3 ◯市長(大久保潔重君)[83頁]
おはようございます。
冒頭、私もこのたびのロシアの
ウクライナ侵攻に対しまして、国際秩序を著しく損なうものであり、力による現状の変更は許されないということで強く非難をしたいと思います。
また、同時に、被爆地県民の一人として、核兵器の使用にも触れましたけれども、強く抗議するということで、昨日、
プーチン大統領宛てに抗議文を送らせていただきました。
それでは、森議員の機構改革についての御質問にお答えしたいと思います。
昨年12月
諫早市議会定例会におきまして、機構改革に関する条例改正案の議決をいただき、本年4月に11年ぶりとなる大規模な組織再編を実施することとしております。
まず今後、諫早市政の発展のために総合的な政策を立案する、いわゆる企画の部門と、そこには財源の裏づけが必要であります。財政の規律とともに、新たな財源を探していくということも含めて、企画立案と財政運営の一体化を図る企画財務部、そして、御承知のように、健康福祉部、非常に肥大化しておりますので、その中で子ども・子育て支援に関する施策、あるいは福祉に関する施策を集約する
こども福祉部、それから、健康の推進及び保険事業を所掌する健康保険部ということで分けて、よりきめ細やかに対応してまいりたいと思っています。
地域振興や移住・定住に関する事務などを所掌する地域政策部、それから、商工業の振興とともに、諫早はスポーツのまち、あるいは文化のまちとも言われておりますけれども、スポーツ、文化の振興による交流人口の拡大を経済の発展につなげていきたいという経済交流部をそれぞれ設置することとしております。
議員の御質問にもありました移住・定住対策につきましても、地域政策部に
移住定住推進課を新設する予定であり、また、本市への
UIJターンを促進するため、移住者の
新生活支援の拡充や、小長井地域に
地域おこし協力隊を新たに採用するなど、移住・定住の促進を図ってまいりたいと考えております。
多様化する市民ニーズや複雑化する行政課題に対し、迅速かつ効率的に対応し、より専門性を高めた新たな組織機構の下、チャレンジと連携の姿勢で、市や市民の皆様にとって常に成果を追求する組織でありたいと考えております。
4 ◯森多久男君[84頁]
この4月から健康福祉部が、
こども福祉部と健康保険部の2つの部に分かれますので、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、
身体障害者福祉法、
知的障害者福祉法に定める援護、育成または更生の措置に関する事務をつかさどる、要するに福祉事務所は、どこの部署が所管するのかをお伺いする予定でしたが、昨日の代表質問の中で、
こども福祉部が所管すると市長から説明がありましたので、次の質問に入ります。
小項目2番、なお、教育委員会でも新しい組織ができるようですので、その具体的な業務内容を教育長にお伺いします。
5 ◯教育長(石部邦昭君)[84頁]
学校改革準備室についてお答えします。
学校改革準備室は、令和4年4月の機構改革に合わせて教育委員会の中に新しく設置を予定しております。
市内には、現在、諫早市立の小学校が28校、中学校が14校あり、宅地開発等で児童生徒数が増加している大規模校がある一方で、人口減少により複式学級のある過小規模校も存在します。
子どもたちにとって、全ての学校で学びの質が保障されていることが大事であり、望ましい集団生活の中で活気に満ちた活動ができるよう、本市においても学校の適正規模・適正配置について考える時期に来ているものと判断しております。
学校改革準備室では、学校の適正規模・適正配置について、統廃合を含めた学校の在り方を研究することとしており、希望ある学校づくり、末永く住民の信頼を得られるような学校づくりを目指すよう考えております。
今後の教育環境をどう整えていくのか、市内全ての学校を対象として多角的に捉え、
義務教育学校、小中一貫校などの新しい学校の在り方も含めて検討してまいりたいと考えております。
6 ◯森多久男君[84頁]
この新しい組織で
大久保カラーがますます出てくるように期待して、次の質問に入ります。
大項目2番、令和4年度当初予算案についてお伺いします。
小項目1番、この3月議会には、令和4年度の諫早市当初予算案が提出されていますが、大久保市長として重点を置いた予算編成や多くの市民に知っていただきたい主要事業案について、大久保市長の目玉事業も含めて、その予算額と具体的な事業内容をお伺いします。
7 ◯財務部長(岩本 広君)[84頁]
令和4年度当初予算の編成方針と主要事業の内容についてお答えいたします。
令和4年度当初予算案につきましては、新型コロナを乗り越え、少子高齢化・
人口減少対策や災害に強いまちづくりなどの重要課題にオール諫早で取り組む新しい諫早づくりを始める
チャレンジ予算として編成いたしました。
主な事業といたしましては、
交流人口拡大を図ることを目的として、
西九州新幹線の
開業関連事業に4億6,088万6,000円、国道251号沿いに計画している道の駅整備に9,980万円のほか、新たな取組としまして、
山茶花高原ピクニックパークの
リニューアル基本計画の策定事務に1,700万円を計上しております。
また、移住・定住促進の取組といたしまして、小長井地域での
新生活に対する支援に3,250万円、さらに新規事業として本市の
土地利用規制等に関する総合的な検討を行う
土地利用政策検討事業に1,550万円、地域交通のマスタープランとなる
地域公共交通計画の策定に1,290万円をお願いしているところでございます。
このほか子ども・子育て支援の一環として、いさはや
子育てネットの機能の拡充に980万円、
防災減災対策といたしまして、市民の
防災意識向上などを図る
地域防災力強化事業に3,178万7,000円、消防団の活動や魅力を伝える動画の作成などを支援する
消防団員確保対策事業に5,700万6,000円を計上しております。
8 ◯森多久男君[84頁]
小項目2番、この来年度予算の中で、特に長田地区のまちづくりへの仕掛けについて、どのような施策を実施されるのか、大いに関心があります。
そこで、長田地区で来年度実施する予定の主要事業と、その具体的な事業内容についてお伺いします。
9
◯政策振興部長(中村秀憲君)[84頁]
長田地区で令和4年度実施予定の主な事業についてでございます。
まず、長田地区の基幹産業でございます農業におきましては、さらなる生産振興を図り、効率化、高収益化を目指すため、
県営基盤整備事業で現在実施中の正久寺地区に加え、新たに高天町などの
長田東部地区において取り組まれることとなっております。
次に、生活基盤におきましては、
市道西里御手水線の側溝整備や
正久寺白浜線の
橋りょう補修設計、小豆崎地区の
公共下水道整備などとともに、すみよか事業を引き続き実施し、日常生活に密着した道路や水路、
交通安全施設等の小規模な改良などを予定しております。
安全なまちづくりでは、東鍬崎川、西里川や正久寺、高天、猿崎地区内の
農業用施設等の
緊急しゅんせつを計画しておりまして、あわせて草原地区の急
傾斜地崩壊対策事業にも引き続き取り組んでまいります。
そのほか、長田いこいの広場や小学校、白木峰高原において改修等を予定しておりまして、適切な施設の管理に努めるよう計画しております。
長田地区におきましては、幹線道路の整備や
土地利用規制の緩和、特に、地域住民の皆様の御協力のおかげで、近年、民間事業者による宅地開発などが進んでおりまして、長田小学校の児童数が平成29年度に比べ令和3年度で21人増加しているなど、一定の成果が現れていると思います。
今後も地域住民の皆様の御協力を頂きながら、活力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
10 ◯森多久男君[85頁]
小項目3番、新しい課を新設して移住・定住対策を実施されるに当たり、その予算額と事業内容がどのように充実されるのか、これまでとどのように違うのかを含めて、具体的な事業内容をお伺いします。
なお、昨年12月8日の長崎新聞に「大村市の移住・
定住サイト優秀賞」という記事がありました。詳しく内容を見ますと、大村市の移住・
定住促進ホームページ「おおむらくらしのおおくらさん」が、「
日本地域情報コンテンツ大賞2021」のウェブ部門で優秀賞に輝いたということでした。
全国から244媒体がエントリーしての受賞ということですが、諫早市もエントリーされたのか。もしエントリーされていないようであれば、来年度このような取組予定があるのかについても併せてお伺いします。
さらに、もう一つ、今年の1月5日の長崎新聞に「対馬への移住PR、15、16日
JR博多シティでイベント」という記事がありました。詳しく内容を見ますと、対馬市と
県対馬振興局、
ハローワークが「おかえり!ようこそ!
対馬ぐらしフェア」という
移住希望者向けのイベントを開き、島内企業10社程度も参加予定と書いてありました。
移住のPRを対馬市だけではなく、県、
ハローワーク、地元企業と一緒にされるというのは大変すばらしいと思います。
そこで、諫早市としても、このような
ハローワークや地元企業も含めたイベントなども来年度実施される予定があるかも併せてお伺いします。
11
◯政策振興部長(中村秀憲君)[85頁]
令和4年度の移住・定住に関する予算額と事業内容についてでございます。
現在、本市における移住・定住に関する業務は、
政策振興部地域づくり推進課で担当しておりますが、令和4年4月の機構改革により
地域政策部移住定住推進課がその業務を行うことになります。
令和4年度は、これまで取り組んでまいりましたいさはや
生活実現事業や、小長井地域に係る小長井地域
新生活応援事業については、それぞれ内容の拡充や予算の増額を行い、また、
空き家バンク利用促進事業については、利用を希望される方の増加に応じた予算としております。
地域おこし協力隊の活動に係る
地域おこし支援事業につきましては、これまでの1名から4名に増員し、うち2名を小長井地域に配属して、新たに小長井地域の持続的発展を支援することとしております。
また、移住相談会への参加など、移住・定住促進のための施策を積極的に進めてまいります。
そのため、移住・定住に係る予算額といたしましては、令和3年度現計と比較して約3,800万円、73.1%の増額となったところでございます。
本市におきましても、これらの施策を分かりやすく伝えるとともに、本市への移住に興味を持っていただけるよう関係部局と連携をしながら、
ホームページの更新をはじめ、積極的なPRに努めてまいります。
なお、御紹介いただきました大村市が受賞したコンテストへのエントリーは行っておりませんが、エントリーできるような質の高い
ホームページや動画作成に取り組んでまいりたいと考えております。
また、今年度新たに作成しました
移住定住パンフレット、このような
パンフレットをつくっておりますけれども、(
パンフレットを示す)これを活用するとともに、対馬市などが福岡市で実施したイベントにつきましても、今後、実施をするかどうかということも検討しながら、より効果的な取組を実施してまいりたいと考えております。
12 ◯森多久男君[86頁]
次の質問に入ります。
大項目3番、諫早市の魅力発信についてお伺いします。
小項目1番、1月25日の長崎新聞に、松浦市長に再選された友田市長の
インタビュー記事がありました。その中で、「アジの
水揚げ高日本一を生かした「アジフライの聖地」宣言で、松浦の知名度を一躍全国区にした」と記載されています。
友田市長自身も、特に「アジフライの聖地」はメディアに取り上げられ、松浦市の
知名度アップにつながったと言われています。
私は、松浦市のことについては余り知りませんでしたが、この「アジフライの聖地」宣言を聞いて、ぜひ一度食べに行きたいと思い、
観光パンフレットなどを取り寄せてみました。なお、私の友人は、直接、松浦市に行って
アジフライ定食を食べてきました。
そこで、大久保市長にお願いを込めての質問をさせていただきます。「来てよし、住んでよし、育ててよし」の
キャッチフレーズは、諫早市民にはよく分かるのですが、東京や大阪の人たちの中には、諫早という自治体名を読めない人も多くおられます。
別に、松浦市をまねるわけではありませんが、新しい課をつくって移住者などを増やすためにも、また、新幹線の駅名にもなりますので、せめて諫早という自治体名を全国民が読める程度の
知名度アップ策は必要ではないかと思います。
そこで、大久保市長に、全国向けに新しい
キャッチフレーズや何か新しい取組などを考えていただき、諫早市の魅力を発信していただきたいと思いますが、大久保市長のお考えをお伺いします。
13 ◯市長(大久保潔重君)[86頁]
諫早市の
知名度アップ策についてお答えします。
私が、郷土諫早の近未来像として掲げる「来てよし、住んでよし、育ててよし!あなたのまち・諫早!!」を御紹介いただきましたが、これは交流人口の拡大、子育てを含む快適な生活環境の実現、災害や感染症に強いまちづくり、また、多様なひとづくりなど市政運営に対する理念を表現したものであります。
この理念を実現することで、市民の皆様には住み続けたいと思っていただけるようなまち、都市部をはじめ市外の皆様には、諫早市の魅力を感じ、そして、新たな生活拠点として選んでいただけるまちづくりをしたいという思いを込めておりますので、これを広く認知していただけるよう様々な場面で発信していきたいと考えております。
また、本市は、
スポーツパークいさはや、
本明川ボート練習場など、スポーツのまち諫早としてすぐれた施設を有しているほか、豊かな自然や豊富な農産物や海産物など多くの魅力ある素材を持っております。
今後は、今年秋の
西九州新幹線開業をはじめとして、令和6年度のインターハイや令和7年度の国民文化祭など、本市が全国に向けて情報を発信する絶好の機会が続きますので、私自身も可能な限り様々な場所に出向くとともに、SNS等も活用しながら、本市の魅力発信を積極的に行ってまいりたいと考えております。
14 ◯森多久男君[86頁]
小項目2番、12月1日の長崎新聞に、「本県人口6万超減少」というタイトルの記事があり、2020年国勢調査の
県内人口確定値が明らかになったということで、諫早市は13万3,852人になっていました。
なお、大村市と佐々町が増加していますが、減少数が多いのは、長崎市、佐世保市、諫早市の順と書いてあり、諫早市は4,226人減少しています。
ところが、2月2日の長崎新聞に「長崎市
転出超過拡大」という記事がありました。これは、総務省が公表した2021年の日本人の
人口移動報告の記事で、長崎市や佐世保市の状況などが書いてありましたが、その最後に、「一方、転入が上回ったのは、大村市と諫早市だけだった」と記載されていました。
これまで社会増に対する全国の取組事例なども示して質問してきましたが、諫早市として転入者が転出者を上回る社会増になったのは、新市発足後初めてではないかと思いますが、2021年に258人増加したという記事をとてもうれしく思いました。
そこで、この258人増加した理由が、諫早市に住宅を建設して転入した人、転勤で転入した人、県外からIターンなどで転入した人などを分析して、社会増が単年で終わらないためにも、今後も諫早市としての魅力を発信していただきたいと思います。
そこで、人口の社会増に対する取組について、今後もしっかりとした対策と計画が必要だと思いますが、諫早市としての考えをお伺いします。
15
◯政策振興部長(中村秀憲君)[87頁]
本市の人口の
社会増減対策についてでございます。
昨年10月に公表されました令和2年の国勢調査では、諫早市の人口は13万3,852人で、前回平成27年の調査から4,226人減少しております。
一方、本年1月に公表されました令和3年の
住民基本台帳人口移動報告では、本市の転入者は4,721人に対し、転出者は4,463人で258人の社会増という結果となりました。
転入超過となった要因でございますけれども、本市が行っている
アンケート調査の結果によりますと、平成30年以降、就職、住宅、それから、婚姻等の事由による転入が多くなってきております。
このことは、本市がこれまで取り組んできました企業誘致による雇用創出や土地利用の規制緩和による住宅地の拡大などの効果が現れてきているものと思われます。
今後も引き続き社会増の状態を継続させるため、企業誘致による雇用創出をはじめ、土地利用の規制の見直しや移住・定住に向けた情報発信力の強化など、人口増加に向け積極的に施策を講じてまいりたいと考えております。
16 ◯森多久男君[87頁]
組織機構改革で、地域振興や移住・定住に関する事務などを所掌する地域政策部に
移住定住推進課ができましたので期待をしております。
次の質問に入ります。
大項目4番、九電みらいの森についてお伺いします。
2月1日の長崎新聞に、「諫早に九電みらいの森」という大きな記事があり、「財団、県市と協定」「10年かけて植林、
環境教育拠点に」という見出しもありました。
そこで、詳しく内容を見ると、九電みらい財団が、いさはや九電みらいの森を諫早市大場町に整備すると発表したという記事でした。
県と諫早市と協定を締結し、本年度から10年間、地域と協働して広葉樹の森をつくり、脱炭素化に取り組む計画とも記載されています。
そこで質問ですが、諫早市は九電みらい財団とどのような協定を結び、これから諫早市はどのように関わっていき、市民にとってはどのようなものになるのかお伺いします。
17
◯農林水産部長(松落輝彦君)[87頁]
九電みらい財団の事業に関する御質問にお答えをいたします。
公益財団法人九電みらい財団は、環境活動と
次世代育成支援活動を通じて九州の未来に広く貢献するため、
九州電力株式会社が設立した財団でございます。
今回、九電みらい財団が、地域と協働で植林に取り組みながら、環境教育や市民交流の拠点となる森づくりを通じて、地域住民と一緒にカーボンニュートラルに取り組んでいくという目的の下、新たな取組である九電みらいの
森プロジェクトを開始しておりまして、財団にとっては大場町片木地区が初めての事業地でございます。
今年の1月31日に、事業実施者である九電みらい財団、土地の所有者である諫早市、そして、仲介役である長崎県の三者でいさはや九電みらいの森に関する協定を締結したところでございます。
内容といたしましては、大場町の市有地2ヘクタールに広葉樹の植林や遊歩道、ベンチ等のフィールド整備を行い、下刈りや除伐等の育林を行いながら、森林環境教育に活用していくものとなっております。
明政クラブの並川でございます。どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。
今までは市長の施政方針に対する代表質問で、ここへ来ておりましたけど、代表質問は同僚の松本議員に代わっていただきまして、今回は一般質問をさせていただくということで、市民の声を反映させる場所に立たせていただきました。
議員の役割は市の予算や事業のチェックということでありますので、それを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
それでは、第一番目に諫早文化会館(仮称)文芸・音楽ホールについて、建設計画の考え方及び課題等を問うてまいりたいと思います。
当初、文化会館に隣接する旧諫早市営第一野球場跡地に(仮称)文芸・音楽ホールを建設し、整備後、文化会館の改修を行うとの計画があったと思いますが、昨年の6月議会において、市長から、文化会館の中ホール、大ホールの改修を調査したところ、想定以上の改修が必要であるということ、それに伴う多額の費用も必要ということの発言があったかと思います。
それで、新たに建設しようとしていた(仮称)文芸・音楽ホールの建設はどうなったのか、市長から文化会館を含めて、(仮称)文芸・音楽ホールも一旦仕切り直して考えてみたいということでしたので、そこら辺をまず、(仮称)文芸・音楽ホールがどうなったのかお尋ねをしたいと思います。
36 ◯市長(大久保潔重君)[91頁]
並川議員の諫早文化会館、また(仮称)文芸・音楽ホール建設計画の考え方及びその経過等について、お答えを申し上げたいと思います。
まず、諫早文化会館の老朽化対策に関する検討経過でありますが、本施設は昭和55年に建築され41年が経過しており、近年は雨漏りや空調設備の故障が頻発するなど、その対策が急務となっております。
また、吊天井の落下防止対策や耐震補強なども必要であり、今後、大規模改修による長寿命化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、(仮称)文芸・音楽ホール建設計画につきましては、当初、文化会館南側既存駐車場に合築、もしくは併設する案について検討を行いましたが、地盤が脆弱であるなどの問題もあり、最終的に近接する市営野球場跡地に中規模ホールを整備することとして、これまで取り組んでまいりました。
しかしながら、既存の文化会館と中規模ホールの高低差を解消するためのエスカレーター等が必要となり、建設費や維持管理費が割高になることや、両施設間の移動で利用者に御不便をかける懸念があります。
一方で、庁舎の近くにあります諫早市民センターは昭和47年に建築され、既に49年が経過し、こちらもまた電気・機械設備の故障や雨漏りの発生など、建物の老朽化が進行しており、建て替えについても検討する時期に来ているものと考えております。
このため、これまで検討してまいりました(仮称)文芸・音楽ホールにつきましては、中規模ホールと諫早市民センターとを併せて建て替え整備することにより、日常の練習場所で発表会等ができるなど、利便性の向上や整備費や維持管理費等が縮減できるものと判断しておるところであります。
建設地としましては、諫早市民センターの利便性を考慮し、これに隣接する庁舎前芝生広場を候補地とすることが、公共交通の利便性も高く、諫早アエル中央商店街を含む中心市街地の活性化、市民文化の振興にも大きく寄与するものと考えております。
以上、現時点では、これはあくまでも構想段階ではございますが、今後、関係者とも協議しながら整備に向けた検討を、スピード感をもって行ってまいりたいと考えております。
37 ◯並川和則君[92頁]
ありがとうございます。(仮称)文芸・音楽ホール建設については、今のところの構想は中央公民館、市民センター、あそこも49年ほど経過し、老朽化しているということで、この市民センターもずっと議員の皆さんからも懸念された建物で、毎年修理の予算が
新年度には計上されており、今年度も計上されているのではないかなと思っております。
今、市長から答弁がありましたように、利便性もいいし、そして商店街も近いことからも、それも活性化に少しでも寄与するようであれば、ぜひ今の市民センターあたりに計画を進めていただければ、総合的に考えると、今の文化会館の隣接に建設した場合のランニングコスト、維持管理が高くつくのであれば、市民センターも公民館的なところも考えておられるようですので、一番それが本当にいいのではないかなと思います。
ぜひ関係者の皆さん方と御相談していただいて、そちらにできれば幸いかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に行きます。小学校、中学校給食費完全無償化について。ちょっと教育長にお伺いしますけど、現在、要保護、準要保護の人たちに対して給食費が無料になっているかと思いますが、その支援額は幾らになるのか。
また、センターには調理員の方がいらっしゃいますよね。そして給食の各学校への配送業務、その委託費、その2点は個々に言ってもらってトータル幾らになるのか、お願いします。
38 ◯教育長(石部邦昭君)[92頁]
要保護世帯及び準要保護世帯の学校給食費に係る市の負担額は、令和4年度の試算で約7,000万円でございます。
続きまして、保護者が負担する食材費以外の学校給食に係る経費につきましては、西部学校給食センターで1日約5,500食、東部学校給食センターで1日約6,300食の調理・配送・配膳業務を行う民間業者への委託料であり、その委託料は令和4年度で、西部学校給食センターが約2億円、東部学校給食センターが約2億2,400万円、合わせまして約4億2,400万円と試算しております。
39 ◯並川和則君[92頁]
今既に4億2,000万円、調理員、給食配送業務の委託費までかかっているということですよね、給食費の支援額も含めて。(発言する者あり)失礼。4億2,400万円にプラス7,000万円、今、約5億円が、市で計上されているわけなのですが。冒頭申しましたように、小学校、中学校で完全無償化にした場合、増額費用はどのぐらい見込まれていますか。
40 ◯教育長(石部邦昭君)[92頁]
小学校、中学校、全ての児童生徒を対象とした完全無償化になりますと、約4億4,000万円が新たに必要と試算しております。
41 ◯並川和則君[93頁]
新たに4億4,000万円の財源が要る。先ほど、冒頭お聞きしました5億円と4億4,000万円の費用がかかるわけですよね。これを実施するとした場合に、継続して今の市の財源でできるのかどうなのか。
この件については、市長が給食費完全無償化を明確にするとは言っておられませんね。検討をしてみたいということを言われたと思います。今の考えはいかがでしょうか。
42 ◯市長(大久保潔重君)[93頁]
小・中学校給食費の無償化についてお答えしたいと思います。
私も諫早っこの未来を育むため、子育て支援の一環として小・中学校の給食費無償化ということで、支援をしたい気持ちはあります。ですが、先ほど教育長の答弁にもありましたように、予算ベースで、今までに加え約4億4,000万円ほどの財源が必要になってくるということであります。
しかもそれが一過性のものではなくて、持続可能なものとして取り組んでいかなければいけない政策かなと思っております。そういう意味では、新たな財源探しも含めて、この4月からスタートします、新しい企画財務部の中で財源探しもしながら検討をしていきたいということであります。
43 ◯並川和則君[93頁]
私が心配するのは、新たな財源ですよね。その財源をどうするのか。4億幾ら、ずっと継続できるのかどうなのか。そこら辺を大変心配しております。
無理矢理これを実施されて、その他の事業の足かせにならないように、お願いしたいと思います。この件については以上でございます。
次が、ちょっと明るい話題でいきたいと思います。
市の支援体制を伺うわけですが、諫早市母子寡婦福祉会無料塾ひまわりについてです。1月4日、正月早々だったのですが、新聞記事に大きく取り上げてありました。その記事の中で、福祉会及び鎮西学院大学、これは社会福祉協議会も含まれておりますが、その協力のもと昨年9月開講したことが紹介されておりました。
その記事の中でも、自治体が地域の団体に委託し、そこに大学と連携した運営は県内で初めてであり、地域が持つ人的資源やノウハウを活用した先進事例になりそうだということを紹介されておりました。
この件につきましては、子どもの貧困問題や、それがもたらす教育格差が指摘される中、諫早で新たな試みが始まったということで、この記事を見てすばらしいことを諫早市はやっておられるということで、本当にその記事を食い入るように読ませていただきました。
諫早市は、先ほど申しましたように、周りの方々の協力によって無料塾が開講されたということですが、福岡市でも2月11日の新聞に掲載されておりましたけれど、
新年度から習い事をする小学5年生から中学3年生に対しての月額1万円の支援が決定されました。
その理由として、先ほどとも重複するようでありますが、家庭環境に関わらず、子どもたちが夢を持ち、スタート地点からの格差がなくなるようにという、これは福岡市長のコメントですが、諫早の大久保市長が目指す子ども子育て支援、育ててよし、というところの思いと考えは一緒ではないかなということで、この件については本当に今後もずっと続けて支援していただければと思います。
そこで、このひまわり塾の開講までの経過と、市としての支援はどのように行ってここまで来たのか。いろいろあったかと思います。すっすっといった案件でもないと思いますが、健康福祉部ですか、子ども支援課が何か頑張っておられたということを聞いておりますが。そこら辺の経過、今日まで来た経過をちょっと紹介してもらえませんか。
44 ◯健康福祉部長(関 栄治君)[93頁]
ひとり親家庭学習支援事業、通称ひまわりにつきましてお答えいたします。
ひとり親家庭学習支援事業は、親との離別、死別などにより、経済面や精神面で不安定な状況に置かれているひとり親家庭の小学生や中学生に対し、大学生や教員OBなどがボランティアで学習支援をすることで児童の学習習慣などを定着させ、ひとり親家庭の学習環境の充実を図ることを目的とする事業でございます。
ひとり親家庭の子どもに対する学習支援につきましては、かねてから諫早市母子寡婦福祉会から事業実施の要望がなされておりまして、実施のための学習ボランティアの確保や実施する場所の選定、あるいは財源の問題などにつきまして、検討を重ねてきたところでございます。
この学習支援ボランティアにつきまして、市内大学の鎮西学院大学及び教員OBの方々に御支援をお願いしたところ、快く引き受けていただき、また財源につきましても、子どもの生活・学習支援事業として、国・県の補助事業の活用の見込みが立ったことから、令和3年6月市議会において予算を計上し、御議決をいただいたところでございます。
事業の仕組みでございますけれども、この事業は市内在住のひとり親家庭の小中学生で、児童扶養手当の支給を受けているか、または同等の所得水準にある方を対象としておりまして、市の委託事業として諫早市母子寡婦福祉会に業務を委託し、大学や福祉団体と連携を図りながら、諫早市社会福祉会館において実施しております。
これまでの経過の中で、事業の実施に当たりましては、学習ボランティアの確保に向けて鎮西学院大学との調整、学生向け説明会の実施、使用する教材の検討、実施場所の確保など、母子寡婦福祉会と協力しながら準備を進めてきた経過がございます。
45 ◯並川和則君[94頁]
鎮西学院大学も、地域貢献ということで、協力していただき、本当によかったなと思っております。しかし、これも長く続けるには、やっぱり人材が必要になってくると思います。学生さんも、今、23人の方が登録されている。また、副学長をはじめ、教諭、また退職された先生方も登録していただいている。やはり、そこら辺をずっとつなげていってもらわないといけない。
そこで、教育長もずっと今まで教育畑で来られた。その人脈を生かしていただいて、やはりこういう人材を教育長のほうから、協力していただければありがたいなと思いますが、いかがですか。
46 ◯教育長(石部邦昭君)[94頁]
私のつながりで、応援できる面があろうかと思っております。また、鎮西学院大学では、教職志願者がこの二、三年で増えてきております。教えることの喜びとか難しさとか、そういうことも味わうこともできるという点で、このひまわりは学生にとって非常に有意義なところでありまして、教職の道へつながっていくものではないかなと思っております。応援してまいりたいと思っております。
47 ◯並川和則君[94頁]
ありがとうございます。本当に今後ともよろしく教育長、お願いしたいと思います。
ここで、市長、この仕組み、市長が目指す、先ほど申しましたように、子ども子育て支援、総合的にとらえての感想はいかがでしょうか。
48 ◯市長(大久保潔重君)[94頁]
今、並川議員に御提案をいただいております、通称ひまわりの事業でありますけれども、実は私も長崎新聞の記事の後でしたけども、去る1月8日、ちょうど社会福祉会館で、諫早市手をつなぐ育成会の成人式があった折に、通称ひまわりの事業を視察させていただきました。
先ほどから説明がありましたように、鎮西学院大学の現役の学生さん、それから教員のOBの方、あるいは市役所の職員がボランティアで子どもたちにマンツーマンで学習指導をしている状況を視察いたしました。
その中で、お子さんたちの表情を見ると、そのときは恐らく事業がスタートして10回目ぐらいだったと思いますけれども、非常に心を開かれているのかなという感じで、生き生きと学習をしている姿勢を見ました。
ひまわりの事業がきっかけで、子どもたちが学習をするという習慣を、日常生活の中でつくり上げるということは、ものすごく大きな効果があるのかなと思っております。
また、鎮西学院大学をはじめ、母子寡婦福祉会に業務を委託してということでもあり、そういう意味では、私が日頃から言っておりますチャレンジと連携の姿勢ということ、まさに合致した事業であるかなと思っております。
いずれにしましても、恐らくこれは県内初の試みかなと思っておりますので、しっかりとこの制度を維持できるように頑張っていきたいと思います。
49 ◯並川和則君[94頁]
ありがとうございます。母子寡婦福祉会で、ひとり親世帯にその塾の募集をしたところ、20人の定員がすぐ満杯になったということであります。もし今後、市の施設の中で適当な場所があるようであれば、もう一つでも考えていただいて、手厚い支援をしていただければと思いますけど、教育長、どうですか。
50 ◯教育長(石部邦昭君)[94頁]
大変有意義な取組ではないかと私も思っております。恵まれないといいますか、そういうひとり親家庭の子どもたちが勉強している姿というのを見て、心を打たれるものがありますので、まずこの今のひまわりを軌道に乗せて、またさらに拡大することができれば、またそのときに考えていきたいと思っております。
51 ◯並川和則君[95頁]
その点もよろしくお願いしておきたいと思います。
それでは、次に行きたいと思います。
これは私の質問のメインでもあります、高齢者への交通費助成についてです。
この件については、ずっと何回も同僚議員が質問してきた、内容は皆さん方も知り尽くしておるということで、今までの経緯はもう申し上げません。令和2年9月議会において、この場において全会一致で採択したと。今、定数26名ですけれど、その当時は30名でした。30名の皆さんが、地域のそれぞれの声を聞かれて、全員が賛成したということで、そのときの答弁が検証をしてみたいという答弁ではなかったかなと思いますが、この検証の結果、現在のところはどうなっているのか、分かる範囲でお願いします。
52 ◯健康福祉部長(関 栄治君)[95頁]
この請願を受けまして、検証の報告をさせていただきました。その後、諫早市老人クラブ連合会などと話をしたり、あるいは他市の状況ということで、雲仙市、西海市にお話を伺っております。西海市はコロナということで、文書と電話でのやり取りになりましたけど、雲仙市には直接伺って、助成制度の確認などを行ったところでございます。
53 ◯並川和則君[95頁]
これについては、本当に喫緊の課題というか、私としても優先順位から言わせてもらえば、ぜひ実施してもらいたいというのが、この交通弱者の件ではないでしょうか。商業施設、これも昨日、おとといだったか、開発申請をされたという話をお聞きしましたけど、そこで、にぎわいの町、また交流人口も増えて、いい方向にいくのではないかなということで、一日も早く、商業施設のほうも進めていただきたいと思います。この交通弱者、これは市老連、会員の方が6,500名ほどいらっしゃるのですか。その中で、もう本当に困っている人、免許証も持たないという方たちだろうとは思いますが、2,590人に対して回答者が2,002人の
アンケート調査をしたところ、本当に切実に回答をされている。
その回答も、地域によってはいろいろと交通体系が違うので、意見はなかなか一致するところは難しいかなと。諫早市のこの地形を考えてもです。いろいろ要望があったり、地域の人たちからのお願い事があったりして、今までの段階で、乗合タクシーを有喜が、まず最初に始められたのでしょうか。
それから、あちらこちら要望があって、現在、本野地区とか、長田地区とか4路線が運行していると思いますけれど、やはり、乗車率ですよね。乗る人のニーズに合っていない。平均乗車が1.1とか1.3とか、やはり機能していないと、これはなかなか難しいですよね。この交通体系を、皆さんに不自由をかけない万全な対策というのは、まず出てこないのではないでしょうか。そうしたら、どうしたらいいのかということです。
昨日、同僚の代表質問の中で、交通弱者といいますか交通体系のことで、市長から2月に協議会を設置されたというお話がありました。それで、私もほっとしたところもあるわけなのですが。
協議会を設置したというのは、市長は前向きにとらえておられるのではないでしょうか。どのようなことが前向きなのか、中身はよく分かりませんが、協議会を設置された場合には、これはいろいろな問題等々は定義されていますので、協議会も一年も二年もかかるわけはないわけですよ。二、三回すれば協議会で結論は出ると思うのです。
そこで、デマンドバスだ、タクシーだとやっても、先ほど言ったように諫早の地形が放射状になっていて、なかなか必要な方を拾う、乗車させるというのは困難です。そこで私の結論を申し上げますと、では平等にするにはどうするか。もう交通費の助成しかないわけですよ。他市の事例を今まで部長は参考にされたと思うのですけれど、諫早市において、例えば75歳以上の方々に対し、私、今、他市と比較して、この辺が妥当かなという金額を申し上げますけど、5,000円。75歳以上の高齢者というのはどのくらいいらっしゃいますか、部長。
54 ◯健康福祉部長(関 栄治君)[95頁]
75歳以上の高齢者ということで、住民基本台帳で今年の1月1日の人口ですけれども、2万605人です。
55 ◯並川和則君[96頁]
計算すれば分かるのでしょうけど、私が申しました5,000円として金額にしてどのぐらいですか。
56 ◯健康福祉部長(関 栄治君)[96頁]
健康福祉部で試算しておりまして、1人5,000円と仮定した場合には約1億302万5,000円です。
57 ◯並川和則君[96頁]
75歳以上の人口、2万605人、住民基本台帳から拾われた人数だろうと思うのですけど、この中にはまだ現役で車に乗っていらっしゃる方はかなりいらっしゃると思うのです、現に私も乗っています。
そういう現役の方、免許証を持っている方はどのくらいいらっしゃるのか、そこら辺の把握はできないですよね。これは通告もしていませんでしたので、分からなければ分からないでいいです。
58 ◯健康福祉部長(関 栄治君)[96頁]
免許証を返納された方も、支援の対象ということで、先ほど各市の話をしましたけれども、運転される方を対象にしている市もございまして、当然議論が必要かと思っておりますが、すみません。まだ数字的なものは把握しておりません。
59 ◯並川和則君[96頁]
他市は他市の事情でいろいろ検討されて、支給する範囲というのは決められたと思うのですけど、もうここのところ、諫早市においては協議会も設置されたということですので、ぜひ市長、私の希望ですが、交通費助成をするというか、したいということについての考えはいかがですか。
60 ◯市長(大久保潔重君)[96頁]
なかなか厳しいかなと思いますが、市以外の取組として、県とか国でこういった取組はないのか、そういった事例はないのか、お尋ねします。
120 ◯教育次長(高柳浩二君)[ 109頁]
国や県における小児科を目指す学生を対象にした奨学金についてでございます。
調べましたところ、国や県におきましても小児科医を志す学生に限定した給付型の奨学金は実施されていないという状況でございます。
ただし、奨学金ではございませんけれども、県におきましては、大学医学部を卒業後に県内の医療機関で医療研修を受ける臨床研修医に対して研修期間に係る修学資金を貸与し、研修終了後、県内の僻地や離島の医療機関に一定期間勤務した場合に償還を免除するといった制度がございます。
そのほか大学医学部の入学生や在学生の中で、将来、県内の離島医療に進んで従事しようとする者を対象に、入学金や授業料、生活費などを貸与し、医師免許取得後に一定期間、離島にある県の医療機関などに勤務した場合、償還を免除するといった制度もあるようでございます。
なお、これらは今お話しましたように、いずれも県内の離島、あるいは僻地の医師不足を解消するための制度のようでございます。
121 ◯青山昭広君[ 110頁]
分かりました。
少子化については、本当、いろんな背景があると思います。移住促進、定住人口の拡大を進めていく中で、24時間体制の小児医療の充実というのは、本市の強みになると考えられますが、本市の子育て支援について市長はどのように思われるでしょうか、よろしくお願いします。
122 ◯市長(大久保潔重君)[ 110頁]
本市の子育て支援における小児医療も含めた状況、考え方について、お答えいたします。
まず本市の小児医療体制の現状でありますけれども、開業小児科による平日と土曜日の昼間の通常の診療に加えて、日曜・祝日、お盆や年末年始には、諫早医師会が運営する休日当番医のうち小児科専用の診療ができる体制を整えていただいております。
また、診療時間外である準夜間の対応としまして、諫早総合病院内に諫早医師会、諫早総合病院、そして諫早市の三者連携で諫早市こども準夜診療センターを開設し、365日午後8時から午後11時まで診療を行っているところでございます。
このほか、長崎県が運営するこども医療電話相談では、平日と土曜日は午後6時から翌朝8時まで、日曜・祝日は24時間、小児科医や看護師から子どもの急病に対する相談や応急の仕方など、アドバイスが受けられる仕組みがございます。
さらに、症状や緊急性により入院治療を必要とする子どもへの対応については、総合病院的機能を持つ市内の救急病院が24時間体制で診療に当たっていただいております。
このように、本市の小児医療体制は一定の整備が図られておりますが、そのほかにも先ほど申しましたすくすく広場での妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援など、様々な施策を展開しており、引き続き諫早で子育てをしたいと思うことができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
123 ◯青山昭広君[ 110頁]
ありがとうございます。先ほどいろんな背景と申しましたが、資料を見ますと、3歳児未満がいる家庭の六、七割が家庭のみで子育てをしていると、ふれあい広場とか子育てサロンとかを利用されてないところが六、七割いらっしゃるということですね。
先ほども申しましたが、現在、核家族化が非常に進んでおります。地域のつながりも希薄になってきているというような状況や移住とかそういった関係で、自分が生まれ育った地域以外で子育てをされて、不安な方がたくさんいらっしゃるかと思います。
今後もそういった不安を少しでも取り除いていただいて、安心して子育てができる環境を作っていただきますよう、よろしくお願いします。
次に、地域と学校の関わりについて、お尋ねします。
小・中学校に対する社会教育の現状と課題についてですが、一言に社会教育といってもいろいろな捉え方がありますので、地域での行事や子ども会などの取組について伺います。
よく地域の子どもは地域で育てると言いますが、その一番小さな単位が子ども会ではないでしょうか。少子化が進む中でもちろん子どもの数も減少しています。子ども会の現状についてお伺いします。
124 ◯教育長(石部邦昭君)[ 110頁]
諫早市における子ども会の現状について、お答えいたします。
まず、子ども会加入の状況ですが、全国的に加入率の減少傾向がございますが、本市におきましても子ども会育成連合会に加入する小中学生の加入率は、平成23年度が57%、平成28年度が49%、令和3年度が37%と減少傾向にあります。
次に、地域の方との交流がある子ども会活動については、夏祭り、奉納相撲、もぐら打ち、ペーロン大会などの地域行事に参加する活動、廃品回収、地域の神社・公園・海岸等の清掃活動のようなボランティア活動、浮立や銭太鼓など、地域に伝わる伝統文化の継承に関わる活動、中には浮立を練習して敬老会でお年寄りに披露するというような活動に取り組んでいる子ども会もございます。
125 ◯青山昭広君[ 110頁]
今、教育長言われたように、年々子ども会の加入数も減っていっている状況です。子ども会を勧誘する場合に学校から情報を得ることができないか、個人情報の関係でなかなか子ども会に入れたくても学校が教えてくれないと、そういったことを聞いております。学校と連携した勧誘などの取組はできないか、お伺いします。
126 ◯教育長(石部邦昭君)[ 110頁]
子ども会入会に関わる学校との連携について、お答えいたします。
学校と子ども会の連携の取組例としては、年度末に開催されている入学説明会終了後に、各地区の子ども会の役員の方が新入生の保護者に対して勧誘と加入手続を行っている学校がございます。
また、ある中学校では、子ども会とは別になりますが、地区生徒会を立ち上げ、同じ地区に住む生徒同士の交流や地区の行事の課題等の共有化につなげている実践もございました。
議員御指摘のとおり、個人情報の取扱いに係る観点から、学校から各子ども会への情報提供はできませんが、学校や地域の実情に応じて工夫しながら対応している状況でございます。
教育委員会といたしましても、他市の状況等を参考にしながら、効果的な取組について研究をしていきたいと考えております。
127 ◯青山昭広君[ 111頁]
子ども会活動の役員の方は、ほとんどが1年で交代されます。全体を把握する方がいないという状況とのことで、そこで事務局をふれあい会館や支所へお願いできないか、お尋ねします。
現在、小長井、森山、多良見では事務局を公民館等に置かれておりまして、今年度までは飯盛も公民館に事務局を置いていらっしゃるということですが、来年度からは飯盛地域も外れるということになっています。
そこで、事務局についてそういった場所にお願いできないか、お尋ねします。
128 ◯教育長(石部邦昭君)[ 111頁]
子ども会の事務局業務をふれあい会館や支所で行うことができないかという御質問についてお答えいたします。
市町村合併前に、旧1市5町にそれぞれありました子ども会育成会連絡協議会とその事務局は、現在の諫早市子ども会育成連合会に統合がなされております。組織統合の経緯や目的からも、今後、新たに連合会の組織の事務局業務をふれあい会館や支所の職員で行っていくことは難しいのではないかと考えております。
教育委員会といたしましては、子ども会の運営面に関しまして、子ども会育成会連合会と連携し、活動内容の改善に向けた研修会を開催したり、自治会や健全育成会等、関係団体との協働の予算について助言したりして、各子ども会が安心して会を運営していけるような支援に努めてまいりたいと思います。
また、地域の社会教育の拠点でもあります公民館でも、活動に協力いただける地域の人材や団体を紹介したり、子ども会と共同で取り組める講座を企画・開催したりするなど、地域の特色や状況に応じたサポートを展開していきたいと考えております。
129 ◯青山昭広君[ 111頁]
なかなか難しいというようなことでしたので、なるべく、地域に出向いていただいてアドバイスとか、今後の子ども会の活動に関しても協力していただければと思います。
子ども会活動は、地域に根差した活動が多く、先ほど教育長も言われましたが、地元の夏祭り、文化祭、郷土芸能浮立ですね、こういった練習や、もぐら打ちとか相撲大会など、地域を一番身近に感じることができる取組が多く、中でも原口町の原口子ども会は、もぐら打ちの取組で全国子ども会連合会において全国表彰を受けられております。
また、学校によっては学校の給食費を子ども会で集めているところがあり、そういった学校は、給食費の納入率も100%だと聞いております。
諫早市子ども会連合会では、毎年、子ども大会を開催されており、今年も5月5日に予定されています。今年は諫早市美術・歴史館も共催されていて、非常に面白い取組・工夫・企画をなさっております。たくさんの方々が子どもたちのため、地域のために努力し、工夫をしておられます。今後も一人でも多くの子どもたちが子ども会活動に参加できるような仕組みづくりをお願いいたします。
次に、地域の関わりとして、地域子ども教室の取組がされていると思いますが、どれぐらいの学校・地域で実施されているのか、また内容についても含めてお願いをします。
130 ◯教育長(石部邦昭君)[ 111頁]
諫早市内における地域子ども教室の実施状況についてお答えいたします。
まず、地域の方々との活動を通して、豊かな人間性を育むことを目的として取り組む地域子ども教室の数ですが、平成29年度の4教室から平成30年度には8教室、令和元年度には11教室、今年度は新たに2教室が加わり、市内で13教室が開催されております。
各教室における活動内容につきましては、子どもたちが自主的・主体的に計画した遊びやレクリエーションの活動、竹細工、手芸、囲碁、将棋、お菓子作りなどの地域の方々の経験や趣味を生かした活動、七夕、クリスマス、お正月等の季節に合わせた活動及び宿題等をサポートする学習の見守りなど、各地域・教室の実情や特徴に応じた多様な活動が行われております。
131 ◯青山昭広君[ 112頁]
今、聞いたら、ずっと教室の数が増えているということで、市内28校小学校がある中で13教室されているということなので、今後もたくさんの学校でたくさんの地域の方との関わり、これ、非常に大事だと思いますので、増やしていっていただいて、地域の方との関わりが多い学校を作っていただければと思います。
次に、通学合宿について、お尋ねします。
現在、コロナウイルス感染症拡大のため、実施をされていないところがほとんどだと思いますが、コロナ以前、本市における通学合宿はどのぐらい取組がされていたのか、お尋ねします。
132 ◯教育長(石部邦昭君)[ 112頁]
通学合宿の実施状況について、お答えいたします。
通学合宿は、子どもたちの生活力・人間関係力の育成と、地域コミュニティの活性化を目的として取り組んでおります。コロナ禍以前の令和元年度は、市内9カ所10校区で開催されております。
133 ◯青山昭広君[ 112頁]
9カ所ですね。
地域の関わりとして通学合宿はとても大きな取組だと思いますが、通学合宿の取組に対する補助金等を含めて市としての関わりについての考え方をお願いします。
134 ◯教育長(石部邦昭君)[ 112頁]
通学合宿に対する今後の市の関わりについてお答えいたします。
各地域で実施される通学合宿に対しまして、子どもたちの豊かな体験活動を提供する取組を支援する諫早市子ども体験活動支援事業を行っております。これらの事業は自然体験活動、集団生活体験活動、勤労生産体験活動に対する補助となっておりまして、通学合宿は集団生活体験学習に該当し、参加人数と宿泊日数ごとに区分された金額を支援させていただいており、令和4年度も今年度同様110万円の予算を予定いたしております。
また、本市では子どもを核とした温もりのある地域づくりを目的とした地域向上力支援事業を推進しており、通学合宿や地域子ども教室の内容の充実と実施地域の拡大に向けて、趣旨・目的を確認する研修会やネットワーク作りのための交流会開催をはじめ各実施団体に対する伴奏型のサポートにも努めてまいります。
今後も子どもを取り巻く地域の方々をはじめ社会教育関係団体との連携や支援活動を継続し、コロナ禍で制約がある状況ではありますが、できることを模索し、子どもたちと地域の方々をつなぐ機会を増やせるように学校・家庭・地域と連携を図り、粘り強く地域教育力の向上を目指してまいりたいと考えております。
135 ◯青山昭広君[ 112頁]
通学合宿については、子どもたちの体験活動としてだけではなく、地域・家庭にとって大変意義のある取組だと思います。その分、実行委員になられた方は大変な部分もあります。食事を一緒に作ったり、もらい湯、子どもたちの宿題、公民館への寝泊まりなど、地域にお願いすることばかりです。通学合宿のテーマに「子どもを軸に地域が手をつなごう」とあります。通学合宿を通して地域の輪を広げていただき、地域が元気になればと思います。
また、成長するのは子どもたちだけではありません、家庭もそうです。子どもたちがいない間、いろんなことを考え、想像し、保護者も一緒に成長をします。
私の経験を話しますと、通学合宿の最後に閉校式をするのですが、子どもたちに通学合宿で思ったことなどを作文にして読んでもらいます。事前に保護者の方にもお願いをして作文を書いてきてもらっているのですが、先に子どもたちが作文を読んで、その後、保護者の方がもう涙で読めない、そういった方がたくさんいらっしゃいます。
また、1つ紹介をさせていただければ、当時、小学校4年生の女の子が通学合宿に参加しました。今言ったように、最後に作文を読んでもらうのですが、恥ずかしくて読めなくて、トイレから出てきませんでした。結局、最後まで隠れて読めなかったのですけれども、次の年に、また参加したいというふうに申し出てきたので、そこで約束をしました。また今回も作文を読まないとね、それでも大丈夫って言ったら読みますということなので、参加してもらいました。その子は5年生、6年生まで3年間通学合宿に来ました。その子が中学生になったときに、コーラス部に入りました。当時、コーラス部の部員が少なく、クラブ紹介で誰もいませんでした、自分一人でした。そんな中で彼女は体育館で一人で歌を歌って部員を勧誘しました。作文も読めなかった子が全校生徒の前で歌を歌う、すごい成長だな。これは、通学合宿が原因ではありませんが、何らかのきっかけになったのではないかと思います。
ぜひ通学合宿については地域に出向いていただいて、たくさんの地域で実践できるように、一緒に作っていただければと思います。
そして、お願いがあるのですけれども、参加している子どもの担任の先生は、通学合宿の公民館に様子を見に行っていただきたい。できればそこで一緒にご飯を食べていただきたい。なぜなら、子どもたちは先生たちが思っている以上に、先生のことが好きなのですよ。特に学校以外で会う先生って大好きなのですよ。だから、ぜひ先生方にはそういった場を提供していただければと思います。
それから、教育長ももしコロナが終わって通学合宿があったら、ぜひ一緒に御飯を食べに行かれてください。本当、いいことばかりです。教育長が好きなお酒は出せませんが、ぜひ一緒に御飯を食べていただければと思います。よろしくお願いします。
それから、今年の2月5日に諫早文化会館で予定されていた生涯学習課によるフォーラムなのですけれども、コロナウイルスのため中止になりました。私も含めて楽しみにされていた方が多分たくさんいらっしゃったかと思いますけれども、これが、今後、予定されているのかどうか、最後にお願いします。
136 ◯教育長(石部邦昭君)[ 113頁]
先ほどの通学合宿につきましては、私も大学教授のときに自分のゼミ生を諫早市内の通学合宿に参加させて経験させていただきました。子どもの親離れということも、また親の子離れも、通学合宿では重要かなということで痛感いたしました。いろんなところに行きたいと思っております。
子どもでつながる地域づくりフォーラムについてお答えいたします。
今年2月に本フォーラムの開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、残念ながら中止といたしました。フォーラム開催の計画に至った経緯としましては、先ほども申し上げましたように、地域子ども教室の開催地区が令和元年度までに増加傾向にあったことと、同じく令和元年度に通学合宿の新設地区が加わったことが契機でございます。
さらに、市内には登下校に見守りや挨拶運動等をはじめとして、地域の子どもは地域で育てるという思いを実践につなげている皆さんが大変多くいらっしゃることから、これをより一層拡大していく好機と捉えたからです。
フォーラム開催の目的としましては、市内全域で地域の子どもは地域で育てるという目標を共有し、子どもを核とした温もりのある地域づくりの実現に向けた機運を高めることでございます。中止を決定した時点で、既に100名を超える参加希望があり、関心の高さも感じております。
今後も子どもたちに関わる地域の方々の取組に対して効果的・継続的な活動に向けた支援を重ねるとともに、感染症の状況を注視しながら、フォーラム開催のタイミングを図ってまいりたいと考えております。
137 ◯青山昭広君[ 113頁]
ぜひ、このフォーラムが開催されてほしいと強く願います。
次に、小・中学校におけるキャリア教育の取組についてお伺いします。
今日、日本社会の様々な領域において構造的な変化が進行しております。特に産業や経済の分野においては大きく変化し、雇用形態も多様化しております。平成18年12月にはおよそ60年ぶりに教育基本法が改正され、教育目標の一部に職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んじる態度を養うことが位置付けられました。
翌年改正された学校教育法において、新たに定められた教育目標の一つとして、職業について基本的な知識と技能、勤労を重んじる態度及び個性に応じて進路を選択した能力を養うことが規定されております。
そこで、キャリア教育を実践されていると思いますが、一般にキャリア教育と言えば職場体験などを想像しますが、学年に応じた取組が必要だと思います。どのような取組がされているのか、お尋ねします。
138 ◯教育長(石部邦昭君)[ 114頁]
諫早市立小・中学校におけるキャリア教育の取組の現状と教育委員会の考えについてお答えいたします。
キャリア教育につきましては、令和2年4月より自身の変容や成長を自己評価し、小学校から高校までの12年間にわたり継続して記録するキャリア・パスポートが日本全国で導入されております。
諫早市立小・中学校におきましても、日々の学習や行事を通して感じた自己の成長をこのキャリア・パスポートに記録し、キャリア教育に活用しています。
また、小学校では市内高校生によるメディア講話、市内企業の経営者による職業講話、V・ファーレン長崎やJICA(国際協力機構)の方々による夢・憧れについての講話といった外部講師を招いた取組や、興味を持った職業について調べる活動などに取り組んでおります。
中学校においては諫早市商工会議所青年部の方々による講義演習や、警察官や助産師、海上保安官など、様々な職種の方々からの講話を通して、具体的に職業観を育む機会を設定し、一人一人の生徒のキャリアプランに生かす活動なども行っています。
さらに、今年度より喜々津中、小野中、小長井中の3校は、県教育委員会の指定を受け、ふるさとキャリア教育の研究指定校として、諫早商工会議所青年部の方々の御協力のもと、講話だけでなく商品開発の企画やふるさとの魅力を再発見し、発信する経験などを通して、ふるさと諫早の将来に志を持つことができるような取組を推進しております。
キャリア教育では、通学や進路決定がゴールではなく、生き方や生活をよりよくするために、常に将来設計を描き直したり、目標を段階的に修正して自己実現に向けて努力したりする力を育成することが求められます。