熊谷市議会 > 2020-09-15 >
09月15日-一般質問-03号

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  1. 熊谷市議会 2020-09-15
    09月15日-一般質問-03号


    取得元: 熊谷市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    令和 2年  9月 定例会(第3回)〇 議 事 日 程                   (9月15日〔火〕午前10時開議)第 1 市政に関する一般質問         一般質問通告一覧表                         第3回市議会定例会                         (9月15日)┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 1 │ 11 │小 島 正 泰│1 新型コロナウイルスへの対応について その3   ││   │    │       │2 暑さ対策日本一を目指す熊谷市の更なる暑さ対策につ││   │    │       │ いて                       ││   │    │       │3 マイナンバーカードについて           │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 2 │ 14 │小 鮒 賢 二│1 観光振興の推進について             ││   │    │       │ (1)観光資源の開拓の在り方と取組状況について  ││   │    │       │ (2)中心市街地の周遊コースの現況とPRについて ││   │    │       │ (3)熊谷寺の観光資源としての在り方について   ││   │    │       │ (4)妻沼聖天山周辺の環境整備について      ││   │    │       │ (5)古墳・遺跡等の史跡の整備及び観光資源としての││   │    │       │   推進について                 ││   │    │       │2 観光における近隣市町との連携について      ││   │    │       │ (1)埼玉3偉人の連携について          ││   │    │       │ (2)荻野吟子記念館の妻沼聖天山周辺への新設につい││   │    │       │   て                      ││   │    │       │ (3)上武絹の道の取組状況について        ││   │    │       │3 熊谷市観光協会の事業について          ││   │    │       │ (1)主な周遊等のモデルコースについて      ││   │    │       │ (2)観光事業推進上の新しい試みについて     │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 3 │ 17 │林   幸 子│1 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金││   │    │       │ 活用について                   ││   │    │       │2 良質な市営住宅ストックについて         │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 4 │ 13 │石 川 広 己│1 発達障害について                │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 5 │ 10 │腰 塚 菜穂子│1 コロナ禍における財政運営について        ││   │    │       │ ―持続性・健全性の確保とコロナ対策の充実―    ││   │    │       │2 外国人の子供に対する就学機会の確保       ││   │    │       │ ―活力ある共生社会の実現を目指して―       │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 6 │  5 │田 中   正│1 プロポーザル方式について            ││   │    │       │2 新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査センター││   │    │       │ の今後の在り方について              │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘                                            〇本日の会議に付した事件 議事日程のとおり                                            〇議長及び副議長 議  長 24番 三  浦  和  一 議員 副 議 長  7番 影  山  琢  也 議員                                            〇出席議員(30名)   1番  白  根  佳  典  議員    2番  中  島  千  尋  議員   3番  沼  上  政  幸  議員    4番  新  島  一  英  議員   5番  田  中     正  議員    6番  山  下  一  男  議員   7番  影  山  琢  也  議員    8番  鈴  木  理  裕  議員   9番  千  葉  義  浩  議員   10番  腰  塚  菜 穂 子  議員  11番  小  島  正  泰  議員   12番  権  田  清  志  議員  13番  石  川  広  己  議員   14番  小  鮒  賢  二  議員  15番  閑  野  高  広  議員   16番  守  屋     淳  議員  17番  林     幸  子  議員   18番  関  口  弥  生  議員  19番  野  澤  久  夫  議員   20番  黒  澤  三 千 夫  議員  21番  須  永  宣  延  議員   22番  小  林  一  貫  議員  23番  桜  井  く る み  議員   24番  三  浦  和  一  議員  25番  大  山  美 智 子  議員   26番  森     新  一  議員  27番  富  岡  信  吾  議員   28番  福  田  勝  美  議員  29番  大 久 保  照  夫  議員   30番  栗  原  健  曻  議員                                            〇欠席議員(なし)                                            〇説明のための出席者       市     長    富   岡       清       副  市  長    長 谷 川       泉       市 長 公 室 長    島   村   英   昭       危 機 管 理 監    上   山       武       総 合 政策部長    山   崎       実       総 務 部 長    栗   原   隆   行       市 民 部 長    小   林   教   子       福 祉 部 長    鯨   井   敏   朗       環 境 部 長    高   橋   近   男       産 業 振興部長    松   岡   八   起       都 市 整備部長    荻   野   秀   夫       建 設 部 長    増   田   啓   良       消  防  長    橋   本   政   佳       上 下 水道部長    渡   邉       功       会 計 管 理 者    本   多       俊       教 育 委 員 会    野   原       晃       教  育  長       教 育 次 長    田   島       斉       選挙管理委員会    向   井       徹       事 務 局 長       監 査 委 員    石   井       茂       事 務 局 長       農 業 委 員 会    堀   越   奈 緒 美       事 務 局 長                                            〇事務局職員出席者       事 務 局 長    清   水   輝   義       副  局  長    大   野       浩       次長兼庶務係長    清   水       誠       主  幹  兼    浅   見   祐   功       議 事 調査係長       主     査    野   間   謙   治       主     査    白   根   靖   士       主     査    森       哲   也              午前10時00分  開 議 ○三浦和一議長 出席議員が定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。 開会前お手元に配付いたしました書類は、1つ、本日の議事日程、1つ、一般質問通告一覧表、以上2件であります。 △市政に関する一般質問 ○三浦和一議長 これより日程に入ります。 日程第1、市政に関する一般質問。 23人の議員から一般質問の通告がなされております。 これより一般質問を行います。 なお、再質問からは質問席からの一問一答方式ですので、よろしくお願いいたします。 それでは、発言通告の順序により一般質問を許可いたします。 申し上げます。新型コロナウイルス感染対策のため、この後の通告順1番の小島正泰議員の一般質問に関係しない理事者にはここで退席をお願いいたします。 議員におかれましては、小島正泰議員を除き、お手元に配付してあります途中退席をお願いする一般質問日の議席表Aを参考に、議席番号1番から18番の議員にあっては偶数の方、議席番号19番から30番の議員にあっては奇数の方は、会派控室等におきまして待機いただきますようお願いいたします。 なお、引き続き議場に出席希望される議員におかれましては、議場にお残りください。 暫時休憩いたします。              午前10時01分  休 憩                                                          午前10時02分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 最初に、11番小島正泰議員の一般質問を許可いたします。 なお、同議員から資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可しましたので、これより配付します。              〔11番小島正泰議員登壇〕 ◆小島正泰議員 皆さん、おはようございます。11番、小島正泰です。本日から令和2年度9月議会の一般質問が始まります。今議会も6月議会同様、傍聴自粛をお願いし、それに加え感染防止対策で、議員そして執行部職員を間引いた状態での一般質問になりました。新しい生活様式を実行しながらも、この難しい状況だからこそ市民福祉向上に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 さて、新型コロナウイルス感染症の累積感染者数は、世界で2,800万人を超え、死者数は90万人を超えました。9月13日日曜日時点の日本の感染者累計は7万5,328人、死亡者は1,440人です。亡くなられた多くの方の御冥福をお祈りするとともに、現在感染症と闘病中の方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。 それでは、ただいま三浦和一議長より発言の許可をいただきましたので、通告の順に従い市政に関する一般質問を始めさせていただきます。今回は、大きく分けて3点質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まずは、大きな1番、新型コロナウイルスへの対応についてその3から始めさせていただきます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まり、早いもので既に半年以上がたちました。今までに経験したことのないことが次々に起こっています。記憶に新しい災害では、2011年、東日本大震災での自然災害があります。多くの家屋の倒壊や津波に襲われるまちの様子をテレビ画面で見たとき、今まで感じたことのない不安を感じました。日本のダメージは大きく、復興への道は果てしなく遠く感じられました。世界的な危機では、2008年の金融経済危機のリーマン・ショックが思い起こされます。日本でも影響は大きく、実質GDP成長率は、2008年がマイナス1%、2009年がマイナス5.5%と2年連続でマイナス成長となったことです。当時、国民1人につき1万2,000円の定額給付金が給付されましたが、全国民対象の給付金の額の大きさに驚いたことを覚えています。前者は目に見える自然災害で、被害者と被害が見え、それは日本国内での災害でした。後者は全世界を巻き込む危機で、景気の低迷や危機が多くの国に同時に起こりました。今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、目に見える被害ではないですが、どちらも上回る被害と影響を出すと言われています。世界中で感染は拡大し、国境封鎖や都市のロックダウンなどの対策が取られ、経済的な影響は、現在進行形の今では計り知ることもできません。今回、日本で給付された特別定額給付金は、国民1人当たり一律10万円、前回とは額が1桁違います。私は、これまで2度の議会で新型コロナウイルスについて質問させていただきましたが、今回はその検証と、ウィズコロナ、アフターコロナと言われる、いわゆる感染症対策と経済という観点で質問をさせていただきます。 6月議会では特別定額給付金の給付に関して、申請のない方に再度案内を出さないのかという私の質問に、再通知などを行うことは考えていない。様々な広報媒体を通じてPRを行うとの答弁でした。各自治体で給付金手続の受付が終了し、給付率が発表される中、熊谷市ではその給付率はどうだったのか気になるところです。 また、外出自粛や県をまたいでの移動制限、海外との往来の制限は、小売店や飲食業、旅行業といった対面で行う業種を直撃しました。必要な対策だったことは理解できますが、業種によっては大きな収入減になっています。収入が減るどころか、仕入れたものの廃棄、売上げがないのにかかってくる人件費や家賃、光熱費といった固定費を払うことで収支はマイナスになるといった具合です。もちろん、これに対して国や自治体も多くの対策をしています。特別定額給付金や家賃補助、持続化給付金、小規模事業者緊急支援事業や特別融資などがそうですが、どれも一時的な応急処置で恒久的なものではありません。そして、これらを申請して受けられる直接的な政策のほかに間接的なものがあります。その代表的なものがGo To キャンペーンです。既に開始されているのはGo To トラベル、細かい説明はしませんが、国内旅行に対して旅費や宿泊費を1泊2万円を上限とし、35%の割引と15%の地域で使えるクーポンがもらえるというものです。実は、私も使ってみなければと思い、子供たちの夏休みに利用させていただきました。目的地は市内江南地域にあるリゾートホテル、少し前まで感染症軽症者を受け入れていたホテルで、国レベルの感染症対策を指導されたホテルですので、安心だと思い利用させていただきました。ホテルの方に伺ったところ、例年であれば、8割が東京からの利用者であったのに対し、今年は8割が埼玉県内からの利用だったそうです。地元の旅行会社を通じて予約しましたが、利用代金の35%が旅行会社の精算の時点で割り引きされていて、それといった手間はかかりませんでした。本来であればそれに15%の飲食やお土産を購入できるクーポンが頂けるはずだったのですが、先行して行われたGo To トラベルではクーポンは間に合わなかったようです。同じように始まるであろうGo To イートなどのGo To キャンペーンを大いに活用し、飲食・小売店の多い熊谷市内の経済の活性化につなげていただければと思います。それには利用する方の安心・安全が一番重要になるところだと思います。熊谷市の感染症対策は近隣で一番厳しい。だからこそ安心して出かけられるという状況が望まれます。感染対策済みステッカーや感染接触アプリを駆使して、まずは熊谷市の感染対策の信頼度向上が必要であると考えます。そこで質問いたします。 大きな1番、新型コロナウイルスへの対応についてその3。 1として、新型コロナウイルスの熊谷市の現状。 2として、新しい生活様式の定義。 3として、新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA及び埼玉県のLINEコロナお知らせシステムの有効性について。 4として、感染症対策ステッカーの種類。 5として、各事業への市の対策は。 6として、Go To キャンペーンの種類とその総額。 7として、特別定額給付金の給付割合と熊谷市が行った申告漏れ対策、防止対策、それぞれに答弁をお願いいたします。 それでは、大きな2番、暑さ対策日本一を目指す熊谷市のさらなる暑さ対策についてに移ります。9月1日の埼玉新聞によると、8月の平均気温は、東日本で2.1度、西日本で1.7度平年より高く、東日本の降水量は平年の37%、西日本では40%にとどまり、記録的な少雨だったそうです。今年は梅雨が長く、一気に気温が上がったので、急に暑くなり戸惑った方も多かったのではないでしょうか。そして、8月17日には静岡県浜松市で41.1度を観測し、熊谷市に並ぶ国内最高気温が記録されました。「日本一あついまち」というタイトルを分け合う形になったわけですが、熊谷市の夏の気温が暑いことに変わりはありません。そして、今年は暑いだけではなく、新型コロナウイルス感染症の感染防止策をしなければならない特別な年でもありました。平時であれば、熊谷市でも力を入れていたクールシェア事業で今年も暑さ対策ができたと思います。2018年のクールシェアのチラシが熊谷市のホームページにありますので、紹介いたします。その中には4つのクールシェアが示されています。1つ、おうちでクールシェア、3台のエアコンをつけたら2台を止め、1部屋に集まり家族で団らんを。2番、ご近所でクールシェア、自宅のエアコンを止め、ご近所のお宅に集まって楽しめるおしゃべりタイム。3番、公園でクールシェア、エアコンを止めて公園に行き、大樹の下や水辺などの涼しい場所で過ごす。4番、まちでクールシェア、パブリック空間やカフェなどを、エアコンを止めている人たちに提供するというものです。クールシェアマップ2018には、217か所の公共施設や個人店などが掲載され、涼める場所を紹介しています。しかし、今年の夏は感染症拡大防止のため、クールシェア事業も難しい状態です。家庭内感染も確認されている今は、都内や市外に通勤、通学されている家族との対策も必要です。御近所のお宅にお邪魔してのおしゃべりもできず、日中の暑い時間は、公園の木陰では用が足りません。パブリック空間での集まりも3密回避という観点で見ると難しい状態です。その状況では、個人宅に設置してあるエアコンがとても重要だということになると思いますが、エアコンも機械ですので、完全ではありません。普及率だけ見れば各家庭に設置してあると思いますが、いろいろなお宅をお邪魔してみると、とても古いものも見受けられます。お話を伺ってみると、やはり買換え費用がネックになっているようですので、その件に関しての市の見解をお伺いします。 そして、タイトルでもあります、さらなる暑さ対策という視点、それは、日本一あついまち熊谷で働く人たちの暑さ対策です。地域の方と話しているとこんな声が聞こえてきました。エアコンや木陰で休める人ばかりではない。屋外で働く人は休んでいたら仕事にならず、収入が得られないという声です。屋内のエアコンのある環境では、設定温度やクールビズといった対策ができますが、屋外での労働には当てはまりません。それに加えて感染症対策に職種は関係ありません。人けのない屋外だけではなく、エアコンのない工場や作業所、密になりがちな現場なども考えられます。いろいろな業種があると思いますが、それぞれの仕事で収入を得て、そして納税される市民です。日本一の暑さ対策を目指す熊谷市は、そこで働く労働者の暑さ対策も必要なのではないでしょうか。そこで質問いたします。 大きな2番、1として、今年の屋内、屋外の救急搬送者数は。 2として、暑さ対策でのエアコンの役割。 3として、コロナ禍では高齢者、子供、健康に不安のある方たちは、どこでどのように過ごすことが望まれるのか。 4として、エアコン普及率をどう考えるか。 5として、家庭用エアコンの価格とエアコンの寿命。 6として、エアコンのかけられない環境で働く業種と行われている対策。 7として、ファンつき作業服について答弁をお願いいたします。 それでは、大きな3番、マイナンバーカードについてに移らせていただきます。このテーマについては、これまで三浦議員、大山議員、小林一貫議員、野澤議員、林議員、守屋議員、引退された議員も質問をしてきましたので、その性質や役割については、多くの説明や答弁が出ています。今回は、特に市民目線での疑問、マイナポイントの普及啓発や登録の手続などについて質問させていただきます。私自身は、以前にも質問でお話をしましたが、マイナンバーカードを3年前に申請して保有しています。今回の特別定額給付金の申請の際にも利用させていただき、インターネットで銀行口座などを打ち込み、とてもスムーズに給付を受けることができました。しかし、大半の方は電子申請を利用できなかったようです。今回の質問に至ったきっかけは、新型コロナウイルス感染症拡大の際に、アメリカ合衆国、台湾、韓国などの諸外国では、確定申告の際に銀行口座の情報を、日本でいうマイナンバーにひもづけられた情報から即座の現金給付がなされたのに対し、日本では国民1人に一律10万円の特別定額給付金の給付を実行する際に、各個人情報がひもづけられておらず、それに加え特別定額給付金をオンライン申請するのに必要なマイナンバーカードの普及率も低く、持っていても使い慣れていないので、多くの人が暗証番号が分からず、行政の窓口で再発行の手続の列ができていたことです。手作業での給付に、郵送費や発送作業、チェック作業にどれだけの手間と費用がかかったことでしょう。そして、それは受け取る市民の側の負担も考えられます。慣れない書類作成、身分証明書のコピー、不安な方は行政窓口に足を運んだことも想像できます。諸外国で共通番号制は常識で、日常になっている国も多いと感じます。私も約30年前に少しの間、海外で過ごしていた時期がありますが、外国人で学生の私でさえ、今でいうマイナンバーとマイナンバーカードは持っていましたし、使っていました。各国それぞれの歴史、文化等の導入事情も利用対象分野やID管理モデルの活用状況は異なると思いますが、多くの国で便利に使われています。インターネットのフリー百科事典ウィキペディアの国民識別番号のページには、日本を含め19か国の導入年度の比較表があります。早い国ではアメリカ合衆国が1936年から、スウェーデン1947年、イギリスは1948年、アジアでは、シンガポール1948年、大韓民国1962年、中華人民共和国が1999年、インドでは2010年にアドハー番号という国民に番号を付与する事業が始まり、2017年度時点で人口の9割に当たる11億人以上をカバーできているということです。そして、日本の導入年度は2016年とあります。この比較をもって早ければいいという話をしたいのではなくて、これだけの国でこれだけの歴史と利用人口の経験を見てから導入された日本のマイナンバー制度は、かなり有利で安全なのではないかということです。私の持っていた証明書も昔のものでしたので、少し厚手の紙ベースのものでしたが、今のものを見ると、プラスチック製のすばらしいカードに進化しています。いろいろな国で長年利用されて、安全性や利便性が向上しているはずです。そして、日本では、その利用範囲が法令で定められた、税、社会保障、災害対策の手続に限定され、それ以外のことには使えなくなっています。現在私たちの周りには公に発行されたいろいろな証明書や割り振られた番号があります。少し挙げてみると、運転免許証番号、パスポート番号、基礎年金番号、健康保険証被保険者番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号といった具合です。私的な番号では、電話番号、携帯電話番号、銀行口座番号、クレジットカード番号と、挙げていたら切りがないほどの番号を持っています。反対意見や不安もあるでしょうが、福祉や災害対策といった重要な役割を持つ番号であれば、ぜひ有効活用していただきたいと思います。 そしてもう一点、身分証明書という観点です。去年3月に私はこんな質問をしました。本人確認の身分証明にどんな種類が考えられますか。その質問に対し、「窓口で本人確認のために提示をされる身分証明書は、顔写真つきの公的機関が発行した個人を特定できるもので例示いたしますと、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、在留カードなどでございます。」という答弁でした。マイナンバーカードは、熊谷市の普及率は16%程度、在留カードは海外の方しか持てません。運転免許証も運転される方が持つものです。そうするとパスポートという選択肢が残っています。 ところで、皆さんは、今年の2月4日からパスポートが新しくなったことを御存じでしょうか。そしてそのパスポートを本人確認書類として使えないとする企業やサービスが増えているのです。理由は、住所記入欄がなくなったからだそうです。外務省領事局旅券課によると、住所記入欄廃止について、パスポートはもともと住所欄は自筆であり、居住地を公に証明するものではないためとの説明でした。公共料金の通知や保険証で手続ができた時代はありましたが、現在は顔写真つきの身分証明を求められることも多くなり、パスポートは公の発行する数少ない写真つきの身分証明書でした。未成年や免許をお持ちでない高齢者、障害のある方は身分証明が難しくなります。免許返納を考えている方にはマイナンバーカードは公的な身分証明書としても必要になってきます。それに加え、免許証やパスポートは申請に費用がかかりますが、マイナンバーカードは無料で交付申請でき、現在はキャンペーンによりポイントがついてきます。 それでは、大きな3番、マイナンバーカードについて質問させていただきます。 1として、マイナンバーカード取得者数の推移。 2として、マイナンバーカードのメリットとデメリット。 3として、特別定額給付金申請時のマイナンバーカードを使っての電子申請数。 4として、マイナポイント事業の概要とその対象。 5として、マイナンバーカードの交付手順と所要時間。 6として、熊谷市のマイナンバーカード普及対策。 7として、マイナポイント事業に対しての熊谷市の取組、それぞれに答弁をお願いいたします。 以上で壇上での私の質問を終了いたします。なお、再質問、要望等は質問席にて行いますので、よろしくお願いいたします。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 小島議員さんから3点にわたりまして御質問いただいておりますが、私から新型コロナウイルスへの対応について総括的にお答えをいたします。 新型コロナウイルス感染症は、今年の4月に全国に拡大し、その後、一時は減少傾向となりましたが、7月に入ると再び拡大し、第2波と言われる状況となりました。現在、やや減少の兆しが見られるところですが、本市においても一時、感染者が増加し、拡大が懸念されました。9月14日現在40人の感染が確認されており、今のところ急激な拡大に至っていないことは、市民の皆様、また、市内事業者の皆様にしっかりと感染症対策を実践していただいている結果であると考えております。この場をお借りをして感謝を申し上げます。 本市では、これまで33回の新型コロナウイルス感染症対策会議を開催し、市内での感染拡大に備えた対策等を協議してまいりました。主な感染症対策として、市民及び事業者の皆様に向けた基本的な感染防止策、感染が疑われる際の相談窓口の周知、市内感染者の発生状況など、市民の皆様に必要な情報をホームページや市報等でお知らせするとともに、防災行政無線での注意喚起を継続的に実施してまいりました。このほか、医療機関や福祉施設等へのマスク及び消毒液の提供、医師会が運営するPCR検査センターへの支援等を行ってまいりました。 また、経済対策として、「STOPコロナ」小規模事業者緊急支援事業をはじめとする様々な支援策を実施しておりますが、今月からプレミアム付「まち元気」熊谷市商品券の販売を開始し、地域経済の回復を図ってまいりたいと考えております。感染症の拡大については、まだまだ予断を許さない状況です。今後も感染拡大を抑えるには、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗い、密閉・密集・密接の3密の回避といった感染予防のための行動基準である新しい生活様式を市民一人一人に実践していただくことが重要であると考えています。 また、新型コロナウイルスの感染が収束するまで長丁場となることが想定されます。感染防止対策と経済活動の両立は、本市においても最重要課題と捉えておりますので、今後も市民の皆様の御協力をいただきながら様々な施策に取り組み、この困難を乗り越えてまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ◎小林教子市民部長 続きまして、新型コロナウイルスへの対応についてのうち、新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA等の普及状況と有効性についてお答えいたします。 国の接触確認アプリCOCOAは、個人がアプリをダウンロードすることで新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができ、9月11日現在、ダウンロード数は約1,663万件です。一方、埼玉県LINEコロナお知らせシステムは、事業者が施設や店舗、イベントごとに取得したQRコードを利用者が読み取ることで、利用する施設等で新型コロナウイルス感染症の陽性者と同じ時間帯にいた可能性のある方にお知らせをするシステムで、9月11日現在、事業者へのQRコード発行数は6,496件、延べ読み取り件数は5万2,367件です。人に注目した国のCOCOAと場所に注目した県のLINEコロナの両方のシステムを活用することでいち早く濃厚接触を確認でき、一層の感染拡大を防止する効果が高められると考えますが、そのためには多くの方にシステムへの登録をしていただく必要があります。感染防止対策の一つとして、接触確認アプリ等の市民生活への一層の定着を図るため、引き続き分かりやすい啓発に努めてまいります。 続きまして、御質問2、暑さ対策についてお答えいたします。初めに、熱中症救急搬送者数についてですが、月ごとに屋内、屋外の順に申し上げますと、7月、3人、9人、8月、49人、35人、9月は13日現在、8人、7人。累計では、屋内60人、屋外51人となっています。 次に、エアコンの役割についてですが、室内を適度な温度に保つことにより熱中症を防ぐことができる大変有効な手段と考えています。 次に、高齢者等の過ごし方ですが、暑さの厳しい日中は不要不急の外出を控え、エアコンを利用して適度な温度を保った室内で過ごすことが望まれます。特に高齢者、小さな子供及び健康に不安のある方は人混みを極力避け、朝の涼しいうちに公園など開放的な場所で散歩するなど、適度な運動を日常生活に取り入れることも必要と考えています。 次に、エアコン普及率についてですが、5年に1度の全国消費実態調査によると、埼玉県のエアコンの普及率は、総世帯の約92%となっており、多くの家庭に設置されていると推測できます。しかし、高齢者の熱中症は半数以上が自宅で発生しておりますことから、エアコンを適切に利用するよう啓発することが重要と考えています。 続きまして、御質問3、マイナンバーカードについてお答えいたします。初めに、取得数の推移ですが、平成29年度から令和元年度までは、一月当たり200件から300件程度で推移していましたが、特別定額給付金のオンライン申請やマイナポイント制度の影響により本年2月から増加傾向となり、8月は一月で2,035件となりました。また、2月から8月までの合計交付数は7,218件で、前年の同期間1,950件と比較し、約3.7倍の増加となっています。 次に、マイナンバーカードのメリットですが、このカード1枚で身分証明書として利用できること、コンビニエンスストア等で住民票の写しや印鑑登録証明書等を取得できること、e―Tax等の電子申請に利用できることなどが挙げられます。一方、デメリットですが、本人確認のため市民課等の交付窓口へ本人の来庁が必要なことや、申請から交付まで約1か月半程度を要することなどが挙げられます。 次に、発行手順及び所要時間ですが、申請は交付申請書に必要事項を記入の上、顔写真を貼付し、地方公共団体情報システム機構への郵送による方法やスマートフォン等で顔写真を撮影し、申請用ウェブサイトから申請する方法などがあります。申請に基づき作製されたカードは市へ届き、交付前の設定作業を行った後、申請者へ通知をし、交付窓口にお越しいただき交付となりますが、窓口では待ち時間を除き、手続に約20分から30分かかります。 次に、発行作業の課題ですが、今年度に入り申請者数の急増により、カード受け取りの際、市民課窓口が大変混雑し、待ち時間が長くなるなど御迷惑をおかけしています。 次に、普及対策ですが、交付を効率的に行うことや市民課窓口の密状態を避けるため、現在、本庁舎1階のホール南側に、新たにマイナンバーカード交付等を行う特設会場を設置すべく作業を進めているところです。また今後、保険証利用の開始に伴う増加も見込まれますことから、国の広報と連携し、早めの申請を呼びかけるとともに、特設会場においてマイナンバーカード申請用タブレットを使った申請補助を行うなど、交付窓口の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上です。 ◎松岡八起産業振興部長 続きまして、御質問1のうち、感染対策済みステッカーの種類ですが、県では彩の国「新しい生活様式」安心宣言を定め、業種別団体へ認定証を交付するとともに、事業者が店舗へステッカーの代わりに宣言を掲示するなどの取組を通して感染防止対策を推進しています。これを受け、市の取組として8月初旬にホームページで安心宣言の活用を呼びかけたほか、熊谷商工会議所、くまがや市商工会、熊谷市商店街連合会に対し、文書にて会員への周知を依頼しました。また、9月1日にはプレミアム付商品券の販売に合わせ、熊谷駅や駅西通り商店街で「STOPコロナ&熱中症」啓発キャンペーンを開催したところです。 次に、Go To キャンペーンの種類と総額ですが、旅行業者等経由での旅行商品購入に対し、クーポン券等を付与するGo To トラベル、オンラインでの飲食予約サイトの活用に対し、ポイント等を付与するGo To イート、チケット会社経由でのイベント等のチケット購入に対し、割引、クーポン等を付与するGo To イベント、商店街等によるイベント開催や観光商品開発等の実施を支援するGo To 商店街があり、Go To キャンペーン事業の予算規模は1兆6,794億円となります。 続きまして、家庭用エアコンの値段と寿命ですが、安いものでは6畳用で4万円台、高いものは20万円前後となり、設計上の標準使用期間を10年間としている機種が多いようです。 次に、エアコンのかけられない環境で働く業種として、屋外での作業が主となる業種、例えば、農業、建設業、電気工事業など広範な業種があるほか、屋内作業においても熱処理を要する金属加工など、エアコンが効かない労働環境があると考えられます。また、対策として、防災行政無線による水分補給の呼びかけ、ごみ収集車や防犯パトロール車による巡回放送、熱中症予防情報システムによる情報発信を行っております。 次に、ファンつき作業服は、作業服内部に小型のファンで風を送り込み、汗を蒸発させ体を冷やす機能を有する作業服です。 続きまして、マイナポイント事業ですが、マイナンバーカードを使ってマイナポイントの予約、申込みを行い、選択したキャッシュレス決済サービスでチャージやお買物をすると、9月から来年3月末日までの期間、金額の25%、上限5,000円分がポイントとして付与されるものです。マイナポイントの付与はマイナンバーカードを取得し、ポイントを予約した乳幼児を含む全ての方が対象です。 次に、市の取組ですが、市報5月号でマイナポイントの内容をお知らせし、マイナンバーカードの早めの申請を促しました。また、キャッシュレス決済を推進するため、事業者を対象とした説明会をこれまでに2回開催しております。 以上です。 ◎山崎実総合政策部長 続きまして、特別定額給付金の給付状況と申請漏れ防止策についてお答えいたします。 初めに、給付状況ですが、給付対象世帯数8万8,373件、申請済み世帯数8万7,899件で、申請率は99.5%です。この申請済み世帯数のうち、世帯全員が不要としたなどの36世帯を除いた8万7,863件に対し給付を行っており、今後の給付予定を含めますと給付率は99.4%となります。なお、9月11日現在の埼玉県内市町村の平均給付率は99.2%となっています。 次に、市が行った申請漏れ防止策ですが、市報やホームページによる申請の勧奨をはじめ、7月下旬には未申請者に対し、申請を促す勧奨はがきを送付しました。また、単身高齢者や障害者の世帯主については、市内の訪問介護、重度訪問介護や同行援護事業を運営している事業所等に対し、申請を促す声かけ協力の依頼を行ったほか、8月市報同時配布物として申請勧奨チラシを作成し、自治会に対して班回覧の御協力をお願いするなど、より多くの方に申請していただけるよう努めました。 続きまして、特別定額給付金申請時のマイナンバーカードでの申請件数についてお答えいたします。マイナンバーカードによるオンライン申請は2,510件です。 以上でございます。 ◆小島正泰議員 11番、小島正泰です。それぞれに御答弁ありがとうございました。市長答弁もありがとうございます。それでは、再質問に移らせていただきます。 まずは、大きな1番、新型コロナウイルスへの対応についてその3について質問させていただきます。まずは、特別定額給付金室の皆さん、大変お疲れさまでした。他の自治体では、外部委託で大きな予算を計上していたところもあったようですが、熊谷市は外部委託せずに、県平均を上回る普及率になりました。3密対策をしながら休日出勤していることを聞いていましたが、よい数字が出て何よりです。また、未申請者に対してはがきも出していただいたとのこと、市長をはじめ、関係部署に感謝申し上げます。 さて、答弁から、現在の市内感染者数の累計が40人ということが分かりました。しかし、これは累計の数であって、現在の感染者数ではありません。累計総数から亡くなられた方と退院された方を引くと現在感染者数が出ます。JX通信社の表によると、日曜日時点での国内感染者累計は7万5,328人、それに対し現在感染者数は7,115人です。同じように、埼玉県の感染者累計は4,263人に対し、現在感染者数は317人となっています。いずれも1割以下になっていますので、熊谷市内の現在感染者数も推測されるところです。検査を受けておらず、無症状の方もいると思いますので、確かではありませんが、それが推測される数です。そして、市長答弁にありました、感染予防対策と経済活動の両立が最重要課題になってくると思います。 それでは、再質問1番、ウイルス接触確認アプリなどの有効性について、それぞれ登録者数とQRコードの発行数が出ましたが、その有効性を得るにはどれぐらいの普及率が必要と考えるか。また、その対策を教えてください。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 現状が十分な普及率であるかにつきましては、必要な普及率が国や県から明確に示されていませんので、判断は難しいですが、できるだけ多くの方に利用していただき、陽性者と接触の可能性が確認された場合には、症状等に応じ検査を受けることなどにより感染拡大防止の効果が期待できますので、引き続き普及に向けて啓発を行ってまいります。 以上です。 ◆小島正泰議員 小島です。明確な数字は言えないということですが、利用が多ければ多いほど信用も上がるということが分かりました。多くの方に利用していただけるよう引き続き説明と広報をお願いいたします。 再質問2番、新しい生活様式を取り入れ、接触確認アプリ等の拡充に努め、感染防止対策と経済活動の両立が大切であると答弁いただきましたが、それを実現するためには何が重要だと考えますか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 まずは、市民一人一人が家庭、学校、職場など、生活のあらゆる場面で新しい生活様式の中で、基本的な感染予防対策を確実に実践していただくこと。また、事業者の皆様には、お客様が安心して買物や飲食等ができるよう、業種別のガイドラインを遵守し、彩の国「新しい生活様式」安心宣言の取組など、感染拡大防止対策を実施した上で営業を続けていただくことが重要であると考えています。 以上です。 ◆小島正泰議員 小島です。小売店や飲食店などでは、特にお客様が安心して来店していただくことが重要ですし、送り出す家族にとっても店やまちに対する安心が必要だと考えます。 そこで、再質問3番、接触確認アプリなどの有効性について答弁をいただいていましたが、飲食店や小売店、施設などに義務づける考えはありますか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 接触確認アプリについて、国ではプライバシーに配慮し、任意の登録を前提に普及が図られております。市でも市報等でアプリなどを広報し、利用を呼びかけておりますが、各店舗に義務づけることは困難と考えています。 以上です。 ◆小島正泰議員 確かに任意であることを前提で登録を促していますが、広まらないことには大きな効果も期待できません。これから徐々にいろいろな行事が緩和され再開していく中で、来場される方に意識を持っていただきたいものです。 それでは、再質問4番、Go To キャンペーンのうち熊谷市で一番活用できそうなものはどれですか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 本市産業への経済効果の面から、Go To イート、Go To 商店街の利活用が効果的と考えています。 以上です。
    ◆小島正泰議員 小島です。熊谷市は、近隣市町よりも多くの飲食店があります。早めの取組と告知をよろしくお願いいたします。 時間がないようですので、ちょっと順番を変えさせていただきます。大きな3番、マイナンバーカードについての再質問をさせていただきたいと思います。昨日、自民党総裁選挙の投開票が行われ、菅総裁が誕生いたしました。そして、あした、衆参両院の本会議で行われる総理大臣指名選挙を経て第99代の総理大臣に就任する見通しです。菅新総裁は、会見でデジタル庁の創設を明言し、その鍵はマイナンバーカードにあるとし、2年半後に全国民に行き渡るようにしたいと語っていました。マイナンバーカードの発行数がさらに加速することを念頭に置きながら、再質問に移らせていただきます。特別定額給付金の申請は、原則郵送か電子申請でしたが、特設窓口が新庁舎1階北側に設置されました。そこで、あえて質問いたします。 再質問1番、特別定額給付金窓口は何名の方が来場されましたか。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 特別定額給付金室の窓口を開設した5月18日から申請期限日の8月27日までの間に、申請に関する問合せや申請書提出等で来庁された方は2,672人です。 以上です。 ◆小島正泰議員 約3か月で2,672人の方が来庁されたことが分かりました。平均すれば1日30人弱ですが、前半に集中していたことと予想します。 それでは、再質問2番、現在熊谷市内で交付されているマイナンバーカードの総数を教えてください。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 本年8月末現在で3万1,913件です。 以上です。 ◆小島正泰議員 昨年の3月議会の私の質問への答弁では、取得率は10.88%でした。そして、今回が計算すると16.29%、約1万件以上が新たに増えた計算です。1年半で1万人の方が通常業務と同じ窓口で30分かかる作業をしていたのですから、混雑は避けられません。 それでは、再質問3番、1階南に新しく特設窓口が用意されますが、マイナンバーカードに特化した窓口なのでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 マイナンバーカードの手続に特化した窓口を予定しています。 以上です。 ◆小島正泰議員 これからマイナポイント事業や健康保険証機能の追加などで発行が加速されると考えますが、少し手狭に感じます。場合によっては1階北側や8階の市民食堂跡のように、広くて密にならないような場所も利用できるのではないでしょうか。マイナポイント事業では、マイナンバーカードにポイントを付与するもので、そのカードは乳幼児も持つことができるという説明でしたが、子供たちにも5,000ポイントが付与されるということです。おむつやミルク代、洋服代にぜひ活用していただきたいものです。 総務省の統計ページを見てみると、年齢別のマイナンバーカード発行数が出ていますが、ゼロ歳児から4歳までの全体に対する交付率は、僅か1%となっています。 そこで、再質問4番、答弁では、乳幼児にもマイナポイントが使えるとありましたが、乳幼児のマイナンバーカード発行について教えてください。本人の窓口への来庁、暗証番号などはどうなっているでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 親などの法定代理人とともに乳幼児にも来庁していただくことが必要であり、それぞれの本人確認を行います。受領の手続と電子証明書の暗証番号の設定は、法定代理人が行うこととなります。 以上です。 ◆小島正泰議員 ありがとうございます。出産後、育児で忙しいとは思いますが、子育て世代包括支援センターなどを活用して広報していただければと思います。 再質問5番、マイナンバーカードの有効期限、個人情報の取扱い、安全性についてお答えください。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 マイナンバーカードの有効期限は、発行の日から10回目の誕生日までですが、15歳未満の方の場合は、5回目の誕生日までとなります。マイナンバーカードへの金融機関口座情報の登録は行われていません。また、マイナンバーカードからの個人情報の流出については、これまで事例はありません。 なお、マイナンバーカードは顔写真つきのため、紛失した場合でも第三者が容易に成り済ますことはできないため、悪用は困難とされています。 以上です。 ◆小島正泰議員 ありがとうございます。有効期限はありますが、使用目的も限定され、安全面も今の時点では問題なさそうに感じます。 それでは、再質問6番、マイナポイント登録手続は複雑でしょうか。高齢者でも簡単にできますか。また、その手続を市役所では手伝うことができるのでしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 マイナポイント発行の流れを申し上げますと、ポイント取得の準備段階として、お手持ちのスマートフォンにマイナポイントアプリをインストールします。次に、アプリを起動させ、マイナンバーカードのパスワードを入力し、スマートフォンでマイナンバーカードの情報を読み取り、画面上で発行ボタンを押すと予約の意味でマイキーIDが発行され、最後に、アプリからキャッシュレス決済事業者を登録することで、お買物金額の25%、5,000円を上限にポイントが付与される仕組みとなっております。このように、事前にマイナンバーカードとスマートフォンを使いポイントの予約、申込みが必要となるため、スマートフォンの扱いに慣れていない高齢者の方にとっては、負担が大きいと考えております。また、スマートフォンをお持ちでない方には、市役所市民課をはじめ、郵便局やコンビニ等に設置してある端末から手続が可能とされておりますが、手続へのサポートが必要と思われます。 以上です。 ◆小島正泰議員 ありがとうございます。皆さんのお手元にマイナポイントの手引をお配りいたしました。開くと内側に手順が載っています。私もそのページを見ながら市民課の方と登録作業をしてみましたが、マイナンバーカード、暗証番号、現金決済アプリが用意できている私が、教えていただきながら10分かかりました。答弁にもありましたが、私の感覚ではお年寄りが独りで手続を完結することはかなり難しいと思いました。 それでは、再質問7番、答弁では、マイナンバーカードの交付時に、待ち時間を除き30分かかるとのことでしたが、その手続の内容と時間短縮の対策をお願いします。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 交付の際にはマイナンバーカードの制度、注意事項等の説明や、暗証番号の設定を行っています。今後、特設会場での受付状況により、密状態とならないように配慮しながら、複数人に同時に説明を行うなどの時間短縮策を検討してまいります。 以上です。 ◆小島正泰議員 ありがとうございます。待ち時間はかかりませんが、マイナンバーカード発行で30分、マイナポイントの発行のお手伝いで20分から30分はかかりそうです。働く世代は平日来庁が難しく、土曜開庁日も混雑していると聞きます。本人が窓口に来なければならないので、待ち時間をなくす工夫が必要だと思います。 それでは、再質問8番、マイナンバーカード、マイナポイント、Go To キャンペーン、商品券、それぞれの担当部署を教えてください。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 マイナンバーカードの交付及びマイナポイント予約、申込みの設定支援は市民課、マイナポイントの広報及び市内事業者への案内は商工業振興課が担当しています。また、Go To トラベル、Go To イート、Go To 商店街、Go To イベントは、それぞれ国の所管省庁が委託により実施するため、自治体が行う事務はありませんが、問合せ先の御案内等、情報提供に努めてまいります。 以上です。 ◆小島正泰議員 ありがとうございます。この時期は、いろいろな事業が重なって大変な時期だと思います。Go To キャンペーンは、国土交通省所管のGo To トラベル、農林水産省所管のGo To イート、経済産業省所管のGo To イベント、Go To 商店街と分かれており、それぞれの対象が旅行観光業、飲食業や第一次産業、スポーツ、芸能、文化団体と広く考えられています。しかし、利用する側からは縦割りでとても分かりづらいです。 そこで、再質問9番、この時期に重なった政策をワンストップで対応できる、部をまたいでの特別窓口、部署は設置できないでしょうか。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの対策や支援を行っており、それぞれの所管課が実施、対応しています。今後もこの体制で進めたいと考えていますが、実施主体が市ではない事業も多いため、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 以上です。 ◆小島正泰議員 御答弁ありがとうございました。再質問1番で、窓口に来なくても手続ができる特別定額給付金窓口に2,672人の方が来庁したことが分かりました。分かりやすいように御案内した1つの手続でそれだけの市民が来庁されたということです。答弁のように新型コロナウイルス感染症の影響で多くの政策や支援が重なっているのであれば、親切に、そして戦略的に窓口を編成して活用すべきだと思います。 また、答弁では市内で既に3万1,913枚のカードが交付されていることが分かりました。単純計算ですが、5,000ポイントを掛けると1億5,956万5,000ポイントです。最大で約1億6,000万円分のポイントになりますが、それがその規模ではありません。この手引の表紙の黄色いところにあるように、付与率は25%になっておりますので、その5倍の経済効果があるということ。つまり、マイナポイント事業では、現在発行している枚数で最大8億円の経済効果がこの地域に見込まれる計算です。100%は無理にしても、既に所有しているマイナンバーカードのマイナポイント付与を掘り起こすことが重要だと考えます。もともとマイナポイントは、電子決済やスマートフォンを使い慣れている若い世代が有利だとされていて、その世代へのマイナンバーカード普及を視野に入れた政策だと言われていますが、その権利は全国民にあります。先ほどの説明で使った総務省の9月1日現在の累計で見ると、交付率の一番高い年齢層は70歳から75歳までの9.8%、そして、60歳以上の既に交付されている交付数の合計割合が44.1%でした。全国平均などで単純には計算できませんが、熊谷の発行枚数で計算すると1万4,000人ぐらいの方が60歳以上のカード保有者と推測されます。これからカード発行に来庁される方にはその場でポイントの案内ができますが、既に発行済みの方にマイナポイントの手続を説明するには、大きな労力と時間が必要だと考えます。いずれ全国民がカードを発行する必要があるのであれば、ポイントがつく今、コロナ禍の経済対策としても取り組む必要があるのではないでしょうか。マイナンバーカードは、申請してから手元に届くまで1か月半かかり、マイナポイント事業の期限は来年3月までと決まっていますので、混雑も予想されます。 それでは、時間ですので、要望に移らせていただきます。今年の夏は、暑くなったら一気にエアコンが大量に売れて、取付け工事が間に合わなかったそうです。気温の上昇もさることながら、各家庭に特別定額給付金が届き、自宅で過ごす時間が増えた方たちがエアコンを新調したからではないかと、地域の電器屋さんに話を聞きました。エアコンの入替え助成やファンつき作業服に対してあまりよい答弁は見込めませんが、特別定額給付金やマイナポイント、プレミアム付商品券といった原資がある今、本当に必要なものを見極めて使っていただきたいと思います。それに加えてGo To キャンペーンがあります。Go To トラベルは、1人が何度でも利用ができますので、Go To イートについても早めの取組で、多くの人に何度でも熊谷で消費していただきたいものです。 新しい生活様式と経済活動の両立の成功を切に願い、私の9月定例会一般質問を閉じさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で11番小島正泰議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。この後、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。理事者におかれましては、通告順2番の小鮒賢二議員の一般質問に関係する方に入場いただき、議員におかれましては、小鮒賢二議員を除き、途中退席をお願いする一般質問日の議席表Bを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩いたします。              午前11時04分  休 憩                                                          午前11時14分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 次に、14番小鮒賢二議員の一般質問を許可いたします。 なお、同議員から資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可しましたので、これより配付します。              〔14番小鮒賢二議員登壇〕 ◆小鮒賢二議員 皆さん、こんにちは。14番、小鮒賢二です。ただいま三浦議長より発言の許可をいただきましたので、通告の内容に従い市政に関する一般質問を行います。本日は1年半ぶりの質問ですので、ちょっと緊張しておりますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。今回は、傍聴される方は、以前と比べては大分少ない状態でございますけれども、皆さんの健康と安全のためやむを得ないと思います。でも、何人かおいでいただいておりますことを感謝申し上げます。あと、インターネットで私の質問を視聴される方も多いと思います。そういった方々にも分かりやすい質問となりますよう心がけてまいります。 本日は、第2次熊谷市総合振興計画のリーディングプロジェクトの2のスポーツツーリズム、観光振興の推進に関連した質問になります。前段のスポーツツーリズム、スポーツコミッションの立ち上げ等に関しては、今まで多くの議員の皆さんが質問されてきております。まさにこれだけ充実したスポーツ関連施設を有する本市が、それら優れた施設を十分に活用して、多くのスポーツイベント等を招致することは、本市の交流人口の増加、ひいては本市の活性化には必要不可欠と考えます。しかし、せっかくおいでいただいた皆様に、イベント終了後にそのままお帰りいただくのでは、スポーツツーリズムの観点からは、所期の目的は果たせていない状況と言えます。多くの方々に少しでも長く本市に滞在していただき、本市のすばらしさを感じていただくことは大変に重要となります。第2次総合振興計画の中のスポーツツーリズムを推進する上での課題から引用すると、スポーツ会場を訪れる多くの方に対し、本市の地域資源を組み合わせながら魅力をアピールするなど、会場だけでなく市街地や観光施設にも訪れてもらえるようなおもてなしを工夫して、スポーツを通じた交流人口拡大の取組を、滞留時間の延長、観光地への誘導、域内消費の拡大、商業の活性化へとつなげていくことが重要ですと分析しています。まさに同感です。スポーツ大会に関連する人たちはリピーターが多く、さらにその方々に本市のすばらしさをより広めていただくことも期待できます。そこで本日は、後段の大変重要な取組となる観光の振興の推進の考え方を中心として、種々提案を交えて質問してまいります。 質問に入る前に、地元の偉人について、ここで配付資料の成田小学校校歌の面を御覧いただきたいと存じます。「長い歴史の わがうぶすなよ 御祖五郎の 遺徳をしのび くしき画工 晴湖をほこる わらべ われらの 学舎成田」。歴史を感じさせる重厚な校歌ですが、地元の誇る2人の偉人が重要になります。1人目は、御祖五郎とは、成田氏8代目の五郎家時を指します。成田氏は、菩提寺の龍淵寺に残る成田氏系図によると、藤原氏を出自としており、初代の助高は成田の地に館を構え、成田氏を名のったのが始まりとされています。初代助高には4人の子供がいて、長男に成田氏を継がせ、次男に別府氏、三男に奈良氏、四男に玉井氏を興させました。言わば、別府、奈良、玉井は成田氏の分家に当たります。また、中条氏も成田氏の分かれと言われております。以後、成田氏の統治は鎌倉、南北朝、室町、そして戦国の世へと続きます。この成田氏8代目五郎家時は、知勇に優れた立派な武将で、武蔵守に任じられました。家時は、神仏を尊び、領民を大切にしたため多くの人々に慕われました。このとき成田氏は大いに栄え、五郎家時は成田氏中興の祖としてたたえられました。1411年には龍淵寺を開き、県文化財でもある上之村神社、大雷神社を再興いたしました。五郎家時の墓は、成田氏代々墓として龍淵寺にあり、市の文化財となっております。その後も成田氏は、熊谷付近一体を支配していましたが、11代親泰の時に忍城主となり、12代長泰、13代氏長の3代にわたり忍城主として県北一体を支配するに至りました。そして1590年、関ヶ原の戦いの10年前になりますけれども、当主氏長のときに、小田原の北条氏にくみしてきた関係で、成田氏は豊臣秀吉方の石田三成を将とする軍勢に攻められました。そして、最後には開城の憂き目を見ております。これを題材にして話題となったのは「のぼうの城」です。これは映画化されて記憶に新しいと思いますけれども、この中に出てくる長親というのは、これは13代当主氏長のいとこに当たり、氏長は、その時に小田原城の守りについておりましたので、総大将として長親が忍城を守っておりました。のぼう様と言われたのは、でくのぼうから来ているそうですけれども、領民からは非常に信頼されて、そして映画のように最後まで抵抗しましたが、最後には開城になったという。野村萬斎氏が大分コミカルに演じられておりました。戦に敗れた成田氏はこの地を去り、熊谷地方の統治は終わりを告げました。11代親泰が忍城に移る以前まで成田氏が住んでいた堀ノ内の館は、今は跡形もなく、成田氏館跡として石標だけがひっそりと残っています。ちなみに、私の生まれた家は堀ノ内のほぼ中央で、家のすぐ北側に石標が建っております。子供の頃はよくそこで遊んだ記憶があります。 ここで要望ですが、これだけの歴史のある成田氏の館跡をぜひ再度発掘調査をしてほしいと考えています。 また、もう一人の登場人物、晴湖とは、女流南画家、書家として熊谷に大きな足跡を残した奥原晴湖のことです。古河藩士池田政明の四女として生まれ、谷文晁の門下の枚田水石に絵を学び、綿密な構図に力強い線を用いる東海書きと呼ばれる手法で名声を高め、山内容堂や木戸孝允ら政界の名手の支援も受け、女流画家としての地位を確立しました。その後東京を去り、明治24年から大正2年に没するまでの約20年間、旧古河藩領であります上川上に居を移し、数多くの作品を残しました。明治42年の成田村立成田尋常小学校の新校舎落成の際には、地元最高の名主として校名を揮毫し、その表札が市の文化財として今でも残っております。 なお、県文化財である晴湖の墓は、成田氏代々墓とともに龍淵寺にあります。成田小学校の校歌にちなんだ成田地区の歴史の一端でした。 ここで配付資料の裏面を御覧いただくと、金子兜太先生の俳句があります。これは、成田小学校が昭和49年に創立100周年を迎えた時に作成された記念誌の巻頭句として掲載されていたものです。「陽と風の野に百年の芽立ちの樹」。この巻頭句は金子兜太先生、そして装丁カットは大野百樹先生という、大変すばらしい記念誌があります。実は私も最近まで知らなくて、校長先生に見せていただいて、めくると金子先生の句が出ておりびっくりしました。この句はあまり知られておりません。成田地区の歴史を聞きながら、皆様も我が地区にもこんな歴史がある、すばらしい偉人がいるのだということはお感じになっていると思います。また、史跡や文化財などたくさんのものが本市には存在しております。そういった背景の中で、これから質問に入らせていただきます。 1番目として、観光振興の推進について。 2番目に、観光における近隣市町との連携について。 そして3番目に、熊谷市観光協会の事業について。 以上、大きく分けて3点について質問します。 埼玉県には秩父、長瀞、そして蔵のまち川越、この2つのエリアは、観光客が多く訪れる観光地として挙げられます。本市及びその周辺、いわゆる県北地区に目を向けてみますと、熊谷を中心とし、深谷市、本庄市の三偉人エリアに行田市を加えた歴史を彩る県北エリアとして連携を図り、秩父長瀞エリア、蔵のまち川越エリアに次ぐ3大観光エリアを目指してはどうでしょうか。まさに今はそのタイミングかと考えております。今回の一般質問で観光の振興を取り上げた一つの理由は、埼玉三偉人は、非常に大きな業績を残した全国的にも有名な方々です。 1人目が本庄市が誇る盲目の国学者、塙保己一です。古典文学作品等を系統立てて整理した「群書類従」の刊行で知られる人物です。三重苦で奇跡の人として知られるヘレン・ケラーが昭和12年にアメリカの親善大使として来日しました。東京の温古学会を訪ね、保己一の座像を触りながら、「私は幼い頃に、母から日本の塙保己一先生を手本にしなさいと教えられた」と語りました。この座像は温古学会が所蔵していますが、レプリカが塙保己一記念館にあります。ちなみに、東京の温古学会は、子爵渋沢栄一がその設立に中心的な役割を果たしたそうです。これは記念館で勉強しました。 2人目が、本市が誇る日本公許登録女性医師第1号、荻野吟子です。映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」も上映されました。この中で、女医を目指す吟子の苦難の道が描かれています。映画の中で描写はありませんでしたが、吟子と塙保己一の業績とも深い関わりがあります。「令義解」です。「令義解」とは古代に作られた律令、法律の解説書ですが、江戸時代には一部が散失して、完全な形にはそろわない状態になっていました。保己一は多くの文献資料を駆使して「令義解」を復元して刊行しました。この本の中には、医疾令という法律が載っていて、それに女医の規定が書かれていました。明治時代になって女医を目指した荻野吟子は、保己一の復元した「令義解」によって女医試験を受けることができたのですとあります。これも記念館で勉強しました。塙保己一と荻野吟子の時代を超えた関わりは非常に興味深いものがあります。ちなみに、深谷市では偉人の顕彰の中で女医第2号、生沢クノという方を顕彰しています。 ここでもう一つ、吟子と奥原晴湖の関係を紹介します。吟子は17歳の時、1868年、ちょうど明治維新の年になりますが、上川上村の名主、稲村家の長男稲村貫一郎氏に嫁いでいます。一方、奥原晴湖も戊辰戦争の年、1868年になりますが、難を逃れるため稲村家に仮住まいしていました。晴湖31歳の時です。その時に吟子と晴湖との接点があり、女流画家として男性に伍して活動する晴湖に大きな影響を受けたようです。 3人目は、近代日本経済の父、渋沢栄一です。来年の大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公に、また2024年には新一万円札の顔となります。現在脚光を浴びている人物です。深谷市では渋沢栄一記念館でアンドロイド渋沢栄一翁を展示しております。我々議員もこの前見に行って、大方の方は記憶にあると思いますけれども、その中で渋沢栄一の考え方であります道徳経済合一説を講演してくれます。終わった後に女性担当者が、「先生の好きな食べ物は何ですか」という質問をすると、「煮ぼうとうです」という回答で、終わってから「ほかの質問にも回答できるのですか」と聞いたら、「いや、それだけです」という話だったのですけれども。ちなみに、アンドロイドは製作費が4,000万円かかっているそうです。これは、コーヒーショップで有名な方が寄贈されたというふうにも聞いております。それと、渋沢栄一関連では、旧渋沢家の住宅である中の家です。それと、渋沢栄一のいとこであり論語の師匠、そして、富岡製糸場の初代場長である尾高惇忠です。そういった人の生家も公開されております。 それと、一番東のほうに行くと誠之堂・清風亭という渋沢栄一にゆかりのある洋風建築の建物も公開されております。ちなみに、深谷市では渋沢栄一と尾高惇忠と韮塚直次郎3人を深谷の三偉人として顕彰しています。 熊谷の三偉人といったら誰かなと考えたのですけれども、熊谷次郎直実と荻野吟子、3人目がちょっとなかなか決まらないのです。これは、もう皆さんもそうお考えだと思います。妻沼の方でしたら斎藤別当実盛かなとか、大里の方だったら根岸友山がいる、武香がいる。そして江南なら、教育者の小林倭子がいるとか、また、旧熊谷市内だと竹井澹如だとか、あるいは麦王の権田愛三とか、本当に枚挙にいとまがありません。それ以外にも絵画の世界など多くの人たちがいます。こういった歴史に対する認識が高まっている今、埼玉県においても県北にそろう三偉人を活用したイベント等を行いたいとの新聞記事を年明けに読んだ記憶があります。 観光振興を取り上げた2つ目の理由は、お隣行田市の埼玉古墳群が国宝に相当する県内初となる特別史跡に指定されました。埼玉古墳群は私は好きで、若い頃から行っているのですけれども、整備されているのが、円墳が1基と前方後円墳が8基あって、合計9基が整備されて、その後行った頃は狭い駐車場だったのですけれども、その後、鉄剣が発見されて、あれは115文字の刻まれている金錯銘鉄剣といって、今は国宝になっていますけれども、それも発見されてから駐車場が広がり、今はさらに大きな駐車場で、「めざせ世界遺産!」という看板も上がっています。そういった埼玉古墳群が特別史跡に選ばれたことは非常に大きいと思います。私は、そういったものも観光コースの一つになるという、それを確信したのは去年なのですけれども、青森県の青森市に三内丸山遺跡という縄文時代の遺跡を観光化している土地があります。私はごく普通のツアーに入って行ったのですけれども、1時間半ほどかけてそういった遺跡の見学をしました。そして、その後に太宰治の斜陽館に行ったりとか、そういう歴史的なものを最近は、通常に観光コースに組み込まれて、ごく一般の方がそれを見る時代かなと思います。そういった意味では、三内丸山遺跡も特別史跡なのですけれども、同じ埼玉古墳群も特別史跡ですから、そういう流れができれば面白いなと思っております。 あと、ちょっと後にも関連するので、前方後円墳は皆さん御存じのとおり、昔の鍵穴の型をした、前のほうが四角い形で、お尻のほうが丸くなっているという、それが前方後円墳です。ここにあと円墳が1基というのは、これは丸墓山といって、これは文字どおり円墳ですけれども、そこもたしか19メートルぐらいの高さがあって、非常に眺望のいいところです。以前は石田三成軍が本陣を構えたというような話もあります。そういった丸墓山をはじめとして、稲荷山古墳、将軍山古墳、二子山古墳と、そういったものが楽しめます。大体2時間から3時間かけていけば面白いコースです。そして、その中には先ほど申し上げた国宝である金錯銘鉄剣と、併せて出土した副葬品などが資料館のほう、これは県の施設ですけれども、名称はさきたま史跡の博物館です。ここにしっかりと展示してあります。ぜひ一度御覧になってください。行田市はほかにも、「足袋蔵のまち行田」が日本遺産に認定され、また、古代蓮の里、田んぼアートなどが非常に有名です。 そこで、大きい1番として、観光振興の推進について5項目の質問をします。 まず(1)、観光資源の開拓の在り方と取組状況についてです。観光資源の開拓の在り方に関する基本的な考え方、及び市内全体に点在する文化財のPRに関する取組状況について質問します。 次に、(2)、中心市街地の周遊コースの現況とPRについてです。ここではスポーツツーリズムの視点からも、中心市街地の周遊等は重要であるが、PRが不足しているように感じますが、どのように案内しているのか、どのような課題や問題点が挙げられるのか質問します。 続いて、(3)、熊谷寺の観光資源としての在り方についてです。熊谷次郎直実ゆかりの熊谷寺は、中心市街地周遊の要と考えます。一般開放を目指す場合の課題や問題点を踏まえての質問です。 続いて、(4)、妻沼聖天山周辺の環境整備についてです。本市最大の観光名所とも言える施設ですが、現状の整備状況と今後の計画等について質問します。 最後に、(5)、古墳・遺跡等の史跡の整備及び観光資源としての推進について質問します。 次に、大きい2番として、観光における近隣市町との連携について3項目の質問をします。 まず、(1)、埼玉三偉人の連携についてです。観光資源が十分と言えない近隣市町の連携は重要と考えます。特に県北3市に集まる三偉人の連携はその要と考えますが、どのように連携しているのか。また、今後の取組についてはどうか質問します。 次に、(2)、荻野吟子記念館の妻沼聖天山周辺への新設についてです。記念館は聖地に造るのは一般的と考えますが、設置場所が遠く、観光的な視点から見た場合に、例えば、坂田医院旧診療所の西側に新設し、展示内容を増やしたらどうか。新設した場合は、例えば、女性先覚者として、先ほども紹介しました奥原晴湖関連の展示や、埼玉三偉人、渋沢栄一、塙保己一のコーナーなども新設して、見どころとして効果を増す、そういう考え方もどうでしょうか。そういった趣旨より質問します。 最後に、(3)、上武絹の道取組状況についてです。興味深い企画ではあるが、あまり発信されていないような気がするため、その取組状況と今後の取組について確認します。 最後に、大きい3番として、熊谷市観光協会の事業について2項目の質問をします。 まず、(1)、主な周遊等のモデルコースについてです。民営化により重要度が増したと思われるので、その取組状況や新たな試み等について確認します。 次に、(2)、観光事業推進上の新しい試みについてです。観光事業の活性化に向けた新たな取組について確認します。 以上で壇上での質問を終わります。なお、再質問、要望等は質問席で行います。 ◎山崎実総合政策部長 小鮒議員さんの御質問の1、観光振興についてお答えいたします。 初めに、観光資源についてですが、国宝である妻沼聖天山の歓喜院聖天堂をはじめ、坂田医院旧診療所、聖パウロ教会、根岸家長屋門、平山家住宅などの文化財は、本市の貴重な観光資源であると考えています。 また、ほかにも観光資源としての可能性がある文化財が市内全域に点在しており、観光・文化財アプリ「くまここ」や熊谷市観光協会のホームページでは、文化財を巡る観光コースを紹介し、観光資源としての文化財の魅力についてPRを行っています。今後、文化財を新たな観光資源として活用するためには、関係機関等と情報を共有し、掘り起こしと磨き上げの研究を行う必要があると考えています。 次に、中心市街地の周遊コースについてですが、中心市街地での観光コースの例としましては、熊谷駅を起点に、星川シンボルロードを経由し、星渓園や片倉シルク記念館などを巡るコースがあり、周辺には熊谷ならではのグルメを楽しめる店舗もあります。本年4月からは、観光イベントに加え、スポーツ大会等の誘致による交流人口の増加と地域経済の活性化を図るため、熊谷スポーツコミッションが本格稼働しました。スポーツ大会やイベント等の来訪者に中心市街地を周遊していただくことは重要であると認識していることから、引き続き魅力あるコースづくりの研究とホームページへの掲載やスポーツ大会開催時に案内を配布するなど、効果的なPRに努めてまいります。 次に、熊谷寺についてですが、熊谷寺は、熊谷次郎直実公が出家し、蓮生と号した後、寺院として中興されたもので、郷土の偉人である直実公、蓮生法師にゆかりの由緒ある寺院です。市街地周遊の向上において熊谷寺の存在は大変魅力的ではありますが、修業を行う厳粛な場として、御住職をはじめ、檀家の方々が大切にされておられることから、観光を目的とした開門等をお願いすることは控えているところでございます。 続きまして、上武絹の道についてですが、世界遺産である富岡製糸場と絹産業遺産群を観光資源とした広域連携による観光振興を図るため、埼玉県、群馬県にまたがる6市1町により上武絹の道運営協議会を組織し、富岡市を事務局として各種事業を実施しています。これまでの取組としては、ホームページによる情報発信をはじめ、地域のグルメや観光施設情報掲載の周遊パンフレットの作成、配布、絹産業遺産に関するツアーの企画など、上武絹の道ブランドの周知と誘客に向けたPRを行いました。国の地方創生推進交付金の終了に伴い、本年度は事業規模を縮小していますが、引き続き広域連携というスケールメリットを生かして、ブランドの認知度向上に向けて、ホームページやウェブ広告によるPR活動等を行ってまいります。 続きまして、熊谷市観光協会の事業についてですが、初めに主な周遊等のモデルコースについて、観光協会では、熊谷の桜の名所を散策するコースなど、テーマごとのモデルコースをホームページで紹介しています。また、昨年開催されたラグビーワールドカップ2019の際には、ラグビーロード周辺のお勧めスポットを紹介するコンテンツを作成するなど、新たな周遊エリアの構築による市内の周遊促進に向けた取組を行ってまいりました。このほか、市内周遊のモデルツアーの企画書を作成し、観光関連事業者等との商談会において旅行商品化に向けた提案を行うなど、民間のノウハウと自由度を生かした取組も行っているところです。 次に、新しい試みについてですが、観光に対するニーズは、従来の見るだけの観光から、地域を楽しむ観光、地域の人々と触れ合う観光、地域固有の生活や産業を体験する観光へと多様化しており、観光客のニーズに合わせた取組が必要となっています。観光協会では、極上の日常を旅するギフトとして、市内の身近な体験を商品化した体験型ギフトの事業化を目指し、今年度に関係団体や市民ライター等とワークショップによる意見交換の場を設けながら、メニュー開発等の検討を進める予定となっております。 以上でございます。 ◎荻野秀夫都市整備部長 続きまして、妻沼聖天山周辺の環境整備についてお答えいたします。 聖天山周辺地区につきましては、平成25年度に策定した「聖天山周辺地区にふさわしい門前町、景観まちづくりプラン」に基づき、地域の皆さんの協力を頂きながら、楽しく快適に歩ける門前町としての空間づくりを進めています。まちを快適に回遊するためには、利用しやすいトイレや歩きやすい歩行空間が必要であることから、30年度に障害者や高齢者等にも優しい聖天山歴史探訪トイレなどを整備しました。周辺道路では、県道羽生妻沼線について県による歩行空間の整備に併せ、市も地元と調整を行い、電柱の移設や着色化を進めるなど、景観に配慮した歩きやすい空間を確保しました。また、妻沼聖天山と歓喜院本坊を結ぶ市道妻沼1135号線についても、当地区のシンボルロードとなるよう、令和元年度に舗装面を石畳風に仕上げるなど、歴史情緒を感じられるまちづくりを進めています。今後につきましては、県道太田熊谷線の妻沼小学校から坂田医院旧診療所までの約1キロメートルの区間において、県によるバリアフリー化を含む歩道再整備が計画されていますが、市としても、電柱等を町並みと調和するものとなるよう、地元や関係機関等と調整するなど、良好な景観形成や快適に歩ける空間づくりに取り組んでまいります。 以上です。 ◎田島斉教育次長 続きまして、古墳、遺跡等についてお答えをいたします。 市内には、国史跡の幡羅官衙遺跡群、宮塚古墳をはじめ、県史跡の甲山古墳、とうかん山古墳、塩古墳群、市史跡の横塚山古墳、大塚古墳などがあります。幡羅官衙遺跡群については、現在、深谷市と協働し、保存活用計画を今年度末策定に向けて検討、作成中です。この計画には、散策ルートの作成、遺構の展示・表示、案内・解説板の設置、地元保存・啓発団体の育成などについて盛り込む予定です。宮塚古墳については未調査であり、整備の予定は現在ありませんが、毎年地元の広西子ども会による史跡啓発のボランティア清掃が行われています。また、甲山古墳を含む冑山地域の文化遺産は、冑山地域文化遺産保存会による史跡啓発が行われています。今後も引き続き地元啓発団体の支援とともに、文化遺産である史跡を魅力ある観光資源として活用し、地域振興、観光振興に寄与してまいりたいと考えています。 続きまして、埼玉三偉人については、深谷市、本庄市と連携し、3市のホームページに埼玉ゆかりの三偉人のページの掲載や、三偉人の記念館を巡るルートの設定及びパンフレットの作成によりPRを行っています。今後は、三偉人のさらなる知名度アップや北部地域への誘客を考えた事業の実施について、関係自治体をはじめ県とも連携を図り取り組んでまいります。 次に、荻野吟子記念館の聖天山周辺への新設についてですが、本市の博物館的施設については、将来的な再編の方向性等を定めた個別施設計画の中で、2035年度から2044年度に妻沼展示館を(仮称)歴史・民俗館として改修し、荻野吟子記念館を機能移転することとしています。これにより妻沼聖天山や坂田医院旧診療所などと併せて活用することで、地域振興や観光振興に寄与できるものと考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 14番、小鮒賢二です。それぞれの質問に御答弁を頂き、ありがとうございました。それでは、テーマに沿って順次再質問、要望等を申し述べます。 初めに、大きい1番、観光振興の推進について再質問を10点行います。 1点目は、市内全域に点在している文化財の中で、特に観光資源として可能性がある文化財を3点挙げてください。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 埼玉三偉人の一人である渋沢栄一や絹産業にゆかりのある市指定文化財の愛染堂・愛染明王や、日本最大級の木彫りの大仏で知られる源宗寺平戸の大仏、希少性、文化的価値の高い国指定文化財である宮塚古墳は、観光資源としての可能性を有していると考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 源宗寺平戸の大仏と言われていますけれども、薬師如来と観世音菩薩の2体ですが、4メートルほどの高さがあって、非常に圧巻です。早くお堂の修復を終えて一般公開されるのを楽しみにしております。 それでは、再質問の2点目は、関係機関等との情報を共有しとありますが、関係機関等とはどのような機関を指すのか。また、どのような情報を共有するのか質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 文化財や観光に関して幅広い知識を有する埼玉県観光課や北部地域振興センター、埼玉県物産観光協会、熊谷市観光協会、熊谷商工会議所、くまがや市商工会、地域のボランティアガイド等との情報共有に努めてまいります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 分かりました。 3点目は、中心市街地の観光コース拠点は、星川シンボルロード、星渓園、片倉シルク記念館のほかにどんな拠点が挙げられるか。また、熊谷ならではのグルメを楽しめる店舗には、どんなジャンルの店があるのか質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 高城神社や千形神社等の歴史文化施設、熊谷桜の見どころとして知られる石上寺、宮沢賢治の歌碑、北村西望氏製作の「戦災者慰霊の女神」をはじめとした星川の彫刻等が挙げられます。また、熊谷ならではのグルメとしては、熊谷うどん、フライ、ホルモン、雪くま等を取り扱う店舗があります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 グルメに関しては、民間活力があってさらなる充実が望まれるところです。やはりそれには周辺に人が集まる仕掛けが重要かと思います。 4点目は、熊谷寺に対して過去に開門等に関するお願いを申し出たことはあるのか。あるとすればいつ頃に行ったのか。また、その時の返答についてお尋ねします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えいたします。 平成16年頃、開門に関するお願いに伺っています。商店街連合会等の御協力を頂き、国体開催期間中の3日間に限り、特別に一般参拝と住職講話について受け入れていただきました。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 今も市民から熊谷寺の開門を望む声が多く聞かれますので、よろしくお願いします。 5点目は、熊谷寺に対しては、観光等を目的とした開門等のお願いは控えているとあるが、曜日と時間を限定して、お参りをしていただくという考え方に立った開門のお願いはできないか質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 熊谷寺におかれましては、直実公、蓮生法師ゆかりの寺院としての側面から、本市の歴史文化的事業に多大な御協力をいただいております。本市としても、歴史的価値がある貴重な寺院であると認識しており、蓮生法師について伝承していくという歴史、文化的側面からも、限定参拝等の可能性について研究したいと考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 限定的とはいえ、開門が実現すれば周遊案内の幅が大きく広がります。案内の中に熊谷寺も入れられます。市民はもとより、来訪された方々への市内周遊案内が可能となります。しっかり研究してください。期待しております。 6点目は、古墳、遺跡等についての質問です。宮塚古墳は未調査であり、整備の予定はありませんとありますが、同古墳は国史跡であり、墳墓の形態も上円下方墳と言われており、全国的にも珍しい古墳になります。また、宮塚という名称も興味深く、将来的には発掘調査を行う可能性があるのか質問します。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 宮塚古墳の発掘については、現状変更の国の許可や土地所有者の承諾が条件であり、これらも含め慎重に検討する必要がありますので、現在のところ調査の予定はありません。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 幡羅官衙遺跡群が指定を受けるまでは本市唯一の国史跡ですから、慎重に検討してほしいと思います。場所的にもさくら運動公園の南側で、広瀬地区に存在しております。上円下方墳というのは、方墳、四角い墳墓の上に円墳が載っているような状態で、非常に珍しい形態です。天皇陵などもそういったものが見受けられることから何か発掘の価値があるのではないかなということで質問いたしました。 7点目は、地元啓発団体の支援の内容について、また、資金的支援の場合は、その金額を教えてください。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 地元啓発団体へは、活動に対する専門的な知識の指導や補助制度の助言のほか、事業実施の際には人的協力などを適宜行っています。資金的支援については、例えば、広西子ども会へは1万5,000円の謝金を、冑山地域文化遺産保存会へは毎年5万円の補助金を交付しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 史跡文化財等の保存は、地元の理解と協力なしには達成できませんので、引き続き各種支援をよろしくお願いします。 8点目は、文化遺産である史跡を魅力ある観光資源として活用し、地域振興、観光振興に寄与していきたいとあるが、具体的な整備計画はあるのか質問します。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 現在策定作業中の国史跡幡羅官衙遺跡群の保存活用計画が地域振興、観光振興へ寄与するものと考えられます。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 幡羅官衙遺跡群とは、深谷市東方にある幡羅官衙遺跡と本市西別府祭祀遺跡が古代幡羅郡家役所跡として国史跡の指定を受け、附属する西別府廃寺、西別府遺跡で構成されています。当該遺跡群が整備され、隣接する別府沼公園周辺と一体化すれば、すばらしい散策エリアになると思います。 続いて、9点目は、遺跡発掘調査による出土品について、遺跡の発掘調査が多くの遺跡で実施されていますが、主な出土品や遺構等の成果物について教えてください。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 出土品については、上中条出土の国重要文化財短甲武人埴輪、馬形埴輪、全国的に著名な埴輪である野原古墳出土の踊る人々、上之・前中西遺跡出土の青銅製の武器を模倣した弥生時代の石戈、西城・鵜ノ森遺跡出土の奈良平安時代の秩父ヒスイ製の帯金具などがあります。遺構については、前中西遺跡で発見された関東有数の弥生時代の大規模集落跡や、幡羅官衙遺跡群の古代役所跡、祭祀場跡、寺院跡などがあります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 馬形埴輪がデザインされた60円切手を子供の頃に使った記憶があります。上之周辺地域は特に遺跡発掘が多いので、遺跡の発掘調査、保存は重要です。新たな出土品を楽しみにしています。 10点目は、各地区における地域の偉人の顕彰や文化財等に関する取組事例について、数多くの偉人や文化財の存する本市において、各地域による顕彰や保存活動は重要なので、その取組事例があれば教えてください。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 村岡地域文化遺産保存会が毎年、地域の文化財を巡るスタンプラリーや地域の文化財の調査研究をしています。また、成田氏史跡保存会では、成田氏館跡の清掃活動、成田氏関連の文化遺産の啓発活動や学習会を行っています。そのほかにも、地元の中学生と協働して遺跡の清掃活動をしている荻野吟子史跡保存会などがあります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 各地区の活動の一端が分かりました。成田地区では冒頭に申し上げた成田氏及び奥原晴湖に関する啓発活動に注力しております。上川上地区では晴湖の道保存会が、昨年のラグビーワールドカップ2019の開催に合わせて熊谷スポーツ文化公園周辺の史跡等を散策コースにするパンフレットを作成しました。英語版も作りました。そういった形で、その地域の顕彰あるいは推進を進めているところでございます。史跡を巡るだけではちょっと寂しいところもありますので、途中で休憩できるカフェなども散りばめたパンフレットでございます。コロナ禍の関係でなかなかスタンプラリーとかもできないのですけれども、そういったことも順次できればいいなと考えております。 ここでは大きい1番、観光振興の推進についてに関する意見、要望を申し述べます。本市に来訪された方が熊谷駅に降り立ったときに最初に目に入るのがラグビーボール、そして、熊谷次郎直実の銅像ではないでしょうか。直実は歌舞伎や浄瑠璃などで全国的に知られており、熊谷を代表する偉人と言えます。各地にゆかりの寺なども多くあります。せっかく熊谷に来たのだから、ぜひ直実ゆかりの場所を訪れてみたいと考える来訪者は多いと考えます。市民も同様です。しかし、残念ながらゆかりの寺、熊谷寺が開放されていない関係から、なかなか周辺への周遊の足も遠のいてしまうのが現状ではないでしょうか。例えば、スポーツイベント等で来訪し、翌日半日ほど熊谷の名所を巡ってから帰りたいと考える方は多いはずです。 そこで、一押しコースとなり得るのが、まず熊谷寺を中心に考えて、店内に旧中山道が通る八木橋百貨店で買物をしていただき、そして、八木橋百貨店の前には、若き日の宮沢賢治が熊谷に宿泊した時に詠んだ歌碑があります。 そして、次は片倉シルク記念館です。これは明治から大正にかけて日本の主要な輸出品である生糸、富岡製糸場も操業してきた片倉工業の熊谷工場の建物の一部であり、蔵造り倉庫と蜂の巣倉庫の2棟が残され、片倉シルク記念館として無料開放されています。平成19年には経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。なかなか興味深い施設です。 そして星渓園、熊谷宿本陣の当主であった竹井澹如の別邸であり、回遊式庭園と言われ、池の周りや島を歩いて鑑賞する庭園です。現存するのは星渓寮、松風庵、積翠閣の3つで、平成2年から平成4年までに復元されたものですが、なかなかすばらしい建築です。当時かなりの金額を費やしたことが推測されます。今も茶会等に利用されていますが、熊谷市の迎賓館的な使い方や星渓園にふさわしい定期的な展示を行い、市民に開放するなどすれば、さらに有効活用ができると考えます。また、最近、歌人で人形作家の人間国宝鹿児島寿蔵氏の歌碑が建立されております。先日行って気がつきました。ただ、熊谷草がないのがちょっと残念です。いずれにしましても、星渓園は周遊コースの中では重要なポイントになるはずです。 続けて石上寺ですが、熊谷桜とともに東京大森貝塚を発見したことで有名な動物学者のモース博士の像があり、埼玉県発の外国人科学者講演の地として顕彰しており、見どころの一つになっていると思います。 その後は星川を抜けて、星川シンボルロードへと歩を進めます。そこには憩いの広場に北村西望作の「戦災者慰霊の女神」から、一番東にある星川広場の圓鍔勝三先生の「花園の歌」まで、有名彫刻家の5作品が鑑賞できます。そこにちょっと寂しいので、例えば、ハンギングフラワーとかそういったものを散りばめても面白いなと思います。それと、以前に一般質問でも言ったことがありますけれども、足湯でも造ってくつろいでもらったらどうか。それも私は面白いと思っています。 妻沼聖天堂周辺についての話に移ります。国宝歓喜院聖天堂、国指定重要文化財の貴惣門などを中心とした、いわゆる聖天様全体としての整備はされていますが、国登録有形文化財の坂田医院旧診療所はもっと活用できないか。例えば、熊谷フィルムコミッションとして展示等の活用ができないか。やはり荻野吟子記念館の新設が鍵になると思います。 次に、大きい2番、観光における近隣市町との連携については2点再質問をいたします。 1点目は、荻野吟子記念館の聖天様周辺への新設についての関連質問です。坂田医院旧診療所と井田友平氏の建物間の土地はどこの所有なのか。また、空間・土地の活用の計画があるのかお尋ねします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 当該地は熊谷市が所有しています。現在、妻沼地域の観光駐車場として活用しており、それ以外の用途に活用する計画はありません。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 一連の土地として観光駐車場として活用していることは知っています。坂田医院旧診療所と井田友平氏の住宅ともに限定的な開放であり、駐車場としては相当余裕があるのではないかと感じます。 また、質問1の(4)、妻沼聖天山周辺の環境整備についての御答弁の中に、今後につきましては県道太田熊谷線の妻沼小学校から坂田医院旧診療所までの約1キロメートルの区間において、県におけるバリアフリー化を含め、歩道再生整備が計画されていますが、市としても電柱等を町並みと調和するなど、良好な景観形成や快適に歩ける空間づくりに取り組んでまいりますとありました。この計画の実現により、当該観光駐車場の利用価値はさらに上がるものと考えます。ぜひ荻野吟子記念館の充実、移転を含めた妻沼聖天山地区の発展に寄与する有効活用を希望いたします。 2点目は、荻野吟子記念館の早期移転が望めない状況の中、道の駅めぬまの2階にあるにっぽん女性第1号資料ギャラリーのリニューアルを図ることができないか質問します。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 道の駅めぬまは年間約50万人を集客し、中心施設めぬぱるの2階には、にっぽん女性第1号資料ギャラリーとして、荻野吟子をはじめ各界の第1号として輝く女性たち30人の歩みをパネル展示しています。ギャラリーのリニューアルは考えていませんが、困難に対峙し活躍した物語を通して女性を応援する大切な情報発信であり、市ホームページで周知を図っていきます。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 50万人というのは非常にすごい数ですね。以前に平成29年度の総合スポーツ文化公園の施設利用者を聞いたときに101万人という答弁がありましたので、およそ半分です。非常に多くの人が集まります。 あと、今の女性ギャラリーの話で思いついたのですけれども、以前から深谷市では渋沢栄一が一万円札の顔になるように進めていました。熊谷市もどうでしょう。五千円札は新渡戸稲造から樋口一葉。次の津田梅子は女子教育のパイオニアで、津田塾大学をつくった方ですけれども、そういう流れになっていますから、次はぜひ女性医師第1号、荻野吟子を五千円札の肖像にという運動をして、深谷市は十万円札を作ってPRしましたから、熊谷市は五万円札を作ってPRしたらいいのではないかと思います。なおかつ、千円札に塙保己一がなれば、そうすれば県北三偉人が、1万円、5,000円、1,000円になります。夢の話かと思いますが、こういう夢も必要ではないかと思います。 ここでは大きい2番、観光における近隣市町の連携についてに関する意見、要望を申し述べます。三偉人の連携は、少しずつではありますが、進んでいるように感じます。塙保己一記念館では「令義解」による吟子とのつながり、また、渋沢栄一が「群書類従」の版木の保存に尽力したことなどが紹介されています。また、荻野吟子記念館を訪れたときに、埼玉ゆかりの三偉人をつなぐマップ&情報というパンフレットを頂きました。今回の大きなテーマの一つである荻野吟子記念館の聖天様周辺の移設は、埼玉三偉人の連携の強化も視野に入れての質問でした。これからもさらに連携を深めていただきたいと思います。 また、行田市との連携も大切と考えます。埼玉古墳群のお話を申し上げましたが、忍城の歴史の中では、成田氏のこともしっかりと取り上げていただいております。成田氏と忍城のつながりを大切にし、隣接した市同士ですので、緊密な連携が取れればすばらしいと感じます。 最後に、大きい3番、熊谷市観光協会の事業についてに関する再質問を3点行います。 1点目は、市内周遊のモデルツアーの企画書とあるが、どこと協議して作成するのか。また、どのような企画を目指しているのか質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 熊谷市観光協会が旅行関連事業者から最新ニーズ等の情報収集を行った上で、ツアーにおける立ち寄り施設等と協議、調整し、作成しています。既存の観光名所やイベントに加え、新スポットや体験型プログラムを取り入れた熊谷ならではの企画となることを目指しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 期待しております。 2点目は、観光関連事業者等との商談会において、これまでに旅行商品化に向けた提案をしたことがあるのか質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 群馬デスティネーションキャンペーンや県が毎年主催するSAITAMAトラベルマートでの観光商談会に参加し、事業者に向けて企画の提案を行いました。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 これについては、商談会での成果や感想等をお聞きしたいところですが、時間の関係があるので、後日伺います。 再質問3点目は、体験型ギフト、これから具体化を目指すところと考えるが、イメージがあれば教えてください。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 熊谷染体験等、熊谷ならではの体験をギフト化し、熊谷市観光協会のホームページ上で体験型ギフトカタログとして販売するものです。体験ギフト利用者等の意見を商品改良に反映させる仕組みを取り入れて、本市の魅力の再発見と情報発信につなげていきたいと考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 いい試みなので、磨きをかけていただきたいと思います。 ここで、大きい3番、熊谷市観光協会の事業についてに関する意見、要望を申し述べます。例えば、江南地区を例に取ると、樋春にある国文化財の平山家住宅、国史跡の塩古墳群、大沼公園などがあります。私は、ちょうど春のバラのいい季節にそっち方面へ行きました。主な目的は、バラ園です、ここは家内がインスタグラムで見つけて行ってみたのですが、すばらしいです。個人のオープンガーデンですけれども、かなり遠方からもお客さんが来ているようです。そういった方々にも周辺を回ってもらえるような小さい周遊プランも重要なのだと思います。例えば、今言ったバラ園の近くの塩古墳群もなかなかすばらしいです。塩古墳群ではウグイスも鳴いています。そして、大沼公園。そして平山家住宅、これもなかなか立派な農家住宅で、さすがに名主を務めた家柄だなと感じます。私は古墳が好きなので、ついつい触れてしまいますけれども、塩古墳群も非常に大きな、前方後方墳が2基、後方墳が26基、円墳8基あると案内板には書いてありました。じっくりこの前見てきました。そういった周辺を散策してもらうとか、先ほども触れましたが、熊谷スポーツ文化公園の周辺で史跡をたどりながら歩くとか、その地域地域でいろんな周遊コースをつくるのはこれからは重要ではないかと思っております。 最後に、今日申し上げてきたのは、中心市街地周遊コース等の整備、妻沼聖天山周辺整備の活用、三偉人の顕彰と観光への活用、近隣市町との連携、以上のようなことを申し述べてまいりました。 以上をもちまして9月議会における私の一般質問は終わります。御清聴ありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で14番小鮒賢二議員の一般質問は終了いたしました。 暫時休憩いたします。              午後 零時16分  休 憩                                                          午後 1時15分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開いたします。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 次に、17番林幸子議員の一般質問を許可いたします。              〔17番林 幸子議員登壇〕 ◆林幸子議員 皆さん、こんにちは。議席番号17番、林幸子です。三浦議長より発言の許可をいただきましたので、通告の順に従い、今回は大きく2点について一般質問をいたします。 まず初めに、大きい1番、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用についてです。国の第二次補正予算で確保された地方創生臨時交付金の2兆円、今この活用について大きな動きが始まっています。 さて、この臨時交付金、第一次補正では、新型コロナウイルス感染症への対応として、1、感染拡大の防止、2、雇用の維持と事業の継続、3、経済活動の回復、4、強靱な経済構造の構築などが目的として挙げられ、さらに二次補正では新しい様式等への対応も加わりました。原則として使途に制限はなく、一次、二次合わせて3兆円分の予算が確保され、それぞれの自治体が自由に使うことができるという内容になっています。このうち一次補正分1兆円に盛り込まれた自治体独自の事業に充てる約7,000億円が7月22日までに全自治体に配分されました。これを活用し、全国で2万3,595事業が展開されています。内閣府は、自治体が有効活用できるよう重点政策として20の分野を地域未来構想20として例示し、感染症や経済危機に強い地域づくりに向けて情報を提供しています。さらに、民間の専門家や府省庁の専門家とコラボして計画づくりや事業を行うため、地域未来構想20オープンラボを設置し、かつてない取組を進めようとしています。このオープンラボは、自治体がまずそれぞれ関心のある分野に登録し、それに対して提供可能な技術、ノウハウ等を持つ民間がパートナーとなり特定の分野の事業を進めるというもので、マッチングの機会を増やすという場所です。確かなエリア戦略と相乗効果、そして成長戦略、これがポイントとなっています。コロナ禍だからこそできる事業、さらに言えば、今後のまち・ひと・しごと創生の地方版の総合戦略を進める上でも大事なコラボだと示しています。二次補正分の臨時交付金は現在、自治体からの事業計画の提出を受け付けていますが、これからの市民の暮らしを守るために知恵と工夫を凝らし、この地方創生臨時交付金を有効活用していかなくてはなりません。そこで、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用について質問をいたします。 質問(1)として、熊谷市への一次補正、二次補正の交付限度額と事業計画についてそれぞれお聞きします。 質問(2)として、臨時交付金を活用した熊谷市の目玉政策は何かお聞きします。 質問(3)として、熊谷市は、地域未来構想20オープンラボを意識しているか。 以上3点についてお願いします。 次に、大きい2番、良質な市営住宅ストックについてです。市営住宅とは、公営住宅法という法律に基づき建設した賃貸住宅です。公営住宅法第1条では、国と地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするものと定義されています。その定義は、新しい公営住宅制度の創設により流動的になりつつあります。歴史を振り返りますと、太平洋戦争が終結した戦後、昭和20年代初頭は、日本国内の住宅が不足する状況にありました。昭和25年に住宅金融公庫法、昭和26年に公営住宅法、昭和30年に日本住宅公団法が制定され、法を整備することにより住宅不足解消の一翼を担いました。また、地方住宅供給公社の前身となる団体が設立されたのもその頃です。公営住宅、公団住宅、公社住宅と共同住宅が数多く建設されたことで、複数の住棟が建ち並ぶ団地が形成されていきます。これが団地の始まりです。当時の日本家屋では一般的であった寝食一体の部屋構成から、現代では一般的間取りとなったダイニングキッチンと寝室等により構成される食寝分離型の設計による住宅が建設され、近代的な生活スタイルは、当時憧れの的となり、夢の団地生活となりました。その後、昭和30年代から昭和40年代に高度経済成長期に合わせて団地の建設が盛んに行われました。郊外には学校や商業施設などが併設されたニュータウンが建設され、多くの方がニュータウン生活を送りました。団地には20代から40代までの子育て世代が多く入居していたこともあり、子供たちが公園に集まり遊べるすばらしい環境だったようです。併せてベビーブームも到来し、数多くの子育て世代が団地生活を送ってきましたが、団地も経過年数により老朽化が目立つようになりました。昭和50年以降は、出生数減少に伴い、数多く見られた子供たちも少なくなり、子供たちが独立して団地から転出し、小学校が廃校となり、店舗が閉鎖になるなど、利便性が損なわれるケースも出てきました。そして、高齢化率の高い団地も見受けられるようになり、空き室も増え始めました。このように公営住宅を取り巻く環境は、時代とともに大きく変容し、その役割を果たしてきました。急速な高齢化など、大きく変化する経済社会情勢に対応するため、公営住宅法は改正を重ね、入居者資格の設定、入居者の収入と住宅の立地条件規模等に応じた家賃制度、また、直接建設方式に加え、民間事業者が保有する住宅の借上げ、または買取り方式などが導入されるようになりました。公営住宅の問題は、近年の厳しい財政事情の中で今や全国的な社会問題となっており、熊谷市も例外ではなく、今後の住宅政策の在り方について議論していかなくてはなりません。市内にも県営住宅も含めた公営住宅が複数存在していますが、そこで熊谷市の現状について何点か質問をいたします。 質問(1)として、市営住宅の概要について。管理戸数と耐用年限及び耐用年限の2分の1超過状況。空き室の数。また、原因と改善策についてお聞きいたします。 質問(2)として、今年度策定中の第2期熊谷市営住宅等長寿命化計画について。進捗状況と具体的な検討内容、第1期計画との違いについてお聞きします。 質問(3)として、公営住宅の規模や住みやすい住宅の在り方について、本市の考えをお聞きします。 質問(4)として、平成8年の公営住宅法改正後、供給方式として借上型公営住宅も選択肢の一つとなりました。この制度は、民間事業者が建設した住宅を市が一定期間借り上げ、市営住宅として入居者へ転貸するというものです。そこで、この制度のメリット、デメリットは何か。また、県内の状況についてお聞きします。 以上、壇上での質問は終了いたします。なお、再質問等につきましては質問席で行いますので、よろしくお願いいたします。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 林議員さんから2点御質問をいただいておりますが、私から新型コロナウイルス感染症に係る地方創生臨時交付金について総括的にお答えをいたします。 この交付金は、本年4月7日、国において新型コロナウイルス感染症緊急経済対策が閣議決定され、感染拡大の影響を受けている地域経済や住民生活を支援し、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細かに必要な事業を実施できるよう総額1兆円規模で創設され、その後6月12日に総額2兆円の追加補正予算が成立したものでございます。 こうした中、本市では特に大きな打撃を受けている事業者等にいち早く対応するため、4月下旬に専決処分により小規模事業者緊急支援事業や子育て支援臨時給付金給付事業などを実施いたしました。さらに、その後、6月定例会及び今定例会におきましても関連予算の補正をお願いいたしております。これらの予算に基づく施策の中でも、現在販売中の地域応援プレミアム付商品券につきましては、プレミアム率30%で、本市がこれまで実施した商品券発行事業の中でも過去最高となっております。この事業は、市内での消費喚起はもとより、感染症拡大防止に配慮し、新しい生活様式に対応した販売方法を取り入れた主要な事業と考えております。 また、学校給食費無償化事業につきましては、10月から来年3月まで、全ての小・中学校児童・生徒の給食費を無償とするもので、子育て世代の経済的負担の軽減に有効な施策と考えております。新型コロナウイルス感染症の収束にはまだまだ時間を要するものと思われますので、今後も財政調整基金等の活用も視野に入れながら、適時、適切な施策を実施し、市民、事業者と力を合わせ、この危機を乗り越えるための取組を推進してまいります。 以上です。 ◎山崎実総合政策部長 続きまして、地方創生臨時交付金の活用について順次お答えいたします。 第一次の交付決定額は4億3,387万9,000円で、これを活用した事業は、4月の専決処分による子育て支援臨時給付金給付事業、小規模事業者緊急支援事業及び暮らしと仕事の情報提供事業です。また、第二次の交付限度額は13億301万9,000円で、主な活用事業は、6月の補正予算に計上したプレミアム付商品券発行事業、今定例会に上程しております地域公共交通支援事業、テレワーク環境整備事業、学校給食費無償化事業、小中学校GIGAスクール構想事業等となります。 次に、地域未来構想20オープンラボについてですが、この仕組みは、関係省庁と連携し、専門家が持つ技術やノウハウを利用できる機会と考えられる一方、今年度内に事業完了が見込まれるものを対象とする臨時交付金の性質や申請スケジュール等の関係から、本市では登録を行っておりません。 以上でございます。 ◎増田啓良建設部長 続きまして、御質問の2、市営住宅についてお答えいたします。 初めに、市営住宅の概要についてですが、管理戸数は令和2年9月1日現在、6団地44棟786戸です。 次に、耐用年限及び耐用年限の2分の1超過状況ですが、準耐火構造を除いた住宅の耐用年限は70年で、耐用年限の2分の1を超過した住宅は32棟、713戸のうち22棟483戸で、約68%の割合となっております。 次に、空き室の数、原因と改善策ですが、準耐火構造の政策空き家を除き、空き室は165戸で、22%の割合となっており、その原因の一つとして、入居者負担で風呂設備を設置する必要があるため費用負担が大きいことが挙げられます。この改善策として、今年度から風呂設備を市で設置したところ、6月の定期募集では応募が昨年度を大きく上回りました。また、その他の原因として、現在、エレベーターが設置されている住宅が2棟だけであるため、高齢者の方々から敬遠される状況となっておりますが、建物の構造や設置費等を勘案すると対応は難しいものと考えております。 次に、第2期熊谷市営住宅等長寿命化計画策定についてですが、専門業者に計画策定の業務委託をしており、8月上旬までに劣化状況等の現地調査を終え、現在、策定指針11項目中、計画期間や長寿命化に関する基本方針など4項目の整理が完了いたしました。 次に、検討内容ですが、今までの市営住宅の修繕等の状況から、今後の外壁改修や屋上防水、給排水ガス設備等の修繕や建物更新時期を検討し、長寿命化のための事業実施計画を作成いたします。 次に、第1期計画との違いですが、平成28年に国の公営住宅等長寿命化計画策定指針が改定され、次の3点の変更が行われました。1点目として、維持管理のデータベース化、2点目として、30年間程度の中長期の事業費の試算を行うこと、3点目として、ライフサイクルコストの算定方法が改定され、より正確な算定が可能となりました。 次に、公営住宅の規模や住みやすい住宅の在り方についての考えですが、規模については、県営住宅を含め、将来の人口減少を見据えつつ、熊谷市公共施設アセットマネジメント基本方針に準じて削減していく方向になります。また、住みやすい住宅の在り方ですが、和式トイレの洋式化やエレベーターの設置等、高齢者や障害者の方々にも対応した住宅設備が整うなど、時代の生活様式に合ったものであると考えております。 次に、借上型市営住宅制度ですが、メリットは、建設費等の多額な初期投資費用がないことや、需要に応じた供給量等の調整が可能となることなどが挙げられます。また、デメリットは、長期的に考えた場合、借上費用と家賃収入との差額を補填する必要があるため、現行の市営団地の運営に比べ財政負担が過大となることや、借り上げ期間満了後の入居者への対応が難しいことなどが挙げられます。 次に、県内の状況ですが、公営住宅の需要が多い南部地域に集中しており、1棟全てを借り上げる方式では、埼玉県が44棟、所沢市が3棟、さいたま市が2棟、春日部市、越谷市、桶川市がそれぞれ1棟となっております。 以上でございます。 ◆林幸子議員 17番、林幸子です。それぞれに答弁を頂きましたので、順次再質問をいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用についてですが、交付限度額は、一次、二次合計で17億3,689万8,000円との答弁でした。これまでの4月の専決から6月補正、そして今回の9月補正の内容を見ましても、交付限度額を超えた予算が組まれていることが分かります。事業内容についても、いろいろな分野で活用しているということは分かりました。私は、前回の6月定例会でも新型コロナウイルス感染症対策について質問をしましたが、予算執行について、市民生活支援策を検討する上で臨機応変に対応すべきと要望をいたしました。その時の市長答弁の中に、実施のめどが立たない事業の組替えをする、財政調整基金の取崩しも視野に入れるとあり、また今回も市長から、財政調整基金等の活用も視野に入れると答弁を頂きました。 そこで質問ですが、事業の組替えがある程度明確になるのは、おおむねいつ頃と考えているのかお聞きします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 事業の組替えにつきましては、現在、各所管において事業中止や手法変更について検討しており、適切な時期に予算補正等を行う予定ですが、新型コロナウイルス感染症の影響は現在進行中であるため、時期は未定です。 以上です。 ◆林幸子議員 次に、財政調整基金についてですが、現在の額と標準財政規模に対しての割合、それから積立ての目標値についてお聞きします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 財政調整基金につきまして、現在額は、8月末現在91億9,465万533円です。令和元年度標準財政規模に対する割合は23%となっています。なお、積立て目標額は定めておりません。 以上です。 ◆林幸子議員 次に、財政調整基金の取崩しについて、どの程度の割合を見込んでいるのかお聞きします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 歳出全般にわたり徹底した見直しを行って経費を削減し、なお、財源不足が生じた場合、取り崩して対応してまいります。 以上です。 ◆林幸子議員 現段階ではなかなか具体的な数字は見えてこないとのことですが、今年度の予算執行については、財政上厳しい状況になることは目に見えています。しかし、必要な事業は滞りなく執行できるようにしなければなりません。柔軟な対応をお願いします。 次の質問ですけれども、国の第一次、二次補正が組まれて、それから実施計画を作り、9月には予算を組んで国に協議するという流れの中、現場は相当忙しかったのではないかと考えますが、一次、二次補正の事業計画はどのような手順を踏んで策定したのかお聞きします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 第一次の場合、内示後期間が短かったことから、専決処分による補正予算を主なものとし、第二次については、内示後、各課から事業案を募り、本定例会に上程している補正予算を中心に策定し、国へ提出する予定となっています。 以上です。 ◆林幸子議員 8月27日に行われた参議院内閣委員会の閉会中審査で公明党の石川博崇氏は、地方創生臨時交付金について、自治体の取組を後押しするため、積み増しも検討するように求めました。この中で石川氏は、感染拡大を食い止めるために自治体が必死で頑張っている。強力に後押しするため、必要であれば時期を逃さず予備費を活用して交付金の積み増しを検討すべきではないかと主張しました。これに対し西村経済再生担当大臣からは、感染状況、経済の動向を見ながら、予備費もあるので、臨機応変に時期を逸することなく対応していきたいと答弁がありました。壇上でも申し上げましたが、一次補正分1兆円に盛り込まれた自治体独自の事業に充てた予算は約7,000億円、1兆円から7,000億円を引くと3,000億円あります。 そこで質問ですが、第三次補正が組まれる可能性もゼロではないと考えますが、そのためには今から準備を整える必要があるのではないでしょうか。現段階での熊谷市の考えをお聞きします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 現在のところ未確定ですが、内示等があった場合には迅速に取り組むことができるよう国の動向等を注視してまいります。 以上です。 ◆林幸子議員 まだ未確定で具体的なものが見えてこないので何とも言えませんが、ぜひ迅速な対応ができるように準備をお願いいたします。 地域未来構想20オープンラボについては、分野が多岐にわたるので、人材バンク的に活用するのもありだと思います。これまでも民間の力を活用すべきと国は方向性を示してきましたが、これだけ具体的に取組を例示したのは初めてではないでしょうか。登録するしないは別として、熊谷が目指す未来像を描いて、これを機会に二、三年後につなげていけるようにアンテナを高くし、情報収集していただきたいと要望します。 また、納税相談に来ている法人も多いと聞いています。現段階での猶予額は、来年度以降納税していただくことになると思いますが、果たして来年、その分の納税をしていただけるのか、それも心配です。まずは熊谷の経済を活性化させるため、また、事業継続を支援するための次の一手を考えていただきたいと要望し、このテーマについての質問は終了いたします。 次に、良質な市営住宅ストックについてに移ります。市営住宅の概要については了解しました。先ほどの答弁の中にもありましたとおり、熊谷市もかなり老朽化が進んでいること、また、空き室も多いという現状は理解しました。私のところにも入居の相談がありますが、やはり高齢者にとっては、エレベーターがないというのは、毎日生活していく上で大きな問題なのかなという印象はあります。先ほどの答弁の中に、今年の6月募集は昨年に比べ大きく上回ったとありましたが、具体的な件数はどのくらいなのかお聞きします。 ◎増田啓良建設部長 お答えいたします。 昨年6月の募集では4件の応募でしたが、今年の募集では13件の応募がございました。 以上でございます。 ◆林幸子議員 やはり初期費用の負担軽減は効果があったのかなと思います。環境を整えればそれだけ需要があるということの証明にもなるかと思いますが、実際、空き室も多い中で、必要以上の戸数を抱えると引き続きコストがかかる。そういった観点からも、今のストックを維持すべきと主張しているわけではありません。削減の方向で動くのは致し方のないことと十分分かります。ただ、急激に減らすとなると、必要な人に提供できない可能性が出てきてしまっては困ります。規模については、熊谷市公共施設アセットマネジメント基本方針に準じ削減していく方向とありましたが、それでは、具体的な削減数はどのくらいか。また、今後の市営住宅の建て替えの考えや計画はどうなっているのかお聞きします。 ◎増田啓良建設部長 お答えいたします。 具体的な削減数ですが、耐用年数を経過した市営住宅を順次解体し、熊谷市公共施設アセットマネジメント基本方針に準じ、約43%、戸数にして約360戸を削減する予定です。また、将来的な市営住宅については、大幡住宅と籠原住宅に集約し、建て替え等を進めるとともに、その他の団地については順次廃止していく計画です。 以上でございます。 ◆林幸子議員 今の数に対して43%、戸数にして約360戸削減との答弁ですが、現在の空き室は22%ということは、入居率78%になりますが、単純に比較すると数にギャップが生じてきます。この削減目標との差をどのように埋めていくのか、考えをお示しください。 ◎増田啓良建設部長 お答えいたします。 将来的な人口減少や、住宅困窮世帯数の状況を想定した場合、本市の削減目標値においても需要に対応できる見込みであると考えております。 以上です。 ◆林幸子議員 あくまでも目標値なので、そのときの情勢によって変わってくるとは思いますが、需要と供給のバランスを保ちながら長寿命化を図り、その上で削減しつつ、同時に建て替えも視野に入れるべきだと考えます。目標値に移行するまでの策として、建て替えを検討する上で借上型を導入している自治体も増えています。先日、借上型市営住宅制度を導入している春日部市に話を聞きに行ってきました。多額の建設費を負担しなくてよい、また、需要に応じた供給量の調整が可能になる、不良ストックを抱えない等の理由でこの制度を導入したようです。駐車場や除草などの管理は大家さんが行うため、維持管理費用はかかりません。供給地域も最寄り駅からおおむね1.8キロメートル以内に設定しているので、市の中心部に人を集める目的も果たすことができます。さらに、入居者にターゲットを絞れば、通院や買物など日常的な移動に不自由を強いられている人や、福祉サービスを提供する側も必要とする側も、ともに利便性が高まる、そういった使い方もできます。先ほど県内の状況を聞きましたが、様々な理由で導入する自治体も徐々に増えてきています。 そこで質問ですが、この制度を活用することにより熊谷市にとってもメリットがあると思いますが、今後、借上型市営住宅制度の導入をどう考えているのかお聞きします。 ◎増田啓良建設部長 お答えいたします。 本制度の導入については、市内の市営住宅、県営住宅の入居率や需要状況等を見た場合、早急に導入する必要はないものと考えますが、今後の建て替え計画や需要の動向等、将来の状況変化に応じて総合的に判断すべきものと考えております。 以上でございます。 ◆林幸子議員 総合的に判断すべきとの答弁でしたが、建設費などの初期費用や将来の改善費、修繕費、除去費などを含めたライフサイクルコストを考えると、財政負担が過大になるとは考えにくいと思います。適正数を保ちながら削減目標に近づけていく手法としては、効果があるのではないでしょうか。今すぐ導入する状況ではないにしても、熊谷市として今後建て替えの時期は必ず来ますので、借上型導入もぜひ計画の中にしっかりと盛り込みながら検討していくべきと要望をし、今定例会における一般質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で17番林幸子議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いいたします。議員におかれましては、石川広己議員を除き、議席表Bを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩いたします。              午後 1時50分  休 憩                                                          午後 1時59分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 次に、13番石川広己議員の一般質問を許可いたします。 なお、同議員から資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可しましたので、これより配付いたします。              〔13番石川広己議員登壇〕 ◆石川広己議員 ただいま三浦和一議長より発言の許可をいただきましたので、9月定例会市政に関する一般質問を行います。 今回は発達障害についてです。最近は、発達障害に関する新聞記事やテレビ報道を目にする機会が多くあります。しかし、発達障害という病気が存在していると考えられていることには問題があります。発達障害という名称は総称であり、様々な疾患を含んでいるものであり、単一の発達障害という疾患があるわけではありません。発達障害は一般的には、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)があります。自閉症スペクトラム障害(ASD)は、自閉スペクトラム症とも言われますが、コミュニケーションに困難を抱え、こだわりが強いという特徴があります。注意欠陥多動性障害(ADHD)は、日常生活に困るほど不注意が目立ったり、多動や衝動性が目立ったりという特徴があります。また、学習障害(LD)は、読む、書く、計算するなどの特定の分野の学習のみに極端な困難を抱えることに特徴があります。成人においては、ASDの有病率1%程度、ADHDは3%から5%までという研究もあります。ただ、発達障害や精神障害という精神科領域に限っては、絶対的に、あるいは客観的に正しいという診断そのものが存在しない世界だと言われています。例えば、2016年7月26日に神奈川県の障害者施設で19人も殺害された事件がありました。犯人の男は、事件を起こす前に強制入院の一種である措置入院をさせられていました。措置入院とは、自分や他人を傷つけるおそれがある人が対象となります。そこで、精神科医たちが彼のことを何と診断したでしょうか。緊急措置入院を指示した指定医の精神科医Aは躁病、措置入院のための診察をした指定医の精神科医Bは非社会性パーソナリティー障害と大麻精神病、同じく措置入院のための診察をした指定医の精神科医Cは、妄想性障害と薬物性精神病性障害、そして、退院後通院した男を診察した医師の精神科医Dは、抑鬱状態と躁鬱病の疑いと、同じ対象者に4人の医師が診断し、合わせて7つもの異なる診断名をつけ、3人は2つの診断名を下していました。このように精神科領域では同じ症状なのに異なる診断が出されることがあります。本来ならば、同一対象については全て同じ診断結果が導かれるはずです。精神障害と発達障害は違うから参考にならないと思われるかもしれませんが、発達障害は精神障害という範疇に位置づけられていて、診断基準も診断手法も同じものが使われているそうです。発達障害は精神障害という精神科領域に関しては、専門家の診断は正しいはずだということは言えないことが、障害者施設の事件からも分かるのではないでしょうか。 また、発達障害について厚生労働省は次のように説明しています。発達障害とは生まれつきの特性で、病気とは異なります。発達障害は幾つかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音症などが含まれます。これらは生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。ただ、この説明には事実ではなく意見や考えが含まれています。「何々と考えられますが、まだ分かっていません」と表現されていれば問題ありません。例えば、生まれつきの特性かどうか、もしかしたら後天的な場合もあるかもしれません。また、脳の一部の機能に障害があるについても、何が原因で脳のどこの部位のどんな機能に障害があるのかも分かっていません。機能の障害という言葉には、欠損や損傷によって身体機能が失われているという意味と、働きが悪いという機能不全に相当するという意味の2つが考えられます。脳の一部の機能に障害とは、脳がうまく働かない状態というアバウトな意味になります。これでは何の説明にもならず、解決にも結びつきません。さらに、「共通しています」の部分も、医学的に誰も実証しておりません。脳の一部の機能の障害を脳機能障害という言葉で表すと何となく妙な説得力があり、医学的で専門的に聞こえます。しかし、何をもって脳機能障害とするかについては、はっきりとした基準や線引きは存在しません。現状では発達障害は脳機能障害の原因なのか結果なのかも分からず、今後の研究を待つしかありません。 さて、2005年に施行された発達障害者支援法の第2条には、発達障害に関する定義が記されていますが、これにも意見の部分があります。第1項に、「この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」とありますが、脳機能の障害も意見です。誰も証明したことのない仮説にすぎません。何々と考えられるという表記が適切ではないでしょうか。 ところで、文部科学省によると、全国の小・中・高等学校において、障害のある児童・生徒のうち通級による指導を受けている人数は、令和元年度では約13万4,000人いました。前年度より約1万1,000人増加しています。障害種別では、言語障害が約4万人、自閉症が約2万5,000人、情緒障害が約2万人、学習障害が約2万2,000人、注意欠陥多動性障害(ADHD)が約2万5,000人となっています。 ここで、配付した資料を御覧ください。平成14年に文部科学省が実施した、「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」で使われた「児童生徒理解に関するチェック・リスト」です。使用許諾を含め文部科学省の担当者に確認したところ、平成24年に再び調査を行い、その結果もホームページにアップしていることを教えていただきました。見ると、表題に新しい文言が加わっていました。平成24年には、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」となっていました。タイトルの中に、「発達障害の可能性のある」という文言が加わりました。背景には、10年間で発達障害についての社会の関心と理解が深まり、認知されてきたのではないかと思います。 ただ、2ページ以降の質問項目はほぼ同じ内容でした。質問は、学習面と行動面と対人面と3領域に分かれ、行動面は不注意と多動性、衝動性、対人面は対人関係やこだわり等に分類されています。それぞれに得点が示されています。得点が高くなると困難につながります。調査は小学生から中学生までが対象です。質問項目に対して4段階または3段階で回答し、得点を集計します。 2ページの学習面を見ると、質問項目の文末に、「難しい」や否定的な言葉が多いことに気づきます。曖昧な表現も目立ちます。調査者である担任でも、項目によっては主観的にならざるを得ません。例えば学習面での「聞きもらしがある」、「初めて出てきた語や、普段あまり使わない語などを読み間違える」、これらは大人でも見聞きしますし、自分でもこの原稿を読んでいて時々当てはまります。特に小学校低学年では初めて出てきた言葉が分からなくて当然ではないでしょうか。その言葉の読み方や意味を教えるのが教員の仕事です。国語辞典を使えるようになれば、子供自身で調べることもできます。 また、3ページの行動面の不注意の領域の、「気が散りやすい」、「日々の活動で忘れっぽい」などは主観的な判断になりやすいと思います。それ以上に問題ではないかと思うのが、4ページの対人関係やこだわり等の質問項目です。一番上の「大人びている。ませている」の項目は、評価者の主観以外の何物でもありません。常識が乏しいも同様です。小学校1年生から中学校3年生までが調査対象ですが、常識の乏しい小学校1年生も大人びた中学校3年生も否定されるのでしょうか。発達段階を考えれば、小学校1年生は、広い意味での常識の量は少ないのはやむを得ませんし、中学校3年生が大人びてくるのは正常な成長だと思います。さらに、「みんなから、「〇〇博士」、「〇〇教授」と思われている」、「他の子どもは興味を持たないようなことに興味があり、「自分だけの知識世界」を持っている」の質問項目は、その子のよさであり、才能でもあります。「いいえ」が零点で、「はい」が2点では、子供の特性や意欲を否定しているように感じます。 この調査は、平成14年に「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」として実施され、現在も文部科学省のホームページに上がっています。また、平成24年に実施された調査も75項目であり、調査項目はほぼ同じ内容でした。しかし、この75項目の内容は本当に適切なのでしょうか。これで発達障害の可能性を診断、判定されることに信頼性と妥当性があるのでしょうか。ましてや、発達障害の専門家でも診断の資格もない教員に調査を任せて大丈夫なのでしょうか。やはり医師などの専門家に診断を仰ぐのが適切な対応だと思います。 最後に、発達障害のある人への合理的配慮についてですが、平成28年4月の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行により文部科学省が対応指針をまとめ、それにより学校では、合理的配慮の提供が義務となり、学校には様々な支援や配慮が求められています。合理的配慮とは、障害のある子供がほかの子供と平等に教育を受ける権利を共有、行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更調整を行うことであり、障害のある子供に対し、その状況に応じて学校教育を受ける場合に個別に必要とされるものです。共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育は必要不可欠です。生きにくさを抱えながら生活している発達障害の子供に寄り添うためには、正しい理解と支援が必要であることは言うまでもありません。そこで、以下5点について市の取組と見解を質問します。 (1)、乳幼児健診における発達障害の発見検査について。 ア、1歳6か月児健診での発見割合。 イ、3歳児健診での発見割合。 ウ、就学時健診での実態把握について。 エ、各健診において疑いのある子が発見された場合の保護者への支援。 (2)、障害福祉課や母子健康センターに寄せられた子供の発達障害について。 ア、相談件数。 イ、主な相談内容。 ウ、相談後の対応。 (3)、発達障害のある子供の市立保育所への入所について。 ア、相談件数と主な相談内容。 イ、相談を受けた子供の市立保育所への入所割合。 ウ、入所児童の中で特別な支援が必要な子供の人数。 エ、補助員の配置状況。 オ、保護者の付添いを求めた件数及び付添いの目的と現在の状況。 (4)、小・中学校の特別支援教育の現状について。 ア、特別支援学級数と在籍している児童・生徒数、過去3年間。 イ、特別支援学級に在籍している障害の種別ごとの児童・生徒数、過去3年間。 ウ、特別支援学級に在籍し、保護者の付添いを実施している件数、付添いの目的、付添いの内容。 エ、特別支援学級に通級している児童・生徒数、過去3年間。 オ、特別支援教育支援員の配置状況、人数並びに週当たりの時間数。 カ、特別支援教育担当教員と特別支援教育支援員の研修時間と研修内容。 (5)、放課後等デイサービスについて。 ア、市内で開所している教室の数、過去3年間。 イ、小・中学生と高校生の利用者数、過去3年間。 ウ、給付額の変化、過去3年間。 エ、受入れの際の手続の流れや情報提供。 これで壇上での質問は終わります。再質問、要望等は質問席で行いますので、よろしくお願いします。 ◎小林教子市民部長 石川議員さんの御質問1、発達障害についてお答えいたします。 初めに、乳幼児健診における発達障害の発見割合ですが、通常、発達障害と確定診断されるのは5歳以降が多く、乳幼児の段階では疑いのある状態となりますので、その割合でお答えいたします。 まず、1歳6か月児健診時ですが、保護者へ質問形式のアンケートを記入していただき、発達障害の疑いのある子供を把握しています。令和元年度の健診受診者のうち約33%を理解力や言葉の心配がある子供として把握しています。 次に、3歳児健診ですが、同様に保護者へのアンケート結果として、健診受診者のうち約16%を、言葉が増えない、落ち着きがないなどの心配がある子供として把握しています。 次に、これらの健診で把握した疑いのある子供については、保健師が後日個別に連絡をし、発育、発達状況や保護者の育児の状況を確認しています。以降、継続的に相談や指導を実施し、育児や子供の発育、発達の様子等の話に傾聴し、必要に応じて言語聴覚士による「ことばの相談」や臨床心理士による心理相談、親子で保育活動を行い、遊びを通じて成長を促す親子教室「すくすくスクール」に参加していただいています。さらに支援が必要な子供には、専門の医療機関での受診へつなげています。 次に、母子健康センターでの相談件数ですが、平成29年度608人、30年度570人、令和元年度595人です。 次に、主な相談内容は、言葉が出ない、言葉が増えない、視線を合わせない、落ち着きがない等です。 次に、相談後の対応としては、保護者の希望により、「ことばの相談」では言語発達を促すアドバイスを行い、心理相談では子供一人一人の行動の特性に関するアドバイスを行い、親子教室では保護者への支援とともに子供の成長を促しています。また、必要に応じ専門の医療機関や療育機関へつなげる対応をしています。 以上です。 ◎野原晃教育長 続きまして、就学時健診での実態把握ですが、簡単な知能検査の実施のほか、検査時や校内の移動、待機時の様子等により総合的に把握しています。 次に、各健診において疑いのある場合の支援についてですが、個に応じた支援が必要な場合には、入学後速やかに支援が受けられる体制を整えています。 次に、小・中学校の特別支援教育の現状についてですが、3年間の特別支援学級の学級数、在籍児童・生徒数は、平成30年度93学級250人、令和元年度96学級269人、2年度100学級293人です。 次に、特別支援学級に在籍している障害の種別ごとの児童・生徒数ですが、多くは知的障害特別支援学級と自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍していますので、その順で申し上げますと、平成30年度、115人、126人、令和元年度、121人、140人、2年度、139人、145人です。 次に、授業中に保護者の付添いを実施している件数は5件で、そのうち医療的ケアを必要としている児童の対応が2件、児童の気持ちが落ち着かない場合の見守り等が3件です。 次に、通常の学級に在籍しながら特別支援学級を弾力的に利用し、支援を受けている児童・生徒数ですが、平成29年度71人、30年度69人、令和元年度65人です。本年度はまだ確定されていません。 次に、特別支援教育支援員の配置状況についてですが、平成30年度は85人、令和元年度は89人、2年度は94人で、週当たり時間数は20時間です。 最後に、特別支援教育担当教員と支援員の研修時間と研修内容ですが、特別支援学級の新担当者は、県の主催で30時間、本市主催で6時間程度の研修を行っています。研修の内容は、児童・生徒の実態把握の方法、教育課程の作成の仕方や保護者との教育相談の進め方、専門家による講義や事例を挙げたグループ討議等を行っております。なお、支援員は、年度当初に1時間ほどの研修を行っていますが、研修の不足を補うために支援員を配置している全ての学校で特別支援教育支援員マニュアル、これを活用しています。 以上です。 ◎鯨井敏朗福祉部長 続きまして、障害福祉課での発達障害に関する相談件数ですが、令和元年度から障害に関する初期相談窓口として、業務委託により熊谷市障害者基幹相談支援センターを設置し、専門員による相談を障害種別に細分化し、記録管理しており、昨年度のみの統計となりますが、72件です。相談内容は、主に医療機関への受診や福祉サービス利用に関するもので、専門員から医療機関や障害福祉サービス提供事業所の紹介及び利用手続の案内等をしています。 次に、発達に課題のある子供の市立保育所への入所申請における相談件数と内容ですが、あかしあ育成園に通所している子供の例で申し上げますと、本年4月入所時に相談があった件数は9件で、保育所に入所する際に集団保育が可能かどうかの相談が主な内容となっています。相談があった9名のうち、現在8名が市立保育所に入所しており、1名は市内の幼稚園に入園しています。特別な支援が必要な子供ですが、本年4月現在64名で、支援が必要の度合いに応じて30名ほどの補助職員を配置しています。保護者の付添いについては、食事を取る際に配慮が必要な児童の留意点を保護者に確認するため、慣らし保育期間に付添いをお願いしたケースが1件あります。 次に、放課後等デイサービスの教室数ですが、各年6月時点で、平成30年13か所、令和元年20か所、2年19か所です。 次に、小・中学生と高校生の利用者数ですが、順に、平成29年度、178人、16人、計194人、30年度、231人、25人、計256人、令和元年度、271人、22人、計293人。給付額は、平成29年度約2億9,000万円、30年度約3億6,000万円、令和元年度約4億4,000万円です。 次に、放課後等デイサービスの受入れまでの手続の流れですが、希望するサービス事業所を決め、利用の支給申請をしてもらうことになりますが、申請の際にはサービス等利用計画案の作成や、障害者手帳がない場合には医師の診断書も必要になります。この支援制度に関する情報提供については、ホームページにおいて障害福祉サービスの総合冊子「明日へのはばたき」と市内サービス提供事業所「福祉マップ」の中で紹介しているほか、保護者と直接接する機会を持つ小・中学校の特別支援学級を担当する教職員の研修会において利用方法等も含め周知しています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。多くの質問に対し関係各課から丁寧な御答弁を頂き、ありがとうございました。乳幼児での段階では発達上の個人差も大きく、また、自我も未発達で、自分の思いをうまく伝えることはできません。この段階では保護者による疑いのある状態であり、そのため保護者が気になって相談を求めることが多いだろうと予想されます。 1歳6か月児健診では、理解力や言葉の心配という親の言葉がけへの反応により、課題があるのではと捉えている保護者が約33%、また、3歳児健診では、言葉だけでなく行動面の課題も出てきているようです。その課題解決のため、保健師が個別に適切な対応をしていることが分かりました。さらに、言語聴覚士や臨床心理士と、専門的な立場からの支援や助言を得ながら保護者の不安解消と子供の健全な成長につなげていることも分かりました。 発達に課題のある子供を抱えた保護者の不安や悩みは大きいと思います。相談できる機関やそこに資格のある専門家がいて適切なアドバイスを得ることで、保護者は安心したり不安が軽減したりするのではないでしょうか。保護者からの相談内容も多岐にわたると思いますが、保護者を孤立させないように、ぜひ各機関で連携して対応していただきたいと要望いたします。 また、保育所で特別な支援が必要な子供に対して30名の補助職員が配置されていることも、当該の保護者にとっては安心して預けられることになると思います。さらに、障害福祉課での初期相談窓口として熊谷市障害者基幹相談支援センターを開設し、相談に来られた方への対応に当たっていることも分かりました。一人一人の症状、障害の種類に寄り添い、温かくきめ細かな支援をぜひお願いいたします。 次に、小・中学校の特別支援教育の現状ですが、答弁より、学級数、児童・生徒数とも増加していることが分かりました。年々児童・生徒数が減少している中で、特別支援教育の必要な子供の割合が増えていることが気になります。知的障害と自閉症、情緒障害の子供がほぼ同じ人数で約140人、通常の学級に在籍しながら特別支援学級を利用している通級の子供は、この3年間で少し減っています。一方、入級した人数が増えたのは、保護者が我が子の実態をよく理解し、きめ細かな対応を学校に求めていることが理由かもしれません。学校への期待は大きいと言えます。 次に、特別支援教育支援員の配置状況ですが、85人、89人、94人と増え、手厚く対応していることが分かります。一人一人の子供に目配りができていると思います。教員の研修も座学だけでなく、実践的な演習や討議など、教室ですぐに活用できる生きた内容となっていることも効果的で、参加者にとっても学びの多い研修だと考えます。 次に、放課後等デイサービスの利用者ですが、答弁から、年々増えている実態が分かりました。当然給付額も増加しています。障害のあるお子さんを抱えた保護者にとっては、本当に障害福祉のありがたい制度だと思います。学校の授業終了後、本来ならば、学童クラブや児童館に預けたいが、子供の特性によりほかの子とうまく関われないため、放課後等デイサービスを利用する家庭もあります。そもそも放課後等デイサービスは、生活能力の向上のために必要な訓練や社会との交流の促進等を行う目的で、特別支援学校や小学校から高等学校等に就学している障害児を対象としています。答弁からも、昨年度は293人もの子供が利用していることが分かりました。この293人は、昨年度の長井小学校297人、大幡中学校295人の児童・生徒とほぼ同じ人数です。放課後等デイサービスは、療育を目的としています。療育とは、障害のある子供が社会的に自立できるようにするために行う治療や教育のことです。放課後等デイサービスは、子供が抱える困っている特性をできる限り改善し、その子の生かせる長所を伸ばしていくための理解と支援を図る場です。コミュニケーションに課題があったり集団活動が苦手だったり、抱える障害は様々です。中には重複した障害を抱える子もいます。そういった子供たちが安心して過ごせる、保護者にとっては信頼して任せることのできる施設が放課後等デイサービスです。一昨年からは、教育委員会の計らいにより事業所の指導員と各校の特別支援担当教員等との合同の情報交換会も開催されており、放課後等デイサービス事業所の活動の認知が広まりつつあります。子供にも事業所にもありがたいことです。利用するには医師の診断書や市からの受給者証などが必要となります。利用料金は1割負担となっていて、月の費用は保護者の所得により、生活保護世帯ではゼロ円、または最大4,600円、あるいは3万7,200円を負担する家庭があります。月に20日以上利用する家庭もありますが、それでも一般的には月に4,600円の負担で療育を受けられます。昨年度の給付額が約4億4,000万円と答弁にありました。障害のある子供への福祉も充実していると強く実感しています。 それでは、以下、再質問を8点行います。 再質問の1です。未就学の障害児を対象とした児童発達支援の内容として、基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練等がありますが、どんな障害のある幼児が対象でしょうか。 ◎鯨井敏朗福祉部長 お答えいたします。 障害者手帳の有無にかかわらず、医師の診断や乳幼児健診などで療育の必要性が認められた未就学児が対象となります。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。平成29年の総務省による発達障害者支援に関する行政評価監視結果報告書には、乳幼児健診及び就学時健診における発達障害の発見の取組状況として、市町村ごとの発見割合を見ると、1歳6か月児健診で0.2%から48.0%まで、3歳児健診では0.5%から36.7%とかなりの幅が見られ、発達障害が疑われる児童の発見割合は、市町村ごとにかなりのばらつきがあると報告されています。これほどのばらつきがあると検査に問題はないのかと不安になります。3歳までの低年齢では検査を行うこと自体が困難ではないでしょうか。発達障害と診断された人の割合は計算できますが、それは発達障害の割合ではないと思います。 次に、再質問2として、支援を行う機関はどこでしょうか。また、職員の資格はどうなっているのでしょうか。支援の経過や結果は市と情報共有をしているのでしょうか伺います。 ◎鯨井敏朗福祉部長 お答えいたします。 埼玉県から指定を受けた通所により児童発達支援を行う事業所で、市内に13か所あり、市立あかしあ育成園も含まれます。指定のための資格者の基準としては、一定の実務経験と研修を受けた児童発達支援管理責任者、指導員または保育士の資格を有する者を配置することが必要です。支援経過や結果については、障害福祉課へ毎月の通所回数の報告や定期的なモニタリング結果の報告などがあり、情報共有を図っています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解いたしました。市立あかしあ育成園をはじめ13か所あること、また、情報も共有していることが分かりました。 次に、再質問の3です。保護者の考え等により専門機関につながらない場合は、該当の幼児はどうなるのでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えいたします。 保護者の意向を聴き取った上で、市の各種相談事業や親子教室での支援を継続しています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。子供の発達障害に対して保護者の受入れが難しい場合でも、保護者に対して気になることがあればいつでも相談してほしいという姿勢で関係機関とも連携を図り、子供の経過を確認しながら受診を勧めてほしいと思います。それでも保護者の理解が得られず、医師の診断を受けていない子供やグレーゾーンの子供への対応は、保護者の発達障害に対する理解を高めていく取組も併せてお願いしたいと思います。 次に、再質問4として、放課後等デイサービスの意義について市の見解を伺います。
    ◎鯨井敏朗福祉部長 お答えします。 障害のある学齢期の子供に対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じ、障害の特性に応じた健全育成や、地域社会への参加を進めるための支援の場として、また、保護者に対しては、子育ての相談や支援の場として重要な意義があると認識しています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。障害のある子供にとっては、3間とよく言われますが、時間、空間、人間の3つの間を通しての健全育成や地域社会の参加という体験ができ、保護者にとっても相談や支援の場として貴重だと考えていることが分かりました。 関連して、再質問5です。放課後等デイサービスは利用者が多く、支援事業所での利用計画作成に時間がかかり、利用開始まで待たされることが多いと聞いています。そこで、改善してほしいと思いますが、何か工夫がないでしょうか。 ◎鯨井敏朗福祉部長 お答えします。 本市では、専門的な知見による適切なサービス利用や、きめ細かい継続的な支援などの観点から、専門員による計画相談支援を推奨していますが、利用者の急増に伴い、作成に時間を要している実情もあります。御家族等でサービスの利用調整等ができる方には自己による計画作成も可能ですので、申請等の際に丁寧に説明してまいります。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。答弁にありましたが、年々利用者が増えていて、専門員の計画相談支援が追いつかない現状だと思います。しかし、利用を待っている家庭があることを考えると、保護者による計画作成も可能と分かり、安心しました。ただ、保護者の中には計画作成に不安な思いを持っている方も多いのではないかと想像されます。ぜひ温かく寄り添いながら、丁寧で分かりやすい助言をお願いいたします。 次に、再質問6です。市として放課後等デイサービスの質の向上を図るためにどのように取り組むでしょうか。 ◎鯨井敏朗福祉部長 お答えします。 地域の障害福祉の在り方について協議する大里地域自立支援協議会の専門部会に、市と児童支援の事業所で組織する子どもプロジェクトが設置されていますので、その中で協議、連携し、改善を図ってまいります。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。市と事業所で組織する子どもプロジェクトが、より有効に機能することを願います。また、担当職員による事業所の見学も、活動内容を把握する上で効果的と思いますので、ぜひ検討をお願いいたします。 次に、再質問7として、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童・生徒に関する実態調査についてお尋ねいたします。 児童・生徒理解に関するチェックリストについて、熊谷市では利活用したことがありますか。また、気になる児童・生徒をどのように発見しているのでしょうか。 ◎野原晃教育長 お答えいたします。 チェックリストは使っていませんが、特別支援教育巡回相談の時に、児童・生徒の実態を丁寧に把握し、必要に応じて個別の知能検査を勧めるなど指導、助言を行っています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。使ったことがないと分かりました。また、巡回相談を活用して気になる子の発見に努めていることも分かりました。これは、自ら見詰める、そして見抜くと、子供の実態の把握がなされていると理解しました。 最後に、再質問8です。高校受験に際し、障害のある生徒の合理的配慮はどのようになっているのでしょうか。中学校長から高等学校長に申し出て、県教育委員会と協議をするなどの配慮があるのでしょうか。 ◎野原晃教育長 お答えいたします。 合理的配慮について、中学校長が志願先の高等学校長に強く求めています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。中学校長からの願いが志願先の高校に届くように、必要に応じて県の教育委員会にも働きかけ、生徒の希望がかなうような配慮をお願いいたします。 まとめに入ります。平成14年に実施した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒理解に関する全国実態調査」の結果、特別な教育的支援を必要とする児童・生徒が6%程度の割合で通常の学級に在籍していることが考えられると文部科学省の調査研究協力者会議が発表しました。ここから6%という数字が独り歩きしてしまいました。全国実態調査には留意事項が記されています。文部科学省も、本調査は担任教師による回答に基づくもので、学習障害の専門家チームによる判断ではなく、医師による診断によるものでもない。したがって、本調査の結果は、学習障害、ADHD、高機能自閉症の割合を示すものではないことに注意する必要があると丁寧に書かれています。配付しました資料のチェックリストですが、本当に科学的と言えるでしょうか。教員は機械的に評価したわけですが、質問項目に医学的根拠があるのかは疑問です。この実態調査の結果を受けて、30人のクラスならば発達障害の子が2人か3人いるのではとなってしまいました。 自治体による実態調査も行われましたが、学校や自治体により全く異なる結果が出ました。悉皆調査ではありませんが、平成16年に埼玉県教育委員会による調査では、特別な教育的支援を必要とする児童・生徒が10.5%、平成18年に秋田県教育委員会による調査では1.8%という数字が出ました。平成15年8月12日の毎日新聞には、教員の声として、「質問項目が微妙で、全児童をこれで判断するのは疑問だ。家庭の事情で情緒が安定していない子供もおり、中枢神経に問題があるとされる注意欠陥多動症性障害などの子供とどう区別するのか」と紹介されておりました。発達障害は原因が分からず、脳の機能障害だと考えられていますが、特定されるには至っておりません。 発達障害診断が絶対視されてしまうことの弊害は、子供の将来の可能性を閉じてしまうことになります。診断は手段であり目的ではありません。その人を改善するために診断があるはずです。もしも支援や改善に結びつかず、本人や家族の生きる力や希望を奪うのであれば、価値のない診断と言えるのではないでしょうか。医師の言葉の重みは、患者や家族の気持ちを天へ上らせたり地へと落としてしまったりするほど大きな力があることは御理解いただけると思います。本来なら改善可能な状態に対して、治らないという自己暗示を植えつけられてしまうことは、可能性を奪われている人もいるのではないでしょうか。自分のように医学的知識のない素人にとって発達障害をどのように考えればいいのでしょうか。1人の医師の判断だけでなく、セカンドオピニオンが必要なことはもちろんです。誠実な医師ほど根拠の乏しい事実を認め、診断や薬の負の側面についても説明した上で、患者の自己決定権を尊重しています。 まとめにはなりませんが、発達障害の対応は本当に難しいと思います。低年齢では個性なのか病気の症状なのか分かりません。治療は資格のある医師に任せるとして、正しい回答は分かりませんが、一人一人が自分にできることは何かを考えながら障害のある人と向き合い、共に生きていくインクルーシブな社会をつくることが重要だと考えます。 以上で9月定例会市政に関する一般質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で13番石川広己議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いいたします。議員におかれましては、腰塚菜穂子議員を除き、議席表Aを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩いたします。              午後 2時49分  休 憩                                                          午後 3時11分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 次に、10番腰塚菜穂子議員の一般質問を許可いたします。              〔10番腰塚菜穂子議員登壇〕 ◆腰塚菜穂子議員 皆様、こんにちは。議席番号10番、腰塚菜穂子でございます。ただいま三浦議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従いまして、本日は大きく2つのテーマについて市政に関する一般質問を行います。 まず初めに、1つ目のテーマとして、コロナ禍における財政運営について―持続性・健全性の確保とコロナ対策の充実―と題し伺います。一部、林議員さんの御質問と重なる内容もございますが、御容赦をいただきたいと思います。 9月8日に内閣府は、今年4月から6月までのGDP、国内総生産の改定値を発表し、年率に換算した実質の伸び率がマイナス28.1%となったことが明らかになりました。戦後最大の落ち込みとなった速報値のマイナス27.8%からさらに下方修正され、新型コロナウイルス感染拡大のもたらす影響が改めて大きいことが示されました。いまだ感染拡大の収束が見通せない中、多くの自治体がコロナ対策に充てる財源の確保に苦心しているという報道がなされています。東京都は、令和元年度決算ベースで約9,345億円あった財政調整基金を9割以上取り崩した結果、残高が大幅に減少。基金残高が1,000億円を下回るのは16年ぶりと伝えられています。また、令和3年度東京都予算編成に向けた各局における予算要求の見積り方針として、管理事務費など経常的、定型的な経費については、マイナス10%のシーリングをかけるなど、今後の財政運営に対する強い危機感が示されました。現在、全国の多くの自治体が人口減少、少子高齢化に伴う社会保障費や老朽化した公共施設の再編、生活インフラの更新、また、近年頻発する豪雨災害や大規模地震に備えた防災、減災への取組など、これらの増大する行政需要に対応しながら、同時にウィズコロナ、そして、アフターコロナまで見据えた新たな時代局面への対応として、継続的な感染症対策や中・長期にわたる地域経済の下支え、また、新しい生活様式の視点を踏まえた取組などの必要に迫られています。今般、感染症対応事業の財源として国から財政措置された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金につきましては、使途の広い財源ではあるものの、あくまで時限的な歳入と認識しております。今後、歳入の根幹をなす市税収入の減少が予想される中で、歳入の見込みや予算規模の適正化など国等の動向を注視しながら、社会情勢の変化に対応した柔軟な財政運営が求められています。 熊谷市は、これまで計画的に市債残高の縮減を図り、また、財政調整基金への堅実な積立てや行政改革の推進などにより健全な財政基盤の下に市政運営が行われてきたと認識しております。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、現在、当初予算段階では想定できなかった歳出の増加が生じてはいるものの、その多くは国の特別定額給付金の給付に係る経費を含めたコロナ対策経費であり、主に国庫支出金や繰越金等を財源としていることから、直ちに本市の財政基盤を揺るがすほどではないと捉えています。市民生活を守り地域経済を立て直すために必要なコロナ対策事業は積極的に展開しながら、持続可能な財政運営をどのように行っていくのか。将来負担を抑えつつ、どのような手だてで財政の健全性を保っていかれるのかということを主軸として、以下、質問に入ります。 質問の1、令和2年度一般会計の歳入について、前年度と比較した税収の状況と、今後コロナ禍による税収減の規模感をどのように予測されていくのか。 質問の2、1年間、住民税や固定資産税など市税の徴収の猶予を受けることができる徴収猶予の特例制度について、その申請状況と影響額を伺います。 質問の3、財政調整基金について、以下4点伺います。 1点目、直近の基金残高について。 2点目、コロナ対策経費へ充当するための取崩し状況。 3点目、今後コロナ対策経費へ充当するための取崩し予定はあるのか。 4点目、コロナ対策のみならず、災害等、将来の不測の事態に備えるための資金を今後どのように確保していくのか。基金の積立て計画について。 質問の4、歳出抑制のため既存事業の見直しや執行の優先順位づけ等、適切な執行管理が求められることから、以下3点を伺います。 1点目、令和2年度予算に対する基本的な考え方として、当初予算どおり100%執行していく考えか。当初予算に対してどの程度執行できる見通しなのか。また、今後未執行のイベント等を除いた既存事業について、一部事業を縮小、凍結する可能性はあるのか。 2点目、主に大規模イベント等、既に未執行となっている、またはその見通しである事業費の取扱いについて、コロナ対策経費へ流用されているのか、そのまま翌年度へ繰り越すのか、状況によっては減額補正をかけ予算規模の適正化を図るのか。 3点目、適切な執行管理を誰がどのように責任を持って行っていくのか。 質問の5、公共施設アセットマネジメントを含めた本市の行政改革や各種計画への影響をどう見ていくのか。また、状況変化による見直しの可能性について伺います。 質問の6、令和3年度予算編成に向けた基本認識や考え方について、以下3点を伺います。 1点目、中小事業者等を対象に固定資産税等を軽減する国の特例措置の影響をどう見るか。 2点目、財政運営上の課題認識。 3点目、持続性、健全性をどう確保していくのか。その手だてについて。 次に、2つ目のテーマとして、外国人の子供に対する就学機会の確保―活力ある共生社会の実現を目指して―と題し伺います。外国人児童・生徒の教育支援につきましては、平成30年6月定例会の一般質問において、多文化共生の切り口から質問をさせていただきました。この間、令和元年6月に日本語教育の推進に関する法律が公布、施行され、同法の規定に基づき、政府は「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」を策定し、令和2年6月23日に閣議決定されました。これを受け文部科学省は、外国籍の子供たちの就学機会を確保するために自治体が取り組むべき施策を指針としてまとめ、7月1日に全国の教育委員会等に通知したところです。熊谷市におかれましても、全国的傾向と同様に外国人住民は年々増加しており、新型コロナウイルスの影響もございますが、基本的には今後も増えていくものと予想されます。外国人を地域社会を構成する一住民として受け入れ、彼らが生活基盤を確立するためには、日本語を習得できるようにすることが極めて重要と考えます。 令和元年度に文部科学省が実施した外国人の子供の就学状況等調査によると、約2万人の外国人の子供たちが就学していない可能性がある、または就学状況が確認できていない状況にあるという結果が明らかになりました。外国人の子供であっても日本人の子供と分け隔てなく学ぶ機会を得て、よりよい教育環境の下で日本語を習得し、様々なことにチャレンジする可能性を広げ、未来を担う存在としてたくましく育ってほしいと願っています。既に現場レベルでは様々な配慮、取組をなされているものと認識しておりますが、このたび策定された外国人の子供の就学促進及び就学状況の把握等に関する指針の内容を踏まえて、以下、質問に入ります。 質問の1、就学状況の把握について、以下3点を伺います。 1点目、外国籍児童・生徒就学状況と住民基本台帳上の就学年齢層数。 2点目、学齢簿の編成に当たり、全ての外国人の子供についても一体的に就学状況を管理、把握することが必要とされていますが、本市の取組状況。 3点目、外国人学校等も含めた就学状況の把握について。 質問の2、就学案内等を徹底するための取組について、以下4点を伺います。 1点目、就学案内等の情報提供時の言語への配慮はどのように行われているか。 2点目、就学案内に対して回答が得られない場合の対応。 3点目、乳幼児健診や予防接種の受診等、様々な機会を捉えて外国人の保護者に対して情報提供を実施する取組が求められていますが、本市の状況。 4点目、外国人幼児の幼稚園、認定こども園等への就園機会を確保するための取組が求められていますが、本市の状況。 質問の3、学校への円滑な受入れと状況に応じた柔軟な対応について、以下3点伺います。 1点目、就学校の決定に伴う柔軟な対応についてどのように取り組まれているか。 2点目、障害のある外国人の子供の就学先の決定について。 3点目、受入れ学年の決定に際し、日本語能力や学習状況等に配慮した対応について。 質問の4、日本語指導が必要な児童・生徒の状況と指導体制の現状と課題を伺います。 質問の5、高等学校等への進学を促進する観点から、中学校等において、在籍する外国人の子供やその保護者に対し、早い時期から進路ガイダンスや進路相談等の取組を実施することが求められています。そこで、以下2点を伺います。 1点目、中学校等卒業後の進路実態について。 2点目、進学を促すためにどのような取組をされているか。 質問の6、外国人の子供の就学促進や就学状況の確認のため、関係部署はもとより、地域の国際交流協会などとの連携や情報共有を図ることが求められます。そこで、こうした関係部署や団体等との連携体制について現状と課題を伺います。 以上で壇上での質問を終わります。なお、再質問、要望につきましては質問席で行いますので、引き続きよろしくお願いいたします。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 腰塚議員さんから2点御質問をいただいておりますが、私から御質問1、財政運営について総括的にお答えをいたします。 本市の歳入の根幹をなす市税につきましては、近年堅調に推移してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う個人消費の落ち込みや企業活動の停滞などの影響により、リーマン・ショック時以上の大きな減収になるものと懸念しているところでございます。 一方、歳出につきましては、増加する社会保障関連経費、災害対策、老朽化した公共施設の大規模改修費等の経費の増加が見込まれ、今まで以上に財政運営は大変厳しい状況に置かれるものと危惧いたしております。このような現状認識の下、本年度の予算執行においては、前例にとらわれずに、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより経費を削減することを前提としつつ、真に市民福祉の向上に資する事業は、着実に実施してまいりたいと考えております。 また、厳しい状況下においても、総合振興計画の実現、総合戦略の推進を図る中で、真に必要な施策を優先かつ効果的に実施していくため、費用対効果について改めて検証、見直しを行った上で、各種計画の推進に対しても、国、県の動向を踏まえて、柔軟性を持って対応してまいりたいと考えております。令和3年度の予算編成におきましては、市民の皆様からお預かりする大切な市税が財源であることを念頭に、これまで以上に厳格な事業の選択を行ってまいりますとともに、財政調整基金の取崩し等も視野に入れながら、市民生活に必要不可欠な事業につきましては、行政サービスに支障を来すことのないよう取り組んでまいります。 以上です。 ◎山崎実総合政策部長 続きまして、財政運営について順次お答えいたします。 令和2年度の市税の収納状況につきましては、7月末現在約110億円を収納していますが、前年同月と比較して約2億5,000万円の減収となっています。今後の税収予測につきましては、景気回復の状況が見通せない中、大変難しいところですが、経済の落ち込みの大きさで引き合いに出されるリーマン・ショック直後の平成21年度決算では、前年度と比較し約29億7,000万円の税収減となりましたことから、予測の検討材料の一つと捉えています。 次に、徴収猶予の特例制度ですが、本制度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、事業等に係る収入が前年同時期に比べおおむね20%以上減少し、一時的に市税を納付することが困難な場合、申請により令和2年2月1日から令和3年2月1日までに納期限が到来する全ての税目について無担保、延滞金なしで1年間の徴収猶予を受けることができる制度です。申請状況ですが、8月末現在で申請件数126件、猶予税額1億8,305万9,100円となっています。税目ごとの内訳は、個人市民税523万5,300円、法人市民税2,022万700円、固定資産税1億5,756万2,500円、軽自動車税4万600円です。 次に、財政調整基金の状況ですが、8月末現在における残高は91億9,465万533円です。新型コロナウイルス感染症対策のために充当する取崩しは、現段階では行っておりません。また、積立てについては、徹底した歳出の見直しを図った上、決算を勘案して適切に対応してまいります。 次に、中小事業者等を対象に固定資産税等を軽減する国の特例措置の影響ですが、軽減分につきましては、全額国費で補填されることとされていますので、この制度設計によれば、財政上の影響はないものと考えております。 以上でございます。 ◎田島斉教育次長 続きまして、御質問2、外国人の子供に対する就学機会の確保についてお答えいたします。 初めに、就学状況の把握についてですが、外国籍児童・生徒は、公立学校のほか、私立学校、外国人学校等に就学しています。また、住民基本台帳に登録されている外国籍の就学年齢総数は、本年度166人であり、そのうち実際に就学している児童・生徒は154人です。なお、学齢簿の編成については、全ての外国人の子供も一体的に就学状況を管理、把握しています。 次に、就学案内等を徹底するための取組についてですが、日本語にルビを振った就学案内に加え、就学願については、英語、中国語、スペイン語など複数の言語による様式により、外国籍の保護者が記入しやすいよう配慮しています。9月に送付した就学案内に対して回答がない場合については、その後、翌年1月と11月に再度通知をしています。それでも回答がない場合については、引き続き連絡を取るように努めています。 次に、学校への円滑な受入れと状況に応じた柔軟な対応についてですが、就学する学校は、原則として住民票に基づく指定校となりますが、指定校以外に兄弟が既に就学していたり、同言語を母国語とする児童・生徒が複数在籍している場合等は、個別に対応しています。また、障害のある外国人の子供の就学先の決定についてですが、特別支援学級や通級指導教室の利用についても相談を受け付けています。なお、受入れ学年の決定については、子供の日本語能力や学習状況等から、保護者の申入れで下学年に入れるなど柔軟に対応しています。 次に、日本語指導が必要な児童・生徒の状況と指導体制の現状と課題についてですが、就学している外国籍児童・生徒154人のうち、日本語指導が必要な児童・生徒は51人います。そこで、12人の日本語指導補助員を支援を必要とする学校に配置し、授業中の通訳や日本語の短文を読む、書く等の指導に当たっています。課題としては、外国籍児童・生徒の母国語が多岐にわたり、それらの言語に堪能な補助員を配置することが難しくなっていることが挙げられます。 次に、中学校卒業後の進路についてですが、おおむね高校に進学しています。今年度も高校進学に向け、県主催の日本語を母語としない子供と保護者を対象とした高校進学ガイダンスを案内したり、担任と日本語指導補助員とが一緒に進路相談を行ったりするなどの支援を行っています。 次に、関係部署や団体等との連携体制についてですが、本市では今年度から3年間、県教育委員会の委嘱を受け、玉井小学校を中心に、外国人親子への支援と地域住民とのつながりづくりモデル事業に取り組んでいます。保護者、地域はもとより、市や県の国際交流協会、大学、企業等とも連携し、外国籍児童・生徒とその保護者が地域に溶け込み、活力ある共生社会の実現に向けた取組を推進しております。 以上です。 ◎鯨井敏朗福祉部長 次に、乳幼児健診等での情報提供や、幼稚園、認定こども園等への就園機会の確保についての取組ですが、現在、乳児健診と3歳児健診の際に、会場に子育て支援コーディネーターを配置し、子育てに関する相談を行っており、その中で就園に関する相談や情報提供なども行っています。また、外国人の方の住民登録や転入手続の際に、その世帯に就学前の児童がいる場合には、こども医療や児童手当の手続の案内と併せ、認定こども園等の担当課の案内もしています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 10番、腰塚菜穂子です。富岡市長をはじめ、関係各部署より御答弁を下さり、誠にありがとうございました。早速ですが、財政運営について3問にわたり再質問をさせていただきます。 御答弁の中で、市税につきまして、リーマン・ショック時以上の大きな減収になるものと懸念しているとの内容がございました。減収への対応として、国は、自治体が資金調達しやすいよう猶予特例債や減収補填債等の発行を認めていますが、今後これらを起債する考えや可能性について伺います。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 現時点においては財源確保の見通しが立っていますので、起債する予定はありませんが、今後、状況の変化に応じて必要性を判断してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。ただいまの答弁で理解をいたしました。 再質問の2に移ります。市税の徴収猶予の特例制度について、1年間の徴収猶予を受けることができる制度ですが、猶予期間経過後、依然として納付することが困難な場合の対応やその取扱いについて伺います。 ◎栗原隆行総務部長 お答えします。 猶予した納期限の前に納期到来のお知らせを発送し、資力が回復せず引き続き支払いが困難な場合には、分割納付のほか、延滞金や担保が必要となりますが、現行の猶予制度の申請の相談を進めていきたいと考えています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚です。状況に応じた徴収に努めてくださるということで理解をいたしました。 再質問の3に移ります。御答弁におきまして、本年度の予算執行においては、歳出全般にわたり徹底した見直しを行うことにより経費削減を図られるとのことですが、様々な視点から検証されると考えますが、その判断材料や着眼点について伺います。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 事業の緊急性、重要度を勘案し、市民生活に欠くことのできない事業を最優先として実施してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚です。御答弁誠にありがとうございました。このたびの一般質問を通して、本市の歳入歳出に対する現状認識と今後の見通しや歳出抑制のための経費削減、また、計画の検証と見直しを踏まえためり張りのある施策の実施や厳格な事業の選択、財政調整基金の取扱いなど、財政運営に対する重要な考え方が示されたと認識しております。今後、年末にかけて財政課におかれましては、令和3年度の予算編成に向けた動きが本格化すると思われます。コロナ禍の影響を受けて、これまでにない厳しい状況下での業務になると想定されます。限りある財源をどこにどのぐらい振り向けていくのか、全庁的な危機感の共有が大切ではないかと感じております。コロナ禍で本当に困っている人や事業者等への財政出動は惜しまず、一方では、持続可能な財政運営のためにこれまで以上の事業の精査や補助金等の在り方に関しても見直しを図られるなど、歳出の抑制に努めてくださいますようお願い申し上げ、次のテーマに移ります。 外国人の子供に対する就学機会の確保について5問にわたり再質問をさせていただきます。 再質問の1、御答弁内容より、公立学校、私立学校、外国人学校等のいずれにも就学されていない子供が12名いることが分かりました。そのうち帰国等やむを得ない理由を除いて不就学となっている子供は存在するのか。また、そうした子供への対応について伺います。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 未就学の児童・生徒に対し、今後はさらに案内の回数を増やしていきます。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚です。ただいまの答弁で案内の回数を増やしてくださるということで、ありがとうございます。引き続き、併せまして個別に保護者に連絡を取って就学を進めるなど、就学の機会を逸することのないよう対応をお願い申し上げます。 再質問の2に移ります。就学案内について伺います。御答弁より、日本語にルビを振ったものということでしたが、言語へのハードルが高い状況にある中で、より分かりやすいよう関係機関と連携の上、指針にあるように、日常生活で使用する言語を用いての案内はできないでしょうか。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 英語や中国語による通知も加えて案内してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。英語や中国語による通知も加えて案内をしてくださるということで、誠にありがとうございます。こうした細やかな配慮が外国人の子供の学びの機会につながることを心から願います。 再質問の3に移ります。日本語指導補助員について課題として挙げられた、多岐にわたる母国語に堪能な人材確保について、今後解決に向けてどのような取組や対策が可能か伺います。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 今後も市報での公募のほか、国際交流協会、NPO法人等にも協力をお願いしながら人材の確保に努めていきます。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚です。広く協力を呼びかけていくということで理解をいたしました。よろしくお願いを申し上げます。 次に、再質問の4に移ります。文部科学省は、令和8年度までに、日本語指導が必要な児童・生徒18人に1人の割合で担当教員を配置する計画としていますが、本市の現状と今後の見通しを伺います。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 日本語指導が必要な児童・生徒の在籍数や、実態等に応じて配置するとの県の要項に基づき、本年度は日本語指導が必要な児童が9人いる玉井小学校で担当教員を1人配置しておりますが、引き続き教員の配置を強く要望してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 よりよい環境の下で日本語を習得できるよう働きかけをお願い申し上げます。 再質問の5に移ります。玉井小学校を中心としたモデル事業について、初年度である本年度は、具体的にどのようなことを実施されているのか。また、今後の展開について伺います。 ◎田島斉教育次長 お答えします。 今年度は玉井小学校を中心に、例えば、日本文化、マナー講座、各国の飾り物の制作を通して外国籍親子の心の壁を取り除く取組を行っています。今後は、玉井小学校区を拠点として本事業を市内全体に広げ、情報交換、共同イベント等により各地域住民との共生を目指してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。このテーマにつきまして多くの前向きな御答弁を下さり、誠にありがとうございました。 ちょうど1年前、熊谷市ではラグビーワールドカップが開催され、ホストシティーとして神対応との高い評価を受けました。その中でも、児童・生徒によるおもてなしのインパクトは大変大きかったと思っています。子供たち自身は試合の観戦を通して、世界は広い、そして国籍が異なってもスポーツを通して心は一つにできることを感じたのではないでしょうか。それこそがかけがえのないレガシーになったと信じています。今後、このレガシーを土台に、熊谷市における多文化共生の取組がより一層充実されることを願い、今定例会における私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で10番腰塚菜穂子議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者等に出席者の入替えをお願いいたします。議員におかれましては、田中正議員を除き、議席表Bを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩いたします。              午後 3時50分  休 憩                                                          午後 3時59分  再 開 ○三浦和一議長 休憩中の会議を再開いたします。 △会議時間の延長 ○三浦和一議長 お諮りいたします。 会議時間を午後6時まで延長したいと存じますが、これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と言う者あり〕 ○三浦和一議長 御異議なしと認めます。 したがって、会議時間を午後6時まで延長することに決定いたしました。 △一般質問続行 ○三浦和一議長 次に、5番田中正議員の一般質問を許可いたします。              〔5番田中 正議員登壇〕 ◆田中正議員 皆さん、こんにちは。議席番号5番、田中正です。本日最後の質問となります。よろしくお願いいたします。三浦議長より発言の許可を頂きましたので、通告順に従い市政に関する一般質問を行います。今回、大きく分けて2点質問させていただきます。 1つ目の質問はプロポーザル方式についてです。プロポーザル方式は、民間事業者から提案を求め、提案内容に基づき業務受託者を選定し、随意契約を締結する方法であり、利点として、提案内容を重視して業務受託者の選定を行うことができます。留意点として、価格が高くても提案内容がよいと判断されると受託者となるため、提案内容の評価基準について客観性を確保し、募集の際にあらかじめ明示していくことが必要になります。また、プロポーザル方式は、選定の公平性や透明性が問題とされることがあるというデメリットの部分があるとも言われております。そこで、7点質問させていただきます。 質問1として、プロポーザル方式での件数と主な業務についてお伺いいたします。 質問2として、1つのプロポーザルでのプレゼンテーションに参加した企業数はどのくらいかお伺いいたします。 プロポーザル方式は、専門的な内容を有することも多いため、専門的知識を有する方を審査委員とすることが多くあると思われますが、質問3として、審査委員の選定基準についてお教えください。 質問4として、審査委員に責任感を持っていただけるように報告書に名前を載せることは可能か、お答えお願いいたします。 質問5として、結果の公表について統一化したモデル等はありますか。 質問6として、プロポーザル結果に対する議事録を含めた事業報告の公開についての考えについてお教えください。 質問7として、プロポーザル方式は選定の公平性、透明性、審査委員、評価方法、評価基準について説明責任を果たす必要があると思いますが、どのような対応を考えているかお教えください。 次に、大きな2として、新型コロナウイルス感染症について質問させていただきます。昨年末に発生した新型コロナウイルス感染症は、全世界を巻き込み多数の感染者を出し、また、感染力の強さが経済を麻痺させ、オリンピックの延期や各種イベントの中止、学校の休校等、深刻な社会問題に発展しました。今日に至り、若干の感染者数の減少も見られますが、いまだ収束には至っておりません。また、これからインフルエンザウイルス感染症のシーズンと第3波が起こってくるとの予想もあり、今後も注意が必要です。山形県衛生研究所は今年7月、人に感染する7種類のコロナウイルスのうち、風邪の症状で流行する4種類は、冬に突出して流行するという論文をまとめました。10年間にわたる研究で季節性があることを実証したものです。7種類のうち、SARS、MERS、そして今流行しているCOVID―19は重症化しやすいウイルスとされ、その他4種類は、いわゆる風邪と言われるような軽症のものです。しかし、同じコロナウイルス科に属します。ですから、当然新型コロナウイルスCOVID―19も冬に流行することは十分に考えられます。熊谷市でも新型コロナウイルス感染症に係るPCRセンターを設置しましたが、PCRセンターの今後の在り方について質問させていただきます。 質問1として、現在までのPCRセンターの利用状況についてお教えください。 質問2として、現在PCRセンターは、10月30日までの開設となっていますが、医師会との協議で、今後の新型コロナウイルス感染症の動向で延長することはお考えですか。 質問3として、さきにも述べましたが、これから冬期に向けてインフルエンザウイルス感染症も流行してくると考えられますが、インフルエンザウイルス感染症と新型コロナウイルス感染症との鑑別が治療の面から見ても重要になってきます。開業医とPCRセンターの連携、市民に分かりやすいPCRセンターの利用についてどのように考え、啓発していきますか、お答えください。 以上で壇上での質問は終わらせていただきます。再質問、要望等は質問席にて行わせていただきます。 ◎栗原隆行総務部長 田中議員さんの御質問の1、プロポーザル方式についてお答えいたします。 初めに、件数と主な業務ですが、平成30年度は、ゆうゆうバス運行やラグビーロード、モニュメント設置など3件、令和元年度は、仮設住宅建築工事や統合型GIS構築など5件です。 次に、参加企業数ですが、年度ごとに、最大、最小、平均の順で申し上げます。平成30年度、4社、1社、3社、令和元年度、5社、1社、2社です。 次に、審査委員の選定基準ですが、委員長を含め委員5人以上で構成し、市職員以外の第三者も選任するよう努めることとしています。 次に、報告への審査委員の名前の掲載についてですが、関係者からの接触防止の観点から、審査前の公表はできませんが、審査後であれば公表はすべきものと考えています。 次に、結果公表のモデルですが、全提案者の名称、評価点、契約候補者の名称と選定理由等を標準としています。 次に、議事録を含めた事業報告の公開ですが、議事録は、情報公開制度の中で開示することとし、一律にホームページで公開することは考えていませんが、提案者への通知には選定理由等について記載し、事業全体の報告は、公表のモデルに従い対応してまいります。 次に、選定の公平性、透明性についての対応ですが、審査の方法や基準、配点、日程等について事前に公開し、同じ条件の下、審査しております。このほか、情報公開制度のルールを念頭に、より透明性、公平性を確保できるよう選定過程等について丁寧な説明を行ってまいります。 以上です。 ◎小林教子市民部長 続きまして、御質問2、PCR検査センターの今後の在り方についてお答えいたします。 初めに、PCR検査センターの利用件数についてですが、8月末日現在201件で、日によってゼロ件から10件とばらつきがありますが、平均すると1日当たり約3件です。 次に、設置期間についてですが、医師会に確認したところ、県のPCR検査拡充の方針を受けて、令和3年3月31日まで延長するとのことです。来年度以降については、状況を見て医師会と協議してまいります。 次に、開業医とPCR検査センターの連携、市民への啓発についてですが、現在、発熱等の症状があった場合は、かかりつけ医に御相談いただき、検査の必要がある場合は、かかりつけ医からPCR検査センターを案内しています。また、検査体制の強化のため医師会において各医療機関でも検査を受けられる体制を整えているとのことです。インフルエンザ流行期には、新型コロナウイルス感染症との鑑別が重要と考えておりますので、PCR検査等につきまして、今後も市民の皆様に分かりやすく情報発信してまいります。 以上です。 ◆田中正議員 田中です。それぞれの質問について御答弁いただきましてありがとうございました。 それでは、再質問させていただきます。プロポーザル方式についてですが、審査委員で市職員以外の第三者を選任するとのことですが、具体的に第三者とはどのような人たちのことを指しますか。 ◎栗原隆行総務部長 お答えいたします。 対象業務に識見を有する方を想定しています。対象業務に関する協議会等を別途設置している場合には、その協議会の委員さんにお願いしています。 以上です。 ◆田中正議員 ありがとうございました。 次に、審査に要する時間についてですが、一概に何時間とは言えないと思いますので、1つ具体例として、今年度実施した熊谷市ゆうゆうバス運行に係るプロポーザルに要した時間についてお伺いいたします。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 このプロポーザルには6事業者の参加があり、事業者からのプレゼンテーション、委員からの質疑応答、委員による審議の時間を含め3時間20分ほど要したところです。 以上です。 ◆田中正議員 ありがとうございました。 次に、各項目ごとに点数をつけていますが、この点数はプレゼンテーション中につけているのでしょうか。その場合、時間が短過ぎないか心配であります。配付資料等の吟味も含めて、十分に時間をかけて採点すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎栗原隆行総務部長 お答えいたします。 審査を十分に行うことは大切なことであり、質疑応答や審査時間をプレゼンテーションとは別に設け、審査上の疑問の解消に努め、採点に支障のない時間の確保に配慮しています。 以上です。 ◆田中正議員 ありがとうございました。それでは、要望を述べさせていただきます。 最近の第三者委託の事例では、公開型プロポーザル方式を採用する事業体が多くなってきています。これは、総合統一入札に比べ、業務委託の募集、選定時のプロセスに比較的自由度がある点や、業務受託者決定後の契約交渉で落札事業者との間で業務内容に関わる疑義の解消や甲乙間での思惑のすり合わせの機会が確保され、価格面での確認調整など、甲乙が納得した契約を締結できることがその要因として考えられます。今後も第三者委託や包括的な委託では、プロポーザル方式の採用が増加していくものと考えられます。だからこそ、公平性、透明性のある審議が求められます。また、提案者への通知に関しては、点数と採用不採用だけの記載ではなく、結果の説明が求められます。今回プロポーザル方式についての熊谷市ホームページから各プロポーザル結果を拝見しましたが、1つ例を挙げますと、熊谷市ゆうゆうバス運行事業選定に関する公募型プロポーザル競争の選定結果についてを見てみますと、6社がエントリーしていましたが、各業者とも国土交通省の許可を受け、何十年にもわたりしっかりと業務を遂行してきたと存じますが、業務運行体制の項目で点数の差が、満点集計495点の中で最大82点もの差がついております。いかにしたらそれほどまでの点数の差が出てくるのか、選定結果にはそれに対する回答等はなく、不採用との返答のみでした。これでは到底納得のできるものではありませんし、かえって不信感を招かざるを得ません。ある事例を見ますと、本市の要望に沿った提案がなされ、評価基準に基づき審査を実施し、総合評価の結果により選定したとありました。また、ある事例は、選定委員9名による審査の結果、最高得点かつ満点の75%以上の得票があったためと、ホームページ上ではある程度の制約があるのかもしれませんが、内容には一切触れられていないと感じました。各業者に対しては公平性、透明性を保障するためにも、選定理由等につきまして、具体的で明確な報告をお願いいたします。各業者ともプロポーザル競争に参加するに当たり、膨大な提出書類を準備し、プレゼンテーション資料づくりに多大な時間をかけて臨んでいます。 再度になりますが、各業者への結果の通知には納得できるような公表を含め、回答していただけるよう要望いたします。 次に、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査センターの今後の在り方について1点再質問させていただきます。インフルエンザ流行期には、新型コロナウイルスとの鑑別が重要と考えておりますので、PCR検査につきまして、今後も市民の皆様に分かりやすく情報発信してまいりますとのお答えでしたが、分かりやすい情報発信とはと、内容についてどのようにお考えですか、もう少し詳しくお願いできますか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 発熱やせきなどの症状があった場合に、相談や受診、検査の流れが一目で分かるように工夫し、市報やホームページにおいて見やすい形で広報してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 御答弁ありがとうございました。それでは、要望を述べさせていただきます。 新型コロナウイルスは感染力が非常に強いのにもかかわらず症状が出にくく、約80%は無症状者か軽症で経過するが、高齢者を中心に約15%は重症肺炎となり、約5%は致死的な呼吸促迫症候群になると言われております。また、血管炎や血栓症、脳梗塞、心筋障害などを合併するとともに、急性腎機能不全などの多臓器不全を合併することが多いとされています。また、免疫機能の暴走、サイトカインストームを起こすことも知られております。心臓血管疾患、いわゆる心筋梗塞や高血圧、糖尿病、慢性肺疾患、慢性腎疾患などの基礎疾患や加齢、肥満、喫煙などが重症化リスクの要因として報告されています。また、ウイルス自体が非常に弱いため、体の持つ自然免疫により大半は処理されてしまいます。そのため、いわゆる抗体産生というものができづらいと言われております。ですから、再感染という状態も起きてきています。各国ともワクチン開発に力を注いでいますが、いまだいつできるか分かりません。どのような接種方法がよいのか、効果があるのかも分かっていない状況です。ワクチンは絶対ではないということも頭に入れておかなければなりません。 高齢者の方々は、インフルエンザウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症をとても心配しております。インフルエンザウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症を鑑別するためにも、インフルエンザの予防接種は重要になってくると思われます。インフルエンザワクチン接種を積極的に接種してもらうようなPRもよろしくお願いいたします。 熊谷市民が新型コロナウイルスを恐れずに、発熱した場合でも速やかに安心して診察、治療が行われるよう、分かりやすいパンフレットの作成や情報公開等の施策をよろしくお願いいたします。 検査体制強化のため、医師会において各医療機関でも検査を受けられる体制を整えているとの答弁をいただきました。ぜひとも早期に体制を整えていただきたいと思います。 まだまだ収束の見通しの出ない状況ではあります。基本的な予防策として、うつらないための手洗いの励行、うつさないためのマスクの着用が非常に重要です。自らのできる感染予防対策を実施し、皆さんでコロナ禍を乗り切っていきましょう。 以上で本定例会での一般質問を終わりにいたします。ありがとうございました。 ○三浦和一議長 以上で5番田中正議員の一般質問は終了いたしました。 以上で本日予定されておりました一般質問は終了いたしました。 △散会について ○三浦和一議長 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。              午後 4時21分  散 会...