井上貴博君。 42 ◯二十四番(井上 貴博君)登壇 今の知事の答弁で、ちょっと気になったところがあります。利用者の立場と、利用者の立場さえ考えていればいいのかと、我々はそうではないというふうに思っています。利用者ではなくて、我々の生命を、人的被害をこうむらないと、要は何かあったときには県の責任にもなるわけですし、我々が守らなければいけないことというのを、根本的に前もって打っておく必要があるというふうに、我々は思っています。それはたかが洗髪台というけれども、先ほども言いましたけれども、愛知県みたいに、そういう創造性豊かな県が、この問題だけはですよ、この問題だけは強化しているというのは、相当考えられての結論だと、同じぐらいの県では愛知県がやっているわけです。ですから、我々は守っていくと、理美容業界全体を守っていくと、これは何も一つの業種を守っていくわけではありません。我々は五百万県民を守っていくと、将来のことにわたっても、それから将来の育成のことも、それから将来の子供たちがその理美容業界に行きたいと思う気持ちも、すべてをひっくるめて守っていきたいと、我々自民党県議団はその方向でいきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  また、粘り強く、粘り強くいきますので、何とぞ御協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。(拍手) 43 ◯副議長(井本 邦彦君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時四十分といたします。           午 後 零 時 二十七分  休 憩           午 後 一 時 四十一分  再 開 44 ◯議長(今林 久君) 再開いたします。  休憩前に引き続き、一般質問を行います。順次発言を許可いたします。岩元一儀君。(拍手) *岩元議員質問 45 ◯三十一番(岩元 一儀君)登壇 皆さん、こんにちは。民主・県政クラブ、岩元一儀でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、地域主権と予算について質問をさせていただきます。民主党は今回の衆議院選挙で、住民に身近な自治体が、霞が関に縛られず、住民のニーズに合った行政サービスを提供できるようにするために、中央主権から地域主権へ、ひもつき補助金から一括交付金へを公約に掲げました。ちなみに、民主党は二〇〇九年政策集で、住民に一番身近な基礎的自治体を重視した分権改革を推進し、中央集権体制を抜本的に改め、地域主権国家の樹立を目指すとしています。当面の五年から十年の間は、地域主権国家の礎を築く期間とされ、地域主権国家の母体は基礎的自治体とし、基礎的自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、広域自治体が担えない事務事業は国が担うという補完性の原理に基づいた改革を進めるとしています。基礎的自治体については、その能力や規模に応じ、生活にかかわる行政サービスを初め対応可能なすべての事務事業の権限と財源を、国及び都道府県から大幅に移譲するとしています。広域自治体については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本とし、都道府県から基礎自治体への事務事業の移譲に伴い、都道府県の役割は産業振興、災害対応、河川、基礎自治体間の調整などに限定する考えです。さらに、都道府県などが効率的な運営を図ることなどを目的とし、現行制度を前提とする広域連合や合併の実施、将来的な道州制の導入も検討しています。そして、これらについては、地域の自主的な判断を尊重するということにしています。  ところで、知事は我が会派の新政権への対応の質問で、地方重視の政策がとられることに特に期待しております、新政権が地域主権を目指す中、真の地方分権の実現を強く求めてまいりますと答弁されました。  そこで、知事に以下二点についてお尋ねをいたします。まず、知事が答弁された真の地方分権実現を強く求めたいということは、財源や権限の移譲はもちろんのこと、民主党が公約している国と地方の協議の場を、早急に法制化し、地方の声、現場の声を聞きながら、国と地方の役割の見直しなど、地方分権推進を図ることを言われているのではないかと思いますが、その協議の場では、地方の対応のあり方も問題になると考えます。知事は八月三十一日の定例記者会見で、内政面については六十年間にわたって培われた自治体の能力を思い切って使っていくべきであるし、またそれだけ能力を備えてきたと発言されていますが、地域主権、地方分権を目指す上で、さらに地方としてどのような点を強化していかなければならないのかお聞きいたします。  次に、新政権の政治主導による来年度予算編成作業も始まりましたが、地方向けのいわゆるひもつき補助金などは、中央官僚による地方支配の根源であり、さまざまな利権の温床となってきました。新政権はこれらの補助金などをすべて廃止して、基本的に地方が自由に使える一括交付金に改めようとしています。交付が一括となれば、地方自治体においても補助金等にかかわる経費等の効率化が図れると思います。この一括交付金は、現在の義務教育や社会保障などに関する補助金などに対応する部分は、現行水準の交付額を交付する。また現在の公共事業などの補助金等に対する部分については、格差是正の観点から、財政力の弱い自治体に手厚く配分するとしていますが、これは地域主権を進める上で大変有効なものであると考えます。この点について、地域主権を先頭に立って進められる全国知事会長として、知事はどのような御所見をお持ちなのかお聞きします。  次に、男女共同参画社会の推進についてお尋ねいたします。この問題につきましては、昨日、緑友会の井上幸春議員から、国際的な視野に立ったすばらしい質問がありました。私は、県内労働分野問題を中心として、一部重複する部分もあるかと思いますが、お許しをいただきまして、質問をさせていただきます。  男女共同参画社会基本法が制定されて、ことしはちょうど十年の節目の年に当たります。この間、男女共同参画社会の実現に向けた法律や条例などの制定が進み、制度や推進体制は整備されてきましたが、実態面では着実に前進しているとは言いがたい状況にあり、課題は山積していると言えます。とりわけ経済活動への共同参画に関しては、一向に解消されない労働分野での格差の存在と、子育てなど仕事と家庭を両立させるための環境の不備が、男女共同参画を妨げる大きな原因となっています。厚労省の調査によると、昨年の正規雇用者など一般労働者における男女の一時間当たりの給与格差は、男性の一般労働者の給与水準を一〇〇とした場合、女性の一般労働者の賃金は六九、パートなどの短時間労働者は四八・五と、依然として大きな格差があります。また、年齢階級別労働力率の推移も、いわゆるM字カーブの底が二十代後半から三十代後半にかけて深くなっており、子育てのために仕事をやめている女性が少なくないことを示していますが、これらは本県が実施した男女共同参画就業実態調査の結果からも明らかになっています。さらに、九〇年代以降は、女性と若年層を中心に非正規労働者が急速に増加し、女性の場合非正規労働者の割合は二〇〇四年以降女性労働者全体の半数を超えています。この中には母子家庭などのみずから主たる生計を担う立場にある人たちも多く含まれていると思われますが、所得の低さや身分の不安定さから生活困難に陥るリスクが高く、こうした雇用の形態の広がりが、男女共同参画の妨げになりかねない新たな状況をつくり出しています。  そこで、一点目に、本県では二〇〇一年に県男女共同参画推進条例を制定するとともに、二〇〇二年には男女参画計画を策定し、現在は二〇〇六年に策定した第二次男女参画計画を推進中です。計画では、重点課題として男女共同参画社会を推進する人づくりや、男女の人権が尊重される社会の確立など五項目を掲げていますが、この計画の取り組み状況と成果について、知事はどのような御所見をお持ちなのかお聞きします。  二点目は、県は二〇〇七年十月に従業員三十人以上の事業所を対象に、男女共同参画就業実態調査を実施しています。そこで、この調査結果から次の二つの課題についてお尋ねをいたします。  第一に、就業形態の課題です。調査からは、現在パートで働いている人の四割程度が、正規雇用を希望していると考えることができるとの分析結果が出ています。これに関連し、ことし二月の代表質問で我が会派は、就業形態の多様化に対する是非について知事に質問をいたしましたが、これに対し知事は、女性の社会進出、子育て中の女性の仕事というようなこともあり、生活様式に応じた多様な働き方が選択できるようにしていくことが非常に大切であると答弁されました。しかし、今回の調査結果や母子家庭など非正規でありながら生計維持者である人がふえていることを考えると、多様な就業形態の必要性を否定するものではありませんが、同時に、非正規から正規への転換に重点を置いた対策を進めなければならないと考えます。そこで、このことについて知事のお考えをお聞きします。  第二は、育児・介護休業の徹底と休暇取得の促進についてです。調査では、育児・介護休業制度を就業規則などの中に明示し、周知している事業所は全体で八五・六%に上っているものの、従業員九十九人以下の事業所では、この割合は七〇%台にとどまっており、事業所の規模が小さくなるほど周知が徹底されていない状況にあります。今回の調査では、一九九五年四月から制度が適用されることになった従業員三十人未満の事業所は対象となっておらず、全事業所の九割を占めると言われる従業員三十人未満の事業所を加えると、県内における育児・介護休業制度の周知度はもっと低いことが考えられます。また、二〇〇五年の育児・介護休業法の改正に伴い、子供が病気になったときに、年次有給休暇とは別に年間五日まで休暇が取得できる病児のための看護休暇制度が創設されましたが、就業規則に記載が必要とされているにもかかわらず、明示し、周知している事業所は四割にも満たない実態が明らかになりました。また、さきの国会では育児・介護休業法の再度の改正が行われ、三歳未満の子供を持つ従業員を対象に、一日六時間程度の短時間勤務制度の導入や、残業の免除を事業者に義務づける制度が、今後導入されることになります。そこで、これらの制度が確実に実施されるよう、事業者に対し啓発していくこと、また労働者に対してはどのような権利が保障されているのかといった情報の提供と正確な知識の普及啓発を図ることは、県としての喫緊の課題だと考えますが、その実現に向けてどのように取り組むのかお聞かせください。  三点目は、ワーク・ライフ・バランスについてです。今年度の国の男女共同参画白書では、三十代から四十代の男性を中心に長時間労働が常態化していること、このため育児休業制度を利用したいと思う男性の割合が約三割あるのに、取得率は一・五%程度にとどまっていること、女性については育児休業を取得している女性はふえているものの、出産を契機に離職する割合が減っていないことなどの現状を挙げ、今後の男女参画の推進について欠かせない視点として、ワーク・ライフ・バランスの実現を挙げています。我が国のように時間外労働時間の多い社会では、ワーク・ライフ・バランスを実現するためには企業の協力が不可欠ですが、さきに述べた県の調査からは、企業がワーク・ライフ・バランスを肯定的に受けとめながら、多くの企業が行政に対し情報提供と啓発を求めており、ワーク・ライフ・バランスという考え方がまだ新しい概念であるために、十分に社会に定着していないことがうかがえます。そこで、県としてワーク・ライフ・バランスの重要性をどのようにとらえ、普及に向けてどのような取り組みをしていくのかお聞きします。  四点目に、県議会では昨年の十二月議会で、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の街づくり宣言に関する請願」を採択しましたが、いまだに県の宣言はなされていません。これはどういうわけなのか、お聞きしたいと思います。  これをもちまして一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 46 ◯議長(今林 久君) 麻生知事。 *知事答弁 47 ◯知事(麻生 渡君)登壇 地方主権、地方分権を実際に実現するに当たりまして、それでは地方側は何が必要なのかということについてであります。これは一言で言いますと、今までのように、二言目には国、国というのをやめて、自分で何が必要かという課題をみずから見出し、そしてそれを解決するための政策あるいは制度をみずから考えて、かつそれを粘り強く、実効性のあるように行うという、いわば政策形成及びその的確な実行能力を持つということが一番大切でございまして、それがなければ幾ら地方分権といいましても、これは実際には行い得ないということになるわけであります。  そのような能力を持つというために、具体的にどんなことが必要かといいますと、これは何といいましても、我々の知事部局の職員を含めた意識を大いに変えまして、そのような政策をつくり出していく、そのためには的確に現状分析して、課題の明確な認識が必要なわけですけれども、そういう能力を持つための資質向上でございます。  また一方では、常に情報を広く公開いたしまして、県民の皆さんに何が行われておるのかということについて知る、あるいは県民の皆さんの直接、間接の希望を素早く、かつ的確に吸収できるような情報体系、情報公開というものが必要になってくるということであります。そしてまた、常に現在のような事情でございますから、改革、特に行財政改革を進めていくということが大切であるというふうに思っております。  一方、行財政改革を進めるに当たりましてぜひ必要なのは、いろんな政策を行っていく場合に重要な税財源でありますけれども、これはやはり地方主権、地方分権を行う最も重要な条件でありまして、思い切った税財源の地方への移管ということが並行して行われなければいけないというふうに考えております。  一括交付金でございますけれども、これはまだ、どんな制度を具体的に設計するかということについては、これから検討するというのが率直な現状であるわけであります。この一括交付金は、これまでの補助金あるいは国庫負担金というような形で出ておりましたお金を全部取りまとめまして、そして一括するということで、地方側で自由に使えるようなお金に変えていこうということなんですけれども、一括というのはどの範囲で行うのかということ、それからもう一つ、交付金でありますから、交付金である以上は何のための交付金かということを明確にしなければ制度は成り立たない、本来の交付金制度の特性があるわけでありまして、そういうことを考えますと、一括交付金の一括の範囲、あるいは一括にしましても、よっぽど広くしなければ、今までの補助金と変わらないということになります。かつ、使途の自由ということについての範囲というもののとり方、これが交付税制度なんかとどういう調整を行って実施すべきかということでございます。  実は、我々は確かに補助金、負担金の改革を求めておるんですけれども、最終的には税財源でこれを移せということでございます。したがって、一括交付金制度をとりましても、最終的には税源移譲という形で、地方へのこのようなお金の移転が行われるということが一番望ましいというふうに考えているわけであります。  男女共同参画計画の二次分についての取り組み状況でございますが、現在女性の就業支援、子育て支援などを通じまして、多様な働き方のできる環境整備を推進していく、そしてまた女性の皆さんがその進出する職域が思い切って拡大される、さらに意思決定分野、管理職分野への登用が進んでいくということを目指しておりますが、これが相当急速に進み始めておるという状況でございます。今後は、さらにこのような社会進出を図っていくという必要があるわけでありまして、このための制約、障害になっているという条件、環境を取り除いていく必要がございます。例えば、母子家庭の女性の皆さん、いろんな生活で非常に困っておられる方、そのような方が社会に出ていくというための能力を身につけていくことを初め、このような社会環境の整備をきめ細かくやっていかなければいけないというふうに思っているわけであります。  雇用でございますけれども、非正規から正規への転換ということでございますが、正規雇用を希望される方が非常に多いということであります。これは実際には正規雇用と非正規雇用の間に待遇差が非常に大きいということ、あるいは雇用の安定性ということがありまして、正規雇用を求めるということでございます。実際にこのような希望者に対しましては、子育て女性就職支援センター、あるいは年代別の専門的な支援センターを設けておりますが、そこでいろんな相談に応じ、また実際に就職ができますように応援をいたしております。その際には、非常に重要なのは、やはり職業能力をしっかり身につけておくということが大事でございまして、この点につきましては、高等技術専門学校などで就職に有利な職業訓練機会を提供するというやり方で臨んでおります。  育児・介護休業制度の普及啓発についてであります。企業経営者の意識改革を行いまして、職場環境の改善を図っていくということを進めております。このために、一つは子育て応援宣言企業、これに広く、多くの企業の参加を求めていますが、これはずっと今広がってきておるということになりました。さらに、事業者向けセミナー、情報紙の発行、相談窓口の設置などを行っているわけでございます。  また一方、実際の働く労働者のほうに対しましては、このために必要な講座を開催する、あるいは手引書、制度の周知、こういう普及啓発活動も活発に行ってまいります。  ワーク・ライフ・バランスということでありますけれども、これは仕事をするということと、それから人生を豊かにし、いろんな家庭生活、あるいは地域活動、あるいは自分のいろんな趣味、そういうこともやっていけるような社会をつくっていこうという目標であるわけであります。これは非常に、いわば大きな目標でございます。我々の社会はこれを目指してやっていこうということで、今いろんな運動をいたしておりますけれども、福岡県におきまして、このような方向に向けてのいろんな活動を幾つか行っております。例えば、先ほど申しました子育て応援宣言企業、こういうようなことを通じましての意識の改革、また保育サービスというようなものの充実を通じまして、仕事と子育てと、そしてまた家庭のいろんな生活がうまく時間のバランスがとれまして、実現できますように行っているわけでありますし、またこれに向かってのシンポジウムの開催などを積極的に行っております。  ワーク・ライフ・バランスのまちづくり宣言ということはどうかという話でございます。このワーク・ライフ・バランスを実現しますための非常に重要な出発点は、何といいましても労使であるわけでありまして、労働者側あるいは使用者側がこのような共通の目標を認識し、共有して努力をするということでございます。この点はいろんな場面で、このような活動が既に始められているわけであります。一方、県のほうでは、このような環境を整備するということであるわけでございまして、今申し上げましたような雇用確保を初め、いろんな環境づくり、支援策を行っておるということでございます。今、このような段階でございまして、かつまたワーク・ライフ・バランスという言葉自体が、なかなかまだ浸透してないという状況でございまして、この段階で、いきなりまちづくりというような宣言に進むのが適当かどうかということについては、もう少しよく考えていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。 48 ◯議長(今林 久君) 岩元一儀君。(拍手) 49 ◯三十一番(岩元 一儀君)登壇 御答弁ありがとうございました。  仕事と、そして生活の調和と申しますか、大変難しい部分でもあろうかと思いますけれども、そこにいろいろな労働問題を含めまして、また家計という部分も含めまして、いろいろトータルとしての問題と申しますか、越えていかなければならない部分のもの、それが労使のところでまずはと、そしてまた県としては社会的な整備を進めると、こういうようなお話でございますけれども、やっぱりそうしたものの象徴は宣言ということで、一歩大きく切り開いていく、こうしたことになっていくんではないかと、私はそう思います。十年の節目に当たって、やはりここは、いろいろな意見も聞きながら、ぜひとも宣言をしていただきたいということを最後に要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  まことにありがとうございました。(拍手) 50 ◯議長(今林 久君) 浜崎達也君。(拍手) *浜崎議員質問 51 ◯四十二番(浜崎 達也君)登壇 皆さん、こんにちは。公明党の浜崎達也でございます。通告に従いまして、まず子育て支援について質問をいたします。  ことしの夏の衆院選は、政権交代という四文字にマスコミも踊らされ、国民の皆様もまさに政権交代のスローガンに乗せられたように思います。そして民主党連立政権が誕生しました。  さて、今回の選挙戦で大きくクローズアップされたのが子育て支援であります。我が党は、昭和三十七年より教科書無償化を実現するなど、野党時代から一貫して政策の重要課題として子育て支援に取り組んできました。その子育て支援が、政治の中心になってきたことは大いに歓迎するところであります。ただ気にかかるのは、民主党のマニフェストの子育て支援策のほとんどが、公明党の政策の後出しじゃんけんのように思えたのは、私一人ではないと思います。  さて、児童手当が代表されるように、政権交代により子ども手当と言葉が交代しました。まだ制度設計が統一されていませんが、支給額が変わります。児童手当は支給額一人目五千円、三人目から一万円でした。一方、民主党マニフェストの子ども手当は、何と一人目二万六千円となっています。来年度は半額の一万三千円のようです。財源の一部に配偶者控除、扶養者控除を廃止して充てるようです。核家族化が今や当たり前になっておりますが、地方では三世代で助け合いながら生活している家族等も多くいることなどを視野に入れた政策が肝要だと私は思います。都会に住んでいる標準四人世帯、しかも奥さんも正規社員という家庭でのモデル世帯では、まだ若干無理があるように思えます。まず、民主党のマニフェストにある子ども手当について、知事の所見をお伺いします。  次に、今年度の第一次補正予算で、今議会に提案されている子育て応援基金についてお尋ねします。これは、「保育所の計画的な整備等の実施及び認定こども園等の新たな保育需要への対応並びに地域の子育て力をはぐくむ取組等すべての子ども、家庭への支援など、子育てを応援する基盤整備を行う。」基金であります。  そこで、何点かお尋ねします。一点目、政権交代により基金の見直し及び執行停止が、閣僚のテレビ等での発言が取りざたされております。国家戦略大臣は、年度をまたがる場合は必要ならば本予算で計上すべき、と発言されました。民主党のマニフェストの目玉政策の一つが子育て支援ですから、継続が当然だとは思いますが、念のため、この子育て応援基金は継続されるのか否か、お答えください。  二点目、この基金に幼保連携型認定こども園への移行促進のための補助金制度が盛り込まれました。保育所型認定こども園と幼稚園型認定こども園の二類型です。現状この二類型の認定こども園は福岡県下四園しかありません。しかし、この基金により認定こども園移行が加速されると、私は思います。知事は、この基金事業の取り組みが、待機児童解消への効果があると認識されているかお聞かせください。  また、この基金事業期間での認定こども園の目標設置数があればお示しください。  三点目、この基金創設により、類型にかかわらない一律の支援が期待されていたにもかかわらず、認可外保育所の地方裁量型認定こども園は、残念ながら基金の対象にはなっていません。関係者の皆さんは大変落胆されていました。  先日、糟屋郡にある認定こども園を訪ねました。昨年の決算表を拝見したところ赤字であります。内訳を聞いたところ、昨年から不況のため保育料を値下げしたいが、保育料を据え置きました。そのかわりに、従来一月五千円別途徴収していた給食費を無料にしたそうです。保護者の生活が厳しくなっているのを肌身で感じた上での策であったようです。赤字はどうして埋めるのかと尋ねました。この園は御夫妻で経営されております。二人の給料をつぎ込んでいると、明るく答えられました。子育て応援に懸命に尽くされる御夫婦に大変に感動を覚えました。  私は、どこの認定こども園であっても、利用者である子供たちや保護者の方々に安全、安心と格差なきサービスを提供することが極めて重要であると考えます。したがいまして、特に自助だけで経営されている地方裁量型認定こども園の方々に助成するのは当然だと思っております。  ようやく関係者の皆さんの要望が実り、二十一年度特別地方交付税に地方裁量型認定こども園への支援が盛り込まれました。全国で地方裁量型認定こども園は二十園しかありません。その中で、本県は何と五園もあります。福岡県の地方裁量型認定こども園の皆さんは大変に頑張っていらっしゃいます。ぜひ、この特別交付税により助成金支援を措置すべきだと考えます。県が助成することにより、市町も助成に踏み込みます。結果、今後も認定こども園を目指す保育所がふえていくのは間違いありません。  重ねて申し上げますが、就学前の子供たちの保育、教育の質の向上のために、ぜひ県が助成すべきであります。知事の子育て支援にかける誠意ある答弁を期待します。  次に、ダム行政についてお尋ねします。今回の政権交代がもたらした政策転換の中で、政権発足当初よりマスコミが大きく取り上げているのがダム建設であります。御承知のとおり、前原国土交通相は、群馬県の八ツ場ダム、熊本県の川辺川ダムの中止を明言されています。また、この与党内には、長野県知事時代に脱ダム宣言をした人もいます。  そこで、県民の皆様が、単純に脱ダムの言葉のみにとらわれ、ダムは全部無駄だという誤解を招かないためにも、今後予定されているダム建設に対する本県の見解をお聞きします。  さて、我が会派の代表質問に、五ケ山ダムについては治水面、利水面、それぞれ的確な答弁をいただきました。国土交通省は、ダム本体工事着工が見直し基準の一つとなっていると新聞報道しています。五ケ山ダムは、本体工事未着工であります。そこで、念のためにお聞きします。このダム建設は、福岡都市圏において、昭和五十三年の二百八十七日間にも及ぶ給水制限があった大渇水を受けて決定された渇水対策を目的にした事業であります。私は、平成六年に二百九十五日間制限給水の異常渇水、平成十一年、平成十四年及び平成十八年にも異常少雨があり、直接水道の蛇口には影響しなかったものの水事情は依然厳しい状況であると考えております。知事はどのような認識をお持ちか、まずお答えください。  次に、筑後川流域で水資源機構が進めている大山ダム及び小石原川ダムに関してお尋ねします。まず、大山ダムについてです。このダムは本体着工に入っているので問題はないかと思います。一方、小石原川ダムは、まだ用地買収が進められている段階であります。この二つのダムの事業は県として必要かどうかお答えください。  次に、国の筑後川水系ダム群連携事業についてお尋ねします。筑後川は流量が不安定で、日本三大暴れ川の一つと言われております。流量が増したときに余分な水を取水して、江川、寺内、そして予定されている小石原川ダムにためる水の有効利用としての事業ですが、まだ実施計画段階のようです。福岡市からも早期事業着手要請が出ているようですが、今後の推進及び県としての必要性についてお聞かせください。  全国から見た福岡県、とりわけ福岡都市圏は、まだまだ水不足のイメージが強いと思います。国が提案した、いわゆるフルプランと福岡県ウオータープランの集大成が、さきに述べましたそれぞれの事業であります。福岡県のさらなる発展のために、福岡の水は安心と言える力強い答弁を期待します。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 52 ◯議長(今林 久君) 麻生知事。 *知事答弁 53 ◯知事(麻生 渡君)登壇 子ども手当についてでございます。少子化対策、子育て支援、これを今ずっと行っているわけでございます。子育て支援を行います場合には、今回の子ども手当、これまでの児童手当のように、家庭の経済的な負担を軽減するというために、直接現金給付を行うという方法がございます。一方で、やはり保育サービスはどうしても不足している、などに象徴されますように、子育てサービスを的確に提供するというサービス給付というものがあるわけでございます。  今回の子ども手当は、直接現金を子育て世帯に給付しようということでございまして、家庭の経済的な負担を減らしていく、経済支援を拡充しようとするものであると思います。これがちゃんと効果を発揮しますためには、何といいましても、将来にわたって長く継続するという安定した制度となる必要がありますし、そのためには非常に大きなお金がかかるわけでありますから、安定的な財源を確保するということ、また実際の実行に当たっては、地方側でいろんなことをやっていく必要があるわけでありますから、地方の意見を踏まえた制度設計がなされなければいけないというふうに思っています。  ただ、子育て支援の場合には、サービス給付というものも並行してなければいけないわけでありますから、現金給付と同時に、やはりサービス給付の整備ということもやっていかなければ、全体としては効果を十分上げないということになるのではないかと思っております。  子育て応援基金の継続についてでございます。この基金でございますけれども、これは国の補正予算を活用いたしまして、保育所の計画的な整備、あるいはそれぞれの地域の実情に合った子育て支援を充実していこうということで取り組んでいる事業でございます。このような予算は、まさにそれぞれ我々の地域でどうしても必要なものと考えてやっているものでございます。今、国の補正予算凍結ということで、一部の項目についての検討がなされているわけでありますが、このような子育て応援基金は、その対象になってはならない性格の、非常に重要な仕事であるというふうに考えております。  認定こども園についてでございます。認定こども園は、保護者の就労状況にかかわらず利用が可能であるという性格のものでございまして、利用者のほうから見ますと、選択の幅が大幅に拡大したということになるわけでございます。子育て応援基金を活用いたしまして、認定こども園の拡充を行おうとしているわけでありますが、これは待機児童対策に有効なものであるというふうに考えております。そして現在、この基金の事業期間中に八施設を計画いたしております。  地方裁量型認定こども園についてでございますが、これは他の類型の認定こども園と同じような機能、役割を果たし、また持っているものでございます。したがいまして、当面特別交付税による財政措置が講じられているわけでありますが、やはりこれは他の類型のものと同じように、補助制度の中で支援がきちっとできるように、国の制度拡大を求めていきたいと思います。  福岡都市圏の水事情についてでございますけれども、これは特に昭和五十三年に福岡の大渇水を経験いたしました。以降、渇水対策といたしまして、鳴淵ダム初め多くのダムの建設、福岡導水、海水淡水化施設などをつくりまして、安定的な水道用水の確保に努めてまいりました。今後の水の需要、さらに近年の異常な気象状況などを考慮いたしますと、現在進めておりますような水資源開発は必要であるというふうに考えているわけであります。  大山ダム、小石原川ダム、ダム群連携の事業についてでございます。大山ダムは、既にダムの本体の着工、施工中でございまして、平成二十四年度の完成目標を目指して事業を進めております。小石原川ダムとダム群連携事業、これは一体となりまして、効果をさらに高めるというものでございます。国のほうでは筑後川の水資源開発基本計画をつくっております。この計画におきまして、県南地域の必要な水資源開発のための施設として位置づけが行われ、開発が進められております。この計画の策定に当たりましては、県としてもこれが必要であるというふうに考えまして、積極的に同意をいたし、事業を進めているところでございます。 54 ◯議長(今林 久君) 浜崎達也君。 55 ◯四十二番(浜崎 達也君)登壇 知事、答弁ありがとうございました。  今回は要望だけにしようと思っていたのですが、どうも私の質問の仕方が悪いようで、三問目の地方裁量型認定こども園に対する答弁の中で、基金に入れていきたいという答弁がございました。それはもう、そのとおりだと思います。ただ、今喫緊の課題は何かと申し上げますと、質問の中でも述べましたように、今回特別交付税により助成金の措置がとられるということで、国から県のほうに来ていると思います。このことに関して、ぜひやってほしいというのが質問でございました。再度答弁をお願いいたします。 56 ◯議長(今林 久君) 麻生知事。 57 ◯知事(麻生 渡君)登壇 国といろんな話をした結果としまして、特別交付税によって財政的な支援をするという方向になっております。これはこれで一つの前進なんでありまして、これを使ってやりますけれども、ただ特別交付税というものの制度の性格上、非常に年によって変わるという不安定な要素がありますから、私どもはさらにほかの二制度と同じような支援体制をとるべきであるということを、並行して主張しているわけであります。 58 ◯議長(今林 久君) 浜崎達也君。 59 ◯四十二番(浜崎 達也君)登壇 今の知事の答弁で、特別交付税ではやるとおっしゃいましたので、それが出れば、もう二回も三回も出る必要はなかったんですが、これでまずやっていただきたいのと、先ほどおっしゃった基金の中に取り入れる、これは一つは、大きな問題としては認可外に対しての国の見解が変わらない限り、なかなか知事がおっしゃった基金の中に入れていくことが難しいのではないかなと思っております。  まず、せっかく今回政権交代したわけですから、ぜひとも民主党連立政権に、今までの既存の保育所に対する考え方を変えていただいて、認可外まで、いわゆる待機児童解消に役立っている、そういうふうなとらえ方に変えていっていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終了します。  ありがとうございました。(拍手) 60 ◯議長(今林 久君) 吉松源昭君。(拍手) *吉松議員質問 61 ◯二十三番(吉松 源昭君)登壇 自由民主党県議団の吉松源昭でございます。  質問に入ります前に、一昨日にスマトラ沖で発生したマグニチュード七・六の地震で、七百人を超す死者と数千人の重軽傷者が出ているとのことであります。今後実態が明らかになるにつれ、この数はさらにふえることが見込まれるわけでありますが、我々も大変心を痛めております。被災をされました皆様に、心より御冥福とお見舞いを申し上げます。  それでは、通告に従い質問いたします。  近年、地球規模での温暖化の影響でありましょうか、ゲリラ豪雨とも名づけられるほどの突然の、そして集中的な豪雨が頻発しています。私の地元である糟屋郡でも平成十五年の豪雨に続き、本年もまた七月に集中豪雨に見舞われ、残念ながら、篠栗町では土砂災害により二名の死者が出てしまいました。災害発生直後より、地元の町の職員、消防団、土木業者を初めとする地元建設業者らの昼夜を問わずの捜索、救助活動に、改めて敬意を表しますとともに、不幸にも犠牲になったお二人に心より御冥福をお祈り申し上げる次第であります。  さきも述べましたように、このような豪雨災害は平成十五年に宇美川のはんらんを招き、その際も消防団はもとより、さまざまな機材を所有し、かつ操作する技術を持つ地元業者の活躍と、地域に根差した地元建設業者の必要性がクローズアップされました。さきの篠栗町における今回の捜索活動においてもまた、そのことが話題となっています。  土砂の流出により住宅が押しつぶされ、五メートル以上もの堆積がある中、やみくもにパワーシャベルで掘り起こしたのでは埋まっている人を傷つけてしまう、かといって手作業では時間がかかり過ぎて生存率が下がってしまう。そんな状況下、シャベルを手掘りするかのように繊細かつ正確に扱う技術を持った地元土木業者社長の昼夜を問わずの協力、これなくして発見には至らなかったであろうというものであります。  これまでも、私は委員会などさまざまな機会に、地域経済の活性、雇用の確保のためはもちろん、地域の防災力の維持、充実のためにも、地元建設業者の保護と育成が必要と訴えてまいりました。しかし、いまだ廃業、倒産する地元業者は後を絶たず、特に技術力と人材を有する老舗の業者が多いことが、さらに危機感に拍車をかけています。  公共事業の元請については、地方自治法施行令第百六十七条の五の二において、契約の性質または目的により、当該入札を適正かつ合理的に行うため特に必要があると認める場合には、事業者の所在地を入札参加資格として設定することができるとされ、ほとんどの都道府県、政令指定都市で一定の入札案件について地域要件が設定されています。一方、下請企業については、法令の規定がないことなどから地域要件を課している例がほとんどありません。しかし、元請のみの地域要件設定については、問題も指摘されています。例えば、佐賀市では市内業者が落札した工事の六割が市外の業者に下請されていたとの実態調査報告があったり、実質上は稼働していない事務所を入札参加時に支店、営業所として申請する、いわゆる名ばかり営業所問題を、国土交通省が指摘したりしています。  国土交通省が三月にまとめた地域建設業の振興に係る緊急対策でも、国の直轄事業について、総合評価方式における地域精通度や地域内への優先下請発注などを含む貢献度を加点する方針が示されています。これを受け、各自治体においても、地域内業者への下請発注率を評価項目とするところがふえています。  さらに福岡市では、下請に関する地域要件の設定など、地元企業への下請発注の法的な義務づけはしていないものの、市長名の要請書によって、落札者に対し強い指導を行っています。この要請書の一部を抜粋しますと、一、工事の一部を下請発注する場合は、特段の理由がない限り地場中小企業者を使用してください、二、工事に使用する資材などは、特段の理由がない限り地場中小企業から購入してください、と文書で要請、さらに請負契約金額が建築工事で六千万円以上、そのほかの工事で一億円以上の場合には、下請発注計画書や資材購入通知書を提出するよう求めています。このほかに九州を見渡しても、長崎、佐賀、大分の各県で、同様の取り組みがなされているようであります。  そこで、知事にお尋ねいたします。さきに述べましたとおり、地域防災力の整備、維持のためにも地域内建設業者の保護、育成は不可欠と考えますが、このことに対する知事の御所見をお聞かせください。  また、そのためには、ただいま披露しました福岡市のような強い姿勢での取り組みを本県も行うべきと考えますが、感想も含め知事の御所見をお聞かせください。
     次に、地域の経済活性化、生活対策として、地域商品券の取り組みについてお尋ねいたします。昨年秋のリーマンショック以降、世界的に厳しい経済、雇用状況が続いています。私は、昨年度の決算特別委員会において、東京都中央区におけるプレミアムつき商品券の取り組みを例えに、我が県の低迷する消費の喚起、あるいは疲弊する地場商工業者の活性化の必要性を訴えました。これを受け、知事の英断により、本年度当初予算においてこのプレミアムつき地域商品券の経費、予算を計上、地域の商工会、商工会議所や商店街に大きな希望をもたらし、同時に生活対策として大きな期待をもたらしました。私の地元である糟屋郡においても、六つの町の商工会において総額二億八千万円を超す地域商品券が発行され、この反響は大変大きく、すぐに売り切れて購入できなかった、客がふえ、逆に売り上げが上がったとの声まで、私のところへ寄せられています。  知事も六月議会で、この商品券について県内全域で発行され、大変好調な売れ行きで多くの地域で完売が相次ぎ、商品券発行に合わせた抽せん会や割引セールなどの販売促進の取り組みにより、地域における消費拡大に寄与しているとの答弁をされています。私もこの事業は、地域経済の活性化にとって大きな効果があったものと感じてはいますが、現在の景気の状況を見ますと、まだまだ引き続きこうした対策を着実に実施していくことが必要であると強く感じています。知事は今議会に、さらなる商品券発行支援のための追加補正予算を提案されております。県民も大いに評価するところと思いますが、この追加補正予算を提案された背景には、当然ながら各地域で事業効果が大きかったことや、多くの地域からの追加の支援要望などがあったからだと推察いたします。しかし、さらなる効果を生み出していくためには、これまでの取り組み状況をしっかり踏まえ、検証、そして実施していくことが重要であると考えます。  そこで、知事にお尋ねします。まず、このプレミアムつき地域商品券の県下での発行規模や、売れ行きについてどういう状況なのか、さらに今後の発行見込みについて、あわせてお聞かせください。  最後に、地域内での消費喚起、中小小売店への波及、あるいは新たな消費拡大などの面で、これまで具体的にどのような効果があったのか、中間総括的な意味合いも含めてお答えください。  以上、知事の明快なる答弁を求め、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 62 ◯議長(今林 久君) 麻生知事。 *知事答弁 63 ◯知事(麻生 渡君)登壇 公共事業などの下請地元企業の育成、優先発注についてでございます。我々の地域の建設業者の皆さんは、多くの技術や経験を積んでおりますが、それと同時に、一部の皆さんは地域におきます防災活動においても積極的に重要な役割を担っていただいているわけであります。こういうことがございますから、その育成のために分離あるいは分割発注の推進を行っております。  また、下請発注に当たりましては、受注業者に対しまして、工事の一部を下請発注する場合、県内中小企業に優先発注を行うように要請いたしております。この点につきましては、より一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。  地域商品券の発行状況でございます。この地域商品券は、県内の八十五の商工会、商工会議所あるいは商店街で発行されました。取り扱い店舗数は全体で約二万店舗に上りました。発行総額は五十五億六千万円でございます。発売後は即日完売を初め、その多くは一カ月以内で売れております。さらに、年末に発行したいという希望がございます。これにつきましても、追加発行を支援したいというふうに考えているわけであります。これを加えますと、最終的には発行総額は七十億円を超える規模になるというふうに見込んでおります。  この地域商品券の発行の効果でありますけれども、これはアンケート調査などをいたしているわけでありますが、まず発行団体でございます商工会、商工会議所、その八割の皆さんが地元の商店の売り上げに効果があったというふうに答えてきております。また、取扱店、実際のお店のほうからは、売り上げが伸びた、あるいは新しい顧客がふえたというような声が寄せられております。一方、消費者の皆さんでありますけれども、商品券が使えるということになりまして、地元の商店街で買い物をした、あるいはこれを機会に家具とか電化製品といった高額商品を購入したというような意見が寄せられております。このようなことを考えますと、地域内での消費の喚起、創出に寄与しているものと考えられます。  また、大きな成績を上げたところの商店街、お店は、この地域商品券の発行と並行いたしまして、ポイントの付与とか、追加的な割引セール、あるいはいろんなイベントといった独自の取り組みも行われております。やはり、このような独自の工夫をしたところは、その効果がずっとよくなってきておるというような状況であります。 64 ◯議長(今林 久君) 吉松源昭君。 65 ◯二十三番(吉松 源昭君)登壇 プレミアムつき地域商品券の取り組みでは、商店街の活性化に大きな効果があったとのことであって、また商工会や商工会議所からも好評とのことでありましたので、大変うれしく思っております。  本当は、来年度以降も取り組む考えはないのかとただしたいと思っておりましたが、今議会で追加補正予算を審議中でもあり、まずはこの取り組みに全力を注いでいただきたいことを願って要望とさせていただきます。  さて、地域内建設業者の下請発注についてですが、ただいまの答弁では、県内中小企業に優先発注しているとのことでありました。これを私の地元の糟屋郡に当てはめますと、糟屋郡内で発注された工事は、福岡市内の業者でも下請できますが、河川を除く福岡市内の工事は、市に権限が移譲されているため、糟屋郡の業者は下請に入れないのです。つまり、福岡市の業者は近隣市町村で仕事ができるのに、近隣市町村の業者は福岡市内で仕事を受注できないという不平等が生じているのです。これを解消し、真に地域内業者を育成するには、さらに一歩踏み込んで、県内中小企業ではなく、地域内中小企業に優先発注するよう取り組むべきと考えますが、改めて知事のお考えをお尋ねいたします。 66 ◯議長(今林 久君) 麻生知事。 67 ◯知事(麻生 渡君)登壇 地域の建設事業者育成のために、工事の規模に応じまして、市町村あるいは発注事務所管内という範囲の業者を指定して工事の発注を行うというやり方もとっております。これをとった場合に、さっき言われたように、市町村ごととなった場合に、片一方ずつのアンバランスが生じるというお話がございました。これは少し実態をよく確認をしなきゃいかぬと思っております。 68 ◯議長(今林 久君) 吉松源昭君。 69 ◯二十三番(吉松 源昭君)登壇 ぜひ確認をしていただいて、そういったアンバランスがあれば、是正していただきたい。  今回プレミアム地域商品券の話もしましたが、プレミアム地域商品券はまさにそういった地域ごとにという視点でやっておるわけであります。商工業者のうちの商業者については、そういった取り組みができているわけでありますから、工業者についてもできないことはないはずだと思いますので、ぜひともよく調査をしていただいて、改善していただきますよう強く要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 70 ◯議長(今林 久君) 諏訪下勝造君。(拍手) *諏訪下議員質問 71 ◯二番(諏訪下 勝造君)登壇 皆さん、こんにちは。民主・県政クラブの諏訪下勝造でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。消費者行政についてお尋ねをいたします。           〔今林議長退席 井本副議長着席〕  ことし五月末、国会において消費者庁設置関連三法案が全会一致で可決、成立したことを受け、消費者庁が先月一日に発足をいたしました。やや準備不足の感もありますが、これでようやく我が国にも消費者行政を統一的に推進する所管庁ができたことになります。これまでの消費者行政は、産業育成を主な目的とする経済産業省などが、法令に定めた権限を行使することによって業者を指導、規制することにより、消費者の利益を擁護するという仕組みにとどまってきました。このため、消費者トラブルが増加するとともに、組織と法律が縦割りであるために、そのはざまで発生した被害が放置され、所管庁が情報をつかんでいるのに被害が広がってしまうケースが頻発するなど現行行政の限界が明らかとなり、消費者行政を消費者の視点で組みかえ、消費者保護のための行政機能を強化することが求められてきました。その結果が、今回の消費者庁の発足につながったと言えます。  法案の成立に当たっては、衆議院で二十三項目、参議院で三十四項目という莫大な数の附帯決議が盛り込まれたことに象徴されるように、自治体における消費者行政の強化を初めとして積み残された課題も多くあります。消費者庁の発足に合わせ、本県では二月補正で六億円の消費者行政活性化基金を創設するとともに、四月には消費者行政活性化計画を策定し、今年度から三年間で消費者行政の活性化を図ることにしています。そこで知事に、次の六点についてお尋ねいたします。  一点目に、消費者庁の発足は、国の行政のあり方が産業政策重視から消費者、生活者重視に転換するものとして積極的に受けとめたいと考えています。県は昨年度、県消費生活センターを本庁組織に統合していますが、この目的をまず初めにお聞きするとともに、消費者庁の発足に伴い、現在各部にまたがる消費者行政の関連事務の推進についてどのように対応していくつもりなのかお聞きいたします。  二点目に、昨年度県及び県内市町村で受け付けた消費者相談件数は約五万七千件、このうち県消費生活センターで受けた件数は約一万五千件と聞いています。そこで、相談件数の推移や相談内容の傾向、悪質な取引行為を行う事業者に対する行政処分や指導件数など、本県におけるここ数年の消費生活相談及び事業者指導の状況をお聞きいたします。  三点目に、六億円の基金を活用する消費者行政活性化事業は、主に県の相談窓口の機能強化と市町村の相談窓口の開設、拡充に向けて相談員の養成などを行うことになっています。県内市町村の消費者相談窓口は現在、週四日以上の開設が条件のセンター基準を満たす消費生活センターを設置しているところが十市、この基準は満たしていないものの専門の相談員を配置しているところが十一市町ありますが、残りの四十五市町村では相談窓口が十分に整備されていない現状にあります。このため県の活性化計画では、三年間で新たに消費生活センターを四市で、相談員を配置した相談窓口を三市町で、専門の相談員のいない相談窓口を十七市町村で整備することにしています。来年には糸島地区、八女地区が合併することになっていますので、合併を経た県内の相談体制は、消費生活センターが十四市、相談員を配置した相談窓口が十市町、専門の相談員のいない相談窓口が十九市町村で整備され、残り十七町村が未整備ということになります。  県下全域で消費者行政を推進するという立場から、相談窓口のない町村の住民からの相談に対しては、どのように対応していくのか。また、二〇一一年度までとされる六億円の基金事業を活用して、県内市町村の相談体制の整備と支援をどのように考えているのか、知事のお考えをお聞きいたします。  四点目は、消費生活相談員の処遇改善についてです。消費生活相談窓口の一層の充実強化を図るためには、消費生活相談員の処遇改善は不可欠のものだと思います。このことで国は、各都道府県に対し四月一日付文書で、消費生活相談員の処遇改善についての依頼を行っており、この中で、今回の交付税措置の拡充が基準財政需要額の算定において、消費生活相談員の報酬を年間で百五十万から約三百万円に増額したものであると明らかにしています。そこで、相談員の処遇改善に向け、今回拡充された交付税措置は報酬の引き上げに反映されなければなりません。県の相談員の処遇改善により相談窓口の充実強化を図るべきと思いますが、知事の考えをお聞かせください。  五点目に、国会の附帯決議には相談員の正規職員化を含め、雇用の安定化を促進するための必要な措置を講じることが盛り込まれていますが、知事は県の相談員の正規職員化を含め、相談員制度のあり方についてどのような考えを持っているのかお聞きいたします。  六点目は、消費者トラブルや被害を未然に防ぐための対策についてです。県の消費生活センターに寄せられる相談件数が依然高い件数で推移していることから、相談や苦情が寄せられている悪質な事業者に対する指導と、消費に関する必要な知識と判断力を県民に身につけてもらうための啓発事業は、消費者行政を推進する上で極めて重要な施策だと考えます。このため、一、相談窓口に寄せられた情報の調査、分析など消費者行政を担う人材の育成を図ること。二つ目に、事業者に対し迅速な指導が行えるよう体制の整備を図ること。三つ目に、県民に消費生活に関する有効な啓発を行うこと。以上の観点から、対策を質的にも量的にも拡充する必要があると考えますが、このことについて知事のお考えをお聞きいたします。  次に、北九州水素タウンについてです。この質問は、我が会派の野村議員が地球温暖化により質問されましたが、同じ北九州出身議員として、この北九州水素タウンが重要であるという認識から質問をさせていただきたいと思います。  環境に優しい資源として注目される水素であります。全国最大の産官学連携組織、福岡水素エネルギー戦略会議では、地球温暖化対策の切り札として期待されている水素エネルギー社会の実現に向かって、九州大学を中核とした世界最先端の研究開発と、福岡水素タウン、水素ハイウエーを初めとした社会実証、また全国唯一の水素人材育成、水素エネルギー新産業の育成、集積、そしてまた世界最先端の水素拠点の構築を柱とした福岡水素戦略(ハイライフプロジェクト)を展開しています。その展開の中で、社会実証実験第一弾である、次世代エネルギーを先行導入したモデル都市福岡水素タウンが今春前原市に完成いたしました。この社会実証試験では、南風台、美咲が丘団地の住宅計百五十世帯を対象に、LPガスを燃料とする家庭用燃料電池を設置し、約四年間にわたり省エネなどの効果の検証が行われております。そしてまた、福岡実証第二弾として、先月九月十八日、福岡市西区元岡に水電解方式で水素と酸素を得る方法の九州大学水素ステーションと、北九州市八幡東区東田に製鉄所や苛性ソーダ工場から副次的に得られる副生水素の供給方法の北九州市水素ステーションの工事が完成をしました。福岡から北九州間において、次世代自動車として期待される燃料電池自動車、そしてまた水素エンジン自動車の実証走行を可能とするための水素ハイウエーが始動いたしました。そしてまた今回、実証実験三弾として世界初の一般住宅、商業施設に水素をパイプラインで供給する北九州水素タウンの整備が、経済産業省水素利用社会システム構築実証事業の実施場所が、私の地元である北九州市八幡東区東田地域に決定をしました。このように福岡水素エネルギー戦略は着々と進んでいますが、そこで知事にお聞きいたします。  まず初めに、社会実証実験第一弾である前原市の福岡水素タウンと、第二弾の水素ハイウエーについてです。これらの社会実証実験が成功すれば、住宅産業や自動車産業にとってマーケットが広がり、雇用拡大にもつながり、環境においても温室効果ガス削減にもつながるとともに、化石燃料に頼らない新しいエネルギーの確保が期待されます。そこで知事にお聞きいたします。この水素タウン及び水素ハイウエーを利用することによって、どのように今後産業を育てていくのかをお聞かせください。  次に、社会実証第三弾の、北九州水素ステーションを中核とした次世代型水素エネルギーモデル都市北九州水素タウンの整備の着手についてお聞きいたします。今回、水素ステーションが完成した北九州市八幡東区東田地区は、臨海部を含む企業遊休地百十ヘクタールのエリアを対象に、住居、商業施設、オフィス、交通、エネルギー対策、廃棄物対策、コミュニティーなどを複合した環境共生型の町を創出する八幡東田グリーンビレッジ構想、環境都市空間・環境市街地形成の事業展開を行っているところでございます。このような構想の中で北九州水素タウンは、八幡東田地区にとって低炭素社会づくりの核になる重要な事業であると考えます。そこで知事にお聞きいたします。この北九州水素タウンの整備は、地元八幡東田地区においてどのような意義があるのか、また地元地域に対してどのように結びつけていくのかをお聞かせいただきたいと思います。  最後に、福岡県の中小企業の製品開発を支援する水素エネルギー製品研究試験センターが来年の四月に設立を予定しています。このセンターは、研究開発や製品試験を通して中小企業の水素への参入を支援していくことになっています。そこで知事にお聞きいたします。中小企業にとってどのような製品開発の支援がこのセンターでできるのかをお聞かせいただきたいと思います。  そしてまた、このセンターは福岡県では初めての公益財団法人ということでございますが、このセンターを公益財団法人として運営していくメリットがどこにあるのかをお聞かせいただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。(拍手) 72 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 *知事答弁 73 ◯知事(麻生 渡君)登壇 消費者行政についてであります。  まず、県の消費生活センター、これを本庁のほうに統合いたしました。これは相談から啓発、事業者の指導まで、センターと担当課が分かれておるわけでありますが、これを一貫してやっていこう、機動的に対処しようというために本庁のほうに統合し、一層の機能強化を図ったわけでございます。今後、庁内各課で構成しております連絡協議会におきましても情報の共有化、緊密な連絡を図ってまいりまして、的確な事業者指導などに取り組んでまいります。また、対象も健康食品、住宅リフォームまでの幅広い分野に関します消費者行政を各課との協力のもとに一体的に推進をしてまいる考えでございます。  消費者相談の状況でございますが、ここ数年は相談件数は一万五千件程度で推移をいたしております。内容でありますけれども、架空請求、多重債務、金融商品関連が上位を占めております。悪質業者に対します指導及び処分でありますけれども、昨年度は強引な訪問販売二十七件、今年度からは生活センターのほうに現職警察官を配置しまして、事業者に対する指導班を新設し、体制を強化いたしました。既に、これまで十八件の指導を実施いたしております。  相談窓口のない市町村についてでございますけれども、現在の県の消費生活センター及び久留米市と飯塚市に支所があるわけでありますが、ここでは県内全域からの相談に応じております。今後は身近な相談窓口、高齢者などの住民の皆さんが相談できますように、複数の市町村によります共同設置も含めまして相談窓口の開設、拡充を行ってまいりたいと思います。また、相談員の養成、資質向上、弁護士さんなどの専門家による相談体制の強化にも取り組んでまいりまして、その際には基金を活用してまいりたいと思います。  生活相談員の皆さんの処遇の点についてでございます。現在の被害の状況、特に高齢者の皆さんの被害を考えますと、相談の中身がだんだん複雑になってきておりますし、また深刻なものになってきております。このようなことでございますから、実際の相談に当たります相談員の皆さんの増員あるいは資質の向上を図るというために、専門的な研修の充実を図っております。また、処遇改善にも努めておりまして、今年度は報酬額の引き上げも行いました。今後も相談員の皆さんの処遇を含む窓口の充実強化を検討してまいります。  消費生活相談員制度に関する考え方でございますが、相談員の皆さんは非常勤職員という形で活動をしていただいております。相談、苦情の対応のほかに啓発あるいは事業者の指導というようなことも担当いたしておりまして、専門性の高い仕事でございますし、消費者行政の重要な一翼でございます。国のほうでは一方、相談員制度のみならず消費生活センターの配置とか地方の支援のあり方などの消費者行政全般の庁をつくりまして検討を行うという方針でございまして、国側の強化と対応する形で相談員の制度も含めました地方の消費者行政のあり方の検討を進めてまいる考えであります。  今後の消費者行政の拡充の方向でありますけれども、振り込め詐欺あるいは金融商品に対する高齢者の被害がふえておりますし、先ほども申しましたけれども金融商品などは複雑な形で行われますから、相談員の皆さんの資質、知識の向上はもちろん、相談員の増員あるいは高齢者見守りホットラインの開設、事業者指導班の新設などの充実を図ってまいります。さらに、今後ますますふえることが予想されます高齢者被害を防ぎますための啓発の強化、悪質事業者の指導徹底を行いまして、効果的な消費者行政を進めてまいる考えであります。  北九州水素タウンでございますけれども、福岡の水素戦略の一環として北九州水素タウンを進めているわけであります。これは、水素戦略の重要な部分を社会実証するということであります。これに加えまして、最先端の研究開発、人材育成、あるいは企業の集積、あるいはベンチャー中小企業の育成を総合的に行うということを目指しておりまして、世界的な拠点をつくっていきたいと考えております。  北九州水素タウンの意義でございますけれども、北九州水素タウンの場合には、新日鉄の製鉄所から発生しております副生水素を一般の住宅あるいは商業施設にパイプラインで供給するというやり方でございます。このようなパイプラインで供給する燃料電池の水素エネルギーのモデル都市としましては世界初めてのものでございます。今後は、このような定置型の燃料電池に加えまして、自動車さらに燃料電池を使いました自転車の水素を使った移動体の実証活動も展開をしてまいりたいと思います。この事業は、北九州は国連でも、あるいは日本でも環境モデル都市となって高い成果を得ているわけでありますが、このような都市としましても非常に適した事業であるというふうに考えておりまして、やはり環境に優しい水素社会づくりの大きなもう一つのモデルケースを北九州は実現するということになります。  水素エネルギー製品研究試験センターでございますけれども、これは水素エネルギーを使いますためには、当然今の定置型燃料電池を初め自動車、自転車、パソコン等々で水素が使われることになります。そのような水素を使う製品をつくっていくというために、この水素関連製品のバブルとかセンサーとかそういうものの性能あるいは耐久性を評価するというものでございます。これを得ることによりまして、各企業は安心して自分の技術に自信を持ち、またいろんな製品開発ができていくということになります。このような評価を認定するということは、大企業はもちろんでありますけれども、中小企業、ベンチャー企業の新規参入、製品開発の大きな支援になるというふうに考えております。  また、新しい公益財団法人によってこの事業は行うわけでありますが、これは研究試験センターの役割が社会的な信頼性あるいは公平、中立性が求められるということがございまして、まさに新しい公益財団法の目的に適した活動をしますものですから、このような形での法人化を行ったわけであります。 74 ◯副議長(井本 邦彦君) 諏訪下勝造君。(拍手) 75 ◯二番(諏訪下 勝造君)登壇 北九州水素タウンについて要望を一点させていただきたいと思います。  私の地域である八幡東区東田地域は、官営八幡製鐵所が明治三十四年に創業、開設して以来百八年の歴史を持っております。昭和の後半、鉄冷えということで本社が東京に移転をいたしました。平成になってスペースワールドが開設され、エキスポ北九州博覧祭、そしてまた今回、平成十五年度に東田グリーンビレッジ構想が選定されたわけでございます。さまざまなまちづくりの構想が行われてきたわけでございますが、今回の北九州水素ステーションを核とした社会実証が行われるわけですけれども、世界初の水素モデルエネルギー都市ということでありますが、実際には北九州水素タウンになるには時間がかかってまいります。そこで、ぜひとも知事には、この事業を通して国内外からの企業誘致や中小企業の育成、そしてまた集積を北九州市との連携を含めて、早期実現に向けてさらなる事業展開をお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 76 ◯副議長(井本 邦彦君) 樋口明君。(拍手) *樋口議員質問 77 ◯二十一番(樋口 明君)登壇 自由民主党県議団の樋口明でございます。通告に従い一般質問を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。  今年七月の中国・九州北部豪雨は、福岡県全土に甚大な被害をもたらしました。私の地元であります福岡市南区も地元を流れる那珂川の堤防が数カ所決壊し、家屋や道路冠水などの被害が出ました。那珂川中流の観測地点である下曰佐では、七月二十四日に川の流量がはんらん危険水位を超えていた時間が三時間、二十五日も同じく三時間、二十六日に至っては六時間もはんらん危険水位を超えました。避難判断水位を超えていた時間を合わせると十時間もの間、那珂川の水位は危機的な状態にあったことになります。下流域のいなり橋付近では、はんらん危険水位二千九百ミリをはるかに上回る三千七百十ミリを二十四日の二十時に観測し、二十六日の十一時十分には水位は四千三百四十ミリに達しました。上流域については、那珂川町役場などの施設が水につかったということを考えると、那珂川は上流から下流に至るまで危険な状態にあったということになります。  そこで知事に質問します。今回の豪雨で那珂川の水位がはんらん危険水位を長時間超えていた原因をお答えください。  那珂川のはんらんを防ぐための対策として県は、那珂川のしゅんせつと五ケ山ダムの建設の二つを同時に進めています。那珂川のしゅんせつについては現在、下流のしゅんせつを実施しており、開始から五年が経過しています。那珂川の下流域には福岡市の繁華街である天神や中洲があり、このエリアで川がはんらんすると、町がパニックに陥ることは容易に想像がつきます。那珂川下流域の水害は絶対に起こしてはいけません。その対策について知事はどうお考えかお答えください。  那珂川のしゅんせつは下流から上流のすべてにおいて計画がされているようですが、その計画をお示しください。私の地元であります南区の那珂川のしゅんせつ計画についてもあわせてお答えください。  今回の豪雨によって南区内の那珂川の堤防が決壊した原因の一つは、番托井堰にあるのではないかと私は思っています。この堰は一部を除いては可動堰にはなっていません。したがって、川の流れは堰の上を越えて下流へと流れていきます。今回のような豪雨のときは、大量の水の流れが堰によってせきとめられ、せきとめられた水の流れは堰の上を越えていきますので、堰の手前で水位は上がることになります。また、堰があることは川の流れを悪くしますので、堰の手前は泥がたまりやすくなります。たまった泥は那珂川の河床を上げますので、川の流量は小さくなります。今回の豪雨で那珂川がはんらんした原因の一つは、番托井堰の構造の問題から来るのではないかと私は考えます。  そこで知事に質問します。番托井堰より上流の那珂川の溢水を防ぐためには、しゅんせつとあわせて番托井堰を可動堰等に改築する必要があると私は考えますが、知事のお考えをお答えください。  続きまして、武道教育について質問します。昨年の九月定例県議会で、私は武道教育について質問しました。そのときの私の質問は、現在の中学校で行われている武道の授業がそのままの内容で必修科目になったとしても、文科省がねらう、武道を通して子供たちが我が国固有の伝統や文化により一層触れるという目的の達成は難しいのではないか、というものでした。私の質問に対し教育長は、日本人として自覚を持った心豊かでたくましい子供たちの育成に努めると力強く答えていただきました。私は、その答弁には満足をいたしております。それから一年が経過し、教育庁で武道教育を充実させるためにいろいろと検討されているようです。今年度からは新規事業として、武道教育等充実事業を始められています。これはまだ取りかかって間もない事業でありますので、その評価を現時点ですることはできませんが、この新規事業の中で私は意見を申し上げたい点が幾つかありますので、今議会で再度、武道教育について質問することにいたしました。  まず初めに、新規事業の中の武道師範派遣事業についてですが、武道に関する専門的な知識や技能を有している方を各中学校に派遣するということになっているようです。一中学校の派遣回数は一回三時間ということになっています。武道が必修科目となった後の年間の授業時数が約十時間くらいと聞いていますが、そのうちの一時間を専門家が教える授業ということになるかと思います。  そこで教育長に質問します。武道の専門家の派遣回数がたったの一回というのは少ないのではないでしょうか。これでは武道の精神を子供たちに伝えることが難しいのではないかと私は感じますがいかがでしょうか、お答えください。  武道の専門家が教えない授業時間については、体育の先生が武道を教えるということになっているようです。体育の先生の中には武道経験者はいるかと思いますので、経験者については武道の精神を子供たちに教えることはできるでしょう。もちろん、どの程度の経験を持っているかにもよりますが。しかし、武道の経験がない先生たちは果たしてどうでしょうか。新規事業の中には、そんな武道経験のない先生たちのために武道の特性や伝統的な考え方を習得するための研修会を実施することとなっています。武道指導者育成研修会と呼ばれるこの研修会の研修期間は二日間と聞いています。  そこで教育長に質問します。たったの二日間の研修で武道経験のない先生が、武道をしんから理解することができるのでしょうか。数年後には必修となる武道教育のねらいは、日本固有の伝統文化である武道を心身ともに子供たちに学ばせることにあります。私も武道の経験がありますが、二、三日でその精神を理解することは到底不可能です。そのことについて教育長はいかがお考えでしょうかお答えください。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 78 ◯副議長(井本 邦彦君) 麻生知事。 *知事答弁 79 ◯知事(麻生 渡君)登壇 那珂川の水位、これが警戒水位まで上昇しまして、それが長時間続いたということについてであります。これは第一に、端的に申し上げまして二十四日から二十六日にかけまして一時間に最大九十ミリ、総雨量では六百ミリを超える記録的な豪雨が集中的にこの地域に降ったということが直接的な原因でございます。一方で、治水側の要因といたしましては、五ケ山ダムの建設としゅんせつという河川改修工事を実施いたしておりますけれども、これが進捗途中でございます。そういうことの二つの要因であるわけでございます。  那珂川の整備方針でございますが、那珂川は下流域に人口が密集をいたしております。したがいまして、五ケ山ダムの建設と組み合わせによりまして効率的かつ効果的な整備としまして、しゅんせつや護岸補強工事を行っております。  河川の改修といたしましては、昨年度まで、河口から福博であい橋付近までのしゅんせつを実行し、今年度からは福博であい橋付近からキャナルシティ付近までのしゅんせつを予定いたしておるという状況であります。さらに、今後は那珂川町の上流の松尾橋まで順次しゅんせつ工事を行っていく予定であります。  また、御指摘がございました番托井堰の問題でありますが、この改築あるいは可動化の問題につきましては、堰の管理者であります福岡市あるいは利水者の協力、理解が不可欠でありますから、市などの関係の皆さんと協議を進めてまいりたいと思っております。 80 ◯副議長(井本 邦彦君) 森山教育長。 *教育長答弁 81 ◯教育長(森山 良一君)登壇 まず、武道精神の醸成についてでございます。中学校武道教育の平成二十四年度からの完全実施に向けまして、本年度から地域の武道の熟練者を中学校へ派遣する事業などを始めたところでございますが、現時点におきましては、生徒に武道精神を十分に理解させるということは難しいと認識をいたしております。そこで、より効果を上げる観点から、武道教育のねらいや具体的な指導事例などをまとめた資料を作成いたしまして、これに基づいた指導を行うこととしておるところでございます。  次に、武道教育に係る教員研修の充実についてでございます。教員が武道の精神や技能を習得するためには、相当の時間を要すると考えております。当面、武道教育が新学習指導要領に沿って、安全で円滑に実施できるように武道の伝統的な考え方や基本技能等を中心に研修会を実施しておるところでございます。今後とも、中学校武道教育の平成二十四年度からの完全実施に向けまして、関係団体と連携をとりながら、研修内容の充実に努めてまいりたいと考えております。 82 ◯副議長(井本 邦彦君) 樋口明君。 83 ◯二十一番(樋口 明君)登壇 まず、那珂川のしゅんせつについてですが、最初の水位の上昇について知事は、記録的な豪雨が原因であったというふうに言われました。確かにそれが一番の原因だというふうに私も認識をしております。ただ、私は那珂川がほかの河川に比べてはんらんがしやすい、と言うとちょっと聞こえが悪いですが、そういう川の状態にあるというふうに思っておりますし、実際に河川のはんらんの率を示す言葉、ちょっと私忘れましたけれども、そういうのを見ても、そういうデータになっているんじゃないかというふうに思います。そこで県も頑張っていただいて、那珂川のしゅんせつをやっていただいておりますけれども、そういう河川の状況ということがもう一つの原因であると。  それと知事に番托井堰のことについても答弁をいただきました。福岡市と協議していただけるということでございました。私の地元であります南区ですけれども、那珂川が流れておりまして、番托井堰の上流の部分の那珂川のところが、私が知っている限りでは四カ所ほど堤防が決壊しております。ですから、番托井堰をやはり可動化にしたりとかにしないと、今後このような雨が降ったときにはまた同じような事態に陥るということが考えられるかと思います。五ケ山ダムの建設が完了するまでに、まだあと八年ぐらいかかるかと思いますので、八年間、七月のような雨が降らないことを祈るわけですけれども、最近の気象状況は本当に何が起こるかわかりませんので、ぜひ県におかれましてはしゅんせつを頑張っていただきたいのと同時に、番托井堰の改築計画についても福岡市と早期に協議をしていただけるように、よろしくお願いいたします。  それと一点再質問ですけれども、那珂川のしゅんせつ計画について答弁をいただきましたが、南区内でのしゅんせつについてもっと詳しく答弁をいただきたいと思いますので、これは県土整備部長に答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。  次に、武道教育について一点要望させていただきます。私の質問は批判的に聞こえたかもしれませんけれども、武道教育を成功させていただきたいという思いで質問をいたしております。そこで、私もわかっておりますが、すべての体育の先生たちに武道の精神をしんから身につけてもらうということは、難しいということはわかっております。ですので、どうすればこの事業がうまくいくのかなということを考えたときに、私は地域と連携をしていくということが大切なのかなと思います。地域の中には武道を過去に経験されている方はたくさんいらっしゃるかと思います。地域の中には警友会といって警察のOBの方の団体がありますけれども、警察の方々は現役のときに剣道、柔道をやられている方はたくさんいらっしゃいます。私も先日、警察の武道の大会を見に行きましたけれども、非常にすばらしいものでした。礼儀正しくて、しかも武道に取り組む姿勢も一流のものがあったというふうに思います。そういった方々が地域にはたくさんいらっしゃるかと思いますので、そういった方に学校に来ていただいて、子供たちに武道を教えてもらう、武道だけではなくて礼儀正しさとか礼儀礼節、そういったことも含めて、私は教えていただけるのじゃないかというふうに感じておりますので、今後さらに地域との連携というものを図っていただきたいということを要望いたします。  済みません、それと最後に一点、豪雨関係で要望がございます。代表質問で知事は、被害に遭われた方の見舞金について答弁をされておりました。そこで、義援金が集まっておることについて、市町村に交付をされるというふうに言われておりましたけれども、義援金の交付対象の方々、もちろんお亡くなりになられた方、けがをされた方、家が壊れた方、いらっしゃると思いますが、私の知っている方の中には、直接家には被害が出ていないんですけれども、例えば家の擁壁とか、そういったところに被害が出ている方がいらっしゃいます。それを修理するためには金額にして一千万円近くかかるというような方もいらっしゃいますので、そういった家に直接的な被害がない方ではあるのですけれども豪雨で被害が出た方、家とかにですね。そういった方についても義援金の支給の対象にしていただけないかということを検討していただきたいと思いますので、この点を要望させていただきます。  以上です。(拍手) 84 ◯副議長(井本 邦彦君) 増田県土整備部長。 85 ◯県土整備部長(増田 博行君)登壇 那珂川のしゅんせつ等の整備の予定についてでございます。今年度までに河口からキャナルシティ付近までのしゅんせつや橋梁補強工事を行う予定でございます。次年度以降は、キャナルシティ付近から百年橋までのしゅんせつや護岸補強工事を計画しており、百年橋から番托井堰までにつきましては福岡市がまちづくりと一体で事業を行っております。番托井堰から松尾橋までの区間につきましては、調査の上、流下能力の不足している箇所から優先度をつけ、上下流バランスを考慮しながら、しゅんせつや堰の改築、橋梁のかけかえ等を検討してまいりたいと考えております。 86 ◯副議長(井本 邦彦君) 樋口明君。 87 ◯二十一番(樋口 明君)登壇 先ほどの部長答弁の中で、百年橋から番托井堰のしゅんせつ工事については福岡市が担われているということでした。確かにそうなんですけれども、しゅんせつは私が記憶している限りでは、もう大分前に終わっているんじゃないかというふうに思います。しかも、川の途中からしゅんせつを始めていますので、しゅんせつした箇所はもう泥がたまっているんじゃないかなというふうに思います。私もその現場の横を車でよく通るんですけれども、結構河床が見えておりますので、ぜひこの点については検証していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 88 ◯副議長(井本 邦彦君) 本日の一般質問はこれまでとし、残余は十月の五日、取り進めることにいたします。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時 四十三分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...